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この資料について. このパワーポイント資料は、平成19年6月8日に、熊本大学附属中学校で、作者が中学1年から3年の全校生を対象に行った 学校保健委員会 での講話に使用したものです。
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この資料について • このパワーポイント資料は、平成19年6月8日に、熊本大学附属中学校で、作者が中学1年から3年の全校生を対象に行った学校保健委員会での講話に使用したものです。 • 中学生向けに、科学の話、脳と心の話、生活リズム・睡眠の重要性などを説明するために「非営利目的」で、ご使用下さい。ただし、一部、他者に著作権・肖像権のある図版が含まれます。(例:スライド12は日本テレビ、スライド16はニュートン誌、など)再配布はせず、リンクをご紹介下さい。また、ビデオ動画は配布できないため、一部、わかりにくい部分があります。flash 動画の再生は、Swiff Point Player 等が必要です。 • なお資料作成にあたり、嶋津貴子先生、瀬口久美代先生にお世話になりました。感謝いたします。 • 粂 和彦のサイト: http://k-net.org/
熊本大学附属中学 学校保健委員会講話脳の中の時計と体のリズム熊本大学附属中学 学校保健委員会講話脳の中の時計と体のリズム 熊本大学 発生医学研究センター 粂 和 彦
今日のおはなし • 1.最初に、科学について • 科学リテラシー、真 善 美 • 2.脳の中の時計と身体のリズム • 体内時計とは何でしょうか? • 3.睡眠の不思議 • 時計と眠りの関係 • 4.みなさんの睡眠 • 附属中学での調査
今日のおはなし • 1.最初に、科学について • 科学リテラシー、真 善 美 • 2.脳の中の時計と身体のリズム • 体内時計とは何でしょうか? • 3.睡眠の不思議 • 時計と眠りの関係 • 4.みなさんの睡眠 • 附属中学での調査
1. 最初に • 科学リテラシー: • (リテラシー =文字を読む能力のこと) • 科学の情報が氾濫する中で、その意味を • きちんととらえて適切に判断する能力 科学は、いろいろなことを明らかにしたけれど、 万能ではない、全てがわかるわけではない 科学では、説明できないことが存在する
脳科学では・・・ • 脳がどれだけわかっても・・・ 実は、心の仕組みの、もっとも大切な部分が 解明できるという見通しは、今のところない。 専門家の言葉でも、頭から信じないで、 自分でも考えたり調べたりして下さい。 (例:ゲーム脳)
科学は何をめざすのか? • 普遍的な真実 (わかっていないことを調べる) • =>真実、あるいは、事実を知ることには • 価値がありうる。 • =>真実は、人間の外にあるもので、 • そのものに価値があるかどうかは不明
科学と技術の違い • 科学Science 理学部 • => 真実(事実)を追究する • 技術Technology 工学部 • => 人間を幸せのために応用する • 特に科学を応用するものを科学技術 • 現代は、「科学技術の時代」
みなさんに目指して欲しい 真・善・美 • 真: 科学が目指しているもの • 人の外に存在する • 善: 技術が目指しているもの、価値観 • 人と人の間に存在する • 美: 芸術・美学が目指しているもの • 人の中に存在する
今日のおはなし • 1.最初に、科学について • 科学リテラシー、真 善 美 • 2.脳の中の時計と身体のリズム • 体内時計とは何でしょうか? • 3.睡眠の不思議 • 時計と眠りの関係 • 4.みなさんの睡眠 • 附属中学での調査
体内時計とは • 私たちの身体のリズムを刻む「24時間周期の時計」
番組を少し見てみましょう 日本テレビ (くまもと県民テレビ) 「世界一受けたい授業」 昨年6月10日放映 1:35
体内時計(概日周期)の役割 • 1.時刻を知る:今、やるべきこと • (セミの脱皮の話など) • 2.季節を知る:この季節にやるべきこと • (日照時間を測ることによる) • 3.方角を知る:渡り鳥の「羅針盤」 • (時刻と太陽の方向から、方角を計算)
体内時計の中枢 Newton 2004年7月号
全身の時計と、その制御 2:00
体中にある体内時計 • 体内時計は、ひとつひとつの全ての細胞にある • ↓ • これが、各臓器で同調して、 • 大きな時計を作る • ↓ • 脳の時計も同じ仕組み • 脳の時計に、その他の時計が合わせられます
体内時計の調節 • 1.脳の中の時計が、「光」により、調節される • 2.体中にある時計が、「脳の時計」により、 • 調節される • =>朝を知らせるコルチゾール • 夜を知らせるメラトニン • 3.「光」以外の調節(睡眠、食事)もある
今日のおはなし • 1.最初に、科学について • 科学リテラシー、真 善 美 • 2.脳の中の時計と身体のリズム • 体内時計とは何でしょうか? • 3.睡眠の不思議 • 時計と眠りの関係 • 4.みなさんの睡眠 • 附属中学での調査
睡眠について、よくある質問 • 1. なぜ、眠るの?眠らないと、ダメなの? • 2. 眠っている時に、何が起きているの? • 3. どのくらい眠れば良いの? • 4. 眠る量は、どう調節されているの? • 5. どうすれば、よく眠れるの?
どうして、私たちは眠るのか? • とても、難しい質問ですが・・・ • 睡眠を必要としているのは、 • 身体ではなく、脳です。
脳にはいろいろな働きがあります 日本学術会議 「おもしろ情報館」 学習と記憶より http://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku1
体内時計 眠る脳と、眠らせる脳 大脳皮質=眠る脳 眠らせる 脳幹=眠らせる脳 =眠らない脳
眠っている時には、何が起きているの? • 眠りには2種類ある • レム睡眠 (急速眼球運動睡眠) • =REM=Rapid Eye Movement • 目だけが動いている睡眠 • ノンレム睡眠 それ以外の睡眠
6 3 5 7 8 1 2 4 眠りには、波がある 覚醒状態 レム睡眠 1 2 ノンレム睡眠 3 4 睡眠時間 20
脳を休めるノンレム睡眠 • レムではない睡眠(変な言葉です) • 脳波は、ゆっくりとしたデルタ波に 起きている時の脳波 眠っている時の脳波
夢を見る、不思議なレム睡眠 • 目玉が、ぎょろぎょろ動いている • (まぶたは、閉じています) • 体の力が、ぐったり抜けている • 脳は、起きている時のように、活発に • 活動をしている • 鮮やかな夢を、よく見ている • この時目が覚めると、金縛りに会う
ZZ Z... レム睡眠時の回想 (夢による再学習?) 記憶(学習)成立 ??? ストレスなど 記憶・学習障害 レム睡眠の阻害 ネズミの学習と夢の中での復習? 1 3 4 2 1 迷路での学習時
脊椎動物の種類によるレム睡眠の有無 レム睡眠がない ノンレム睡眠とレム睡眠 爬虫類の多く 両生類 魚類 哺乳類 鳥類 爬虫類の一部
どのくらい、眠らないといけないのか? 個人差が大きい。朝、すっきり目が覚めて、 日中、ひどく眠くならなければ大丈夫!
眠る量は、どのように調節されているのか? 眠る量は・・・ 1.毎日、だいたい一定 2.みんな、夜に眠る (昼行性、夜行性)
睡眠を制御するもの: 二大要素 • 睡眠の量と質は、「眠気」で決まる • 「眠気」=「昼間の活動」と「体内時計」 • 「昼間の活動による脳の疲れ」 • =>昼間に活発に活動すれば、より眠くなる • 昼寝をしすぎれば、夜、眠くなくなる • 「体内時計」 • =>徹夜しても、明け方には目が冴え始める。 • 外国旅行すると、時差ボケで眠る時間がずれる。
覚醒 睡眠 覚醒 睡眠 体内時計の 覚醒信号(C) 実際の眠気 夜 昼 夜 昼 夜 眠る前後に、 眠気が最大になる。 体内時計の力で、日中は、 それほど眠くならない。 眠気のモデル (ニ過程モデル) 睡眠不足の(=起きていることによる) 眠気(S)
体内時計が朝になると、 少し、目が覚める 眠らないため、夜は、 どんどん眠気が増す 残存する 睡眠不足 体内時計の 覚醒信号(C) 実際の眠気 徹夜明けに、すっきりする理由 睡眠不足の(=起きていることによる) 眠気(S) 覚醒 覚醒 覚醒 睡眠 夜 昼 夜 昼 夜
時差で体内時計がずれる 覚醒 睡眠 覚醒 睡眠 昼の眠気が ひどくなる 夜の眠気が弱く、 深く眠れない 早朝に目が覚めてしまう 体内時計のずれ = 時差ぼけ 睡眠不足の(=起きていることによる) 眠気(S) 体内時計の 覚醒信号(C) 夜 昼 夜 昼 夜
=>12時間周期? 実際の眠気の日内変動(Two Process Model の限界) 24時間周期の体内時計だけでは、 説明できない、山と谷がある 眠気 夜の眠気の谷=眠れない時間 (フォービッドン・ゾーン) 午後の眠気の山 7 13 19 1 7 深夜 午前 午後 夜 深夜 午前
時計の針を合わせるもの(入力系) • もっとも強く影響を与えるのは、光。 • 光によるリセットの程度は、強さに応じて変わるので、強い光の方が、作用が強い。 • 例:晴れた日の屋外 100,000 lux 以上 • 曇った日の屋外 10,000 lux 以上 • 普通の家庭の部屋 500 lux 程度 • コンビニ 2,000 lux • その他:気温、運動、食事、メラトニン、 睡眠?など
体内時計の調節法 光の効果
朝の光 => 時計の針を進める 朝7時 朝6時
夜の光 => 時計の針を遅らせる 夜9時 夜10時
体内時計の光によるリセット 時計が 進む 夜 朝 昼 夕 朝 時計が 遅れる
体内時計と生活リズムを整えるために • 1. 朝は、規則正しく起きて、朝日を浴びる • 休日も、あまり長く寝坊しない • 2. 夜は、10時から11時を過ぎたら暗くする。 • 机の電気でノートや本を明るくする • 3. 規則正しく、特に朝御飯をしっかり食べる • 4. 眠る間際に、携帯やパソコンを避ける • =>「早寝・早起き・朝御飯」運動
規則正しい生活の重要性~意志も、大切~ 1:20
朝、気持ちよく起きられるのは・・・ • 体内時計が、起床前から準備を始めているから • =>起床1時間前には、コルチゾールが増え始める • 体温、血糖値、血圧などが、上昇を始める • 睡眠も浅くなってくる • 起床時刻には、準備が整う • =>前日に、早く起きようと「思う」だけでも、 • この準備が早くなる