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200 年月日. 磁性体工学特論 . 参考書 1.強磁性体の物理(上,下) 近角聰信 著 裳華房 2.磁性 金森順次郎 著 培風館 3.磁気工学の基礎 太田恵造 共立全書. 第1章 古典磁気学 第2章 原子の磁性 第3章 秩序磁性 第4章 強磁性体の磁化機構 第5章 磁性の微視的実験 第6章 磁気記録から MRAM まで. …. 第1章 古典磁気学 1 . 1 磁極間のクーロン力 ・北を指す磁極 N 極 (+) ・南を指す磁極 S 極 ( — )
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200年月日 磁性体工学特論 参考書 1.強磁性体の物理(上,下) 近角聰信 著 裳華房 2.磁性 金森順次郎 著 培風館 3.磁気工学の基礎 太田恵造 共立全書 第1章 古典磁気学 第2章 原子の磁性 第3章 秩序磁性 第4章 強磁性体の磁化機構 第5章 磁性の微視的実験 第6章 磁気記録からMRAMまで
….. 第1章 古典磁気学 1 . 1 磁極間のクーロン力 ・北を指す磁極 N極 (+) ・南を指す磁極 S 極 (—) ・磁荷 : 磁極の強さを示す量 静電気における分解電荷に対応,真電荷に 対応する真電荷は存在しない ・磁極(磁荷)qm2が磁極 qm1から受ける力 : ( 1 . 1 ) r qm1 qm2 単位 : F: [N = Kg m/sec2] qm : [Wb = Kg m2/C sec] r : [m] =×:[N/A2 = Wb/A m = H/m = Kg m/C2]
磁荷qmが磁界 H から受ける力 F=qm2H qm2の位置での磁界 (1 . 2 ) ( 1 . 3) H = [A/m] 1 . 2 磁気モーメント ・磁荷は+qmと−qmが対となっており,単独の磁荷は見つかっていない. ・磁気現象は本質的に電流に還元される電荷の運動によるものである. n 磁気モーメント 環状電流 m 面積 S +qm d −qm n : 法線方向の 単位ベクトル 電流 i qmd [Wb ・m]m = iS n [Wb・m] m =iSなら両者が外部(遠方)に作る磁界は同じ (磁石の中の磁界は環状電流の内側の磁界とは異なる)
・磁界中で磁気モーメントm をつくるために要する仕事. 磁位(磁気ポテンシャル)をとすると,仕事は W= qm ( B − A ) qmd 一方,磁界の s方向成分は,Hs = - = H cos +qm s B d H −qm s A ∂s A : A点での磁位 B ; B点での磁位 従って磁気モーメントを m =qm d[ Wb·m] と定義すると W = - m H cos = - m ·H [J]となる. ( 1 . 4 ) ( 1 . 5 )
力を受けない(回転力は働く) m H ( 一様 ) ・磁気モーメントmに働く力 U : 系のポテンシャルエネルギー,エネルギー保存則が成立 一般に力は,次式で与えられる, F = − grad U , (1.6) U = −m ·H より F = grad(m · H) (1.6) (1.7) (1.7) (m が一定の場合,r : 力の方向の座標) 力は磁界勾配に比例
m H T このトルクは直接磁化の方向をの方向に向けさせるのではない。 磁化のもとになる角運動量に働くトルク。 注 ・ 磁気モーメントに働く回転力 T =m0mxH [N·m] ( 1 . 8 ) ・ 磁化I ( 1. 9 ) 単位体積当たりの磁気モーメントm0m の数
l -ρm +ρm I S 磁極の強さ : 磁気モーメント: 磁化 : 表面磁極密度 : d 磁化のもう一つの意味:表面磁極密度 ωm(誘電体の表面分極電荷密度に対応) 長さ方向に一様に磁化した円筒磁性体: 両端の部分に密度+/-ρmの磁極が存在 + ρmと-ρm の磁極密度をもつ 領域が互いに d だけ変位 表面 Sが磁化に垂直でない場合を含め,一般に n を表面法線方向の 単位ベクトルとすれば, (静電気の場合と同様,後述の(1.12)式からガウスの定理を用いて導かれる) ( 1 . 10 )
1 . 3 磁束密度 • B= (+=H+I ( 1.11 ) • 静電気学の公式 : D= e0E + P , divD= との対応より • 真磁荷がないので,div B= 0 , また 分極電荷密度 P= - divPとの • 対応より,磁極密度は m=- divI ( 1.12 ) • 真空中では I = 0 だから B = H,一般には B = =H • 透磁率r ≡ /比透磁率 ( 1.13 ) • : 磁化率, ≡ / : 比磁化率 ( 1.14 ) 1 . 4 ヒステリシス曲線( Hysteresis curve ) B−H曲線,M−H曲線,I−H曲線,磁化曲線,履歴曲線 • ヒステリシス曲線の表し方 • B , M : 磁界 H に平行な成分の大きさ • H: 外部印加磁界とすれば‥‥‥磁化曲線は磁性体の形状に依存 • 磁性体内部での有効磁界とすれば‥‥材料自体の磁化特性を表す
・強磁性体の磁化曲線 B I ( M ) Bs Is (Ms ) d Br Ir( Mr ) c e マイナーループ/勾配:可逆磁化率 b I = iH( B = iH ) f a Hc H O 拡大 バルクハウゼンジャンプ
・強磁性体の磁化曲線(続) 初磁化曲線 0 → a → b → c → d 減磁曲線 e → f 永久磁石では重要 i (ci) : 初透磁率(初磁化率) 磁気ヘッド,高周波トランス m (c) : 最大透磁率(最大磁化率) 電力用トランスの励磁電流を決める Bs : 飽和磁束密度 Saturation induction Is (Ms) : 飽和磁化 Saturation magnetization Br : 残留磁束密度 Remanence Ir (Mr ) : 残留磁化 Residual magnetization Hc : 保磁力Coercive force I (M ) = 0 : 消磁状態 Demagnetized state 実現する方法 : 熱消磁,キュリー温度以上から H = 0 の中で冷却 交流消磁,印加交流磁界を徐々に減衰させる
Hd 1 . 5 反磁界 (demagnetizing field) 自己減磁界ともいう Hext Hd 等価 ⇒ 磁気双極子の集まり → 磁化する(磁気双極子が同じ方向を向く)と (両端に)正負の磁極を生じる。 → 磁極によって磁性体の中に磁化と反対方向の磁界〔反磁界)が生じる。 (ある磁気双極子が他の磁気双極子全てから受ける磁界) → 磁性体中の磁気双極子は,外部磁界 Hextと反磁界Hdの和を感じる。 一様に磁化した(I が磁性体の中で一定の大きさと方向をもつ)磁性体で その形状が回転楕円体の場合,その中の反磁界は磁化に比例し,場所に 依存しない一定値になる。(証明略) N:反磁界係数(テンソル)
z S + + + y + + + + x 平板 Hd - - - - - - I (例)無限平板 面垂直に磁化した場合 閉曲面 Sについて面積分,ガウスの定理 磁極は上,下表面にそれぞれ の密度で存在。 ( z 方向下向き) すなわち Nz = 1
z y x 面内に磁化した場合 無限大の平板なら 磁極は無限遠にある Hd→0 + − I Nx = Ny = 0
・細長回転楕円体(葉巻型)では, a軸方向の反磁界係数は とおくと (図 1 .5 -1 ) ・偏平回転楕円体(円盤形)では,
・磁性体に働く(有効)磁界 H = Hext+ Hd = H ext − I (1.19) 外部磁界 一般に回転楕円体の主軸方向の反磁界係数 Nx, Ny, Nzの間には次式が成立 Nx + Ny + Nz = 1 (1.18) 適用例 球 : N = 1/3 無限長丸棒 : Nz = 0 , Nx = Ny = 1/2 無限平板 : Nz = 1 , Nx = Ny = 0 軟磁性材料を測定する時は特に注意が必要。 例 NiFe 合金(パーマロイ) Bs 〜 1 [T], HC〜 2 [ A/m] 球状試料では |Hd | 〜 (1/3) / (4 ×) 〜 3 ×105 [A/m]
Hd>> Hcの場合 材料自体の特性 I H HC 球状試料の磁化特性
・反磁界の影響を避ける方法 例 トロイダル状(ドーナッツ形) 試料 井桁 ヨーク法 高透磁率材料
( 1 . 21 ) eff r = eff 100 1/N 10 r 1 10 100 ・実効透磁率 meff: 外部磁界に対する磁束密度の変化 B = effHext( 1 . 20 ) ( 1. 19 ) × / Bより比透磁率は次式で与えられる。 (例) フェライト バーアンテナ(中波〜短波帯) フェライトコア 10 mm ×100 mm 細長回転楕円体として近似すると N0.02 従って r をいかに大きくしてもmeff < 50となる。 Nはある程度小さくする必要
1.6 磁気測定 1)力学的方法 磁気天秤,交番磁界勾配型磁力計(AGM) 磁気力顕微鏡(MFM) 2)電磁誘導による方法 磁束計,磁位差計,振動試料型磁力計(VSM) 3)電流磁気効果による方法 ホール効果,電流磁気効果 4)その他 SQUID(Super Conducting Quantum Interference Device,超伝導量子干渉計) NMR(核磁気共鳴),磁気光学効果
試料Sを磁界勾配中におき, 磁場に引き込まれる力を測定 振動する試料Sから発生する 交流磁場を検出 Vibrating Sample Magnetometer
振動試料型磁力計 横軸を磁界に縦軸を磁化の値とした磁化曲線 (ヒステリシスカーブ)を測定する装置です. ------------------------------------------------------------------------ 装置仕様 米プリンストン社製 最大磁場:13 kOe 感度:約2×10-5emu 測定温度:77 K〜約600 K ------------------------------------------------------------------------
圧電素子 ロッド 5 kA/m -5 kA/m 交番磁界勾配型磁力計 Alternating Gradient Magnetometer(AGM)
AGMでは、交流の磁場勾配を試料磁化用の直流磁場内につくり,その磁場勾配により,磁化した試料に力を加え振動させる.交流勾配磁場 ⇨試料振動 ⇨圧電素子に周期的な応力 ⇨電気信号変換勾配磁場の周波数をチューニング操作(自動)によりこの系の固有振動数 に合わせ高い感度を得る.試料の磁化 ∝ 磁場勾配中の試料に加わる力 ∝ 圧電素子にかかる応力 ∝ 応力によって発生する電気信号の振幅
交番磁界勾配型磁力計 (AGM) ---------------------------------------------------- 磁化曲線(ヒステリシスカーブ)を VSMより100倍程度,高感度で測定 できる装置です. ---------------------------------------------------- 装置仕様 米Princeton Measurements社製 最大磁場:22kOe 感度:約1×10-8 emu 測定温度:10k〜300k(予定) -----------------------------------------------------
磁気力顕微鏡 Magnetic Force Microscope (MFM) 磁性探針 測定方法 環流磁区の磁気力顕微鏡像
磁気力顕微鏡の原理 カンチレバーの共振周波数 カンチレバーと試料の間にに働く磁気力Fの勾配(探針の先端を磁極とみなせば磁界勾配が磁気力の勾配を生じる)によるバネ定数の変化 実効的なバネ定数 磁気力勾配の下での共振周波数 共振周波数の変化を検出