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BFC グリッドバージョンの試計算 MEC-model boundary-fitted coordinate grid version. 大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻 博士前期課程2年 栗岡 俊介. 2001.12.07( 金 ) 第 2 回 MEC ワークショップ. ◆ 発表の手順. 1.モデル開発の背景 2.モデルの概要 3.支配方程式 4.数値計算法 5.モデルの試計算 6.今後の課題. モデル開発の背景.
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BFCグリッドバージョンの試計算MEC-model boundary-fitted coordinate grid version 大阪大学大学院工学研究科 地球総合工学専攻 博士前期課程2年 栗岡 俊介 2001.12.07(金) 第2回MECワークショップ
◆発表の手順 • 1.モデル開発の背景 • 2.モデルの概要 • 3.支配方程式 • 4.数値計算法 • 5.モデルの試計算 • 6.今後の課題
これらは海岸線および海底などの境界付近は階段状で近似されており、 3次元解析モデルを境界に埋め込むような場合に静水圧近似モデルの境界付近の計算を精度よく扱う必要がある。 背景 • MECモデルの数値計算プログラム • MEC Variable Mesh バージョン • 直行不等間隔格子を用いたモデル • MEC Nesting Mesh バージョン • スケールの異なる直行等間隔格子を用いたモデル
従来のMECモデルによる格子生成例① 大阪湾 五ヶ所湾 陸地部分(緑色)の格子は計算されない 海岸線が階段状近似 ※第1回MECワークショップCD-ROMより作成
従来のMECモデルによる格子生成例② 長崎県大村湾 拡大 ※MEC九大グループHPより引用
目的 本年度はMECモデルの静水圧近似モデルの部分の計算で使用される計算格子に境界適合格子を用いたバージョンを新たに開発し、試計算を行なうこととした。
モデルの概要 • MEC Variable Mesh バージョンの静水圧近似 部分のアルゴリズムを採用した。 • 計算格子に境界適合格子を用いて湾内の海水 部分を構造格子で表現した。 • 潮位の変化に伴って動く移動格子を海水面に 適用した。
モデルの概要 • 計算格子セルを有限体積法によりコントロール ボリュームとして離散化することで複雑な地形 を計算格子で表現した。閉境界での境界条件 の処理が容易かつ高精度に行なえる。 • 計算格子を分割し接合するマルチブロックの方 法を用いることでより複雑な地形表現が可能と なった。
ここで、 は水平方向流速、 は鉛直方向流速、 は圧力、 は密度、ここで、 は水平方向流速、 は鉛直方向流速、 は圧力、 は密度、 は水平渦動粘性係数、 は鉛直動渦粘性係数である。 支配方程式 • Navier-Stokes方程式 • 境界条件 • 連続の式 (海底) (海面)
計算格子 η y ξ x • 境界適合座標では物理空間で複雑な形状を扱うためにその形状に沿った境界適合格子を用いる。 • 物理空間はデカルト座標系で表され、境界適合格子が正方格子に変換されるような計算空間を考える。 座標変換 (b)計算空間 (a)物理空間 座標変換(2次元の例)
Navier-Stokes方程式 • 水平方向流速u • 水平方向流速v
Navier-Stokes方程式 • Navier-Stokes方程式中の拡散項における応力ついて は以下のような拡散流束を計算した。
連続の式 • 鉛直流速w、水位ztについてはMEC Variable Meshバージョン と同様に以下の連続の式を積分することで求めた。 ※ここで、Jはヤコビアン(Jacobian)であり、計算格子セルの体積をあらわす。
● 格子点(x,y,z) × 流場変数(u,v,w,p) コントロールボリューム k+1 j+1 ζ k η j i-1 ξ i k-1 i+1 j-1 変数配置 格子セル(i,j,k)のコントロールボリューム ’J’
● 格子点(x,y,z) × 流場変数(u,v,w,p) コントロールボリューム k+1 j+1 N H k j E E W W S L J-1 k-1 i-1 i i+1 i-1 i i+1 Y-Z 平面 X-Y 平面 コントロールボリューム(移流項)
● 格子点(x,y,z) × 流場変数(u,v,w,p) コントロールボリューム k+1 j+1 N H k j E E W W S L J-1 k-1 i-1 i i+1 i-1 i i+1 コントロールボリューム(拡散流束を求める時) Y-Z平面 X-Y 平面
反変ベクトルの導出 の導出(格子セルのEASTsideの例) ζ η ξ 変数 ( u,v,w) NORTH WEST (i,j,k) EAST SOUTH ξが一定の格子断面の面積ベクトルで面積の大きさを持ち、方向は法線方向である。
格子セル体積Jの導出 変数 ( u,v,w) NORTH WEST (i,j,k) EAST SOUTH ζ η 格子セル体積Jはセルセンターを通るξ,η,ζ方向のベクトル から求めた。 ξ
格子セル(i,j,k)で離散化 コード内の支配方程式の離散化( Navier-Stokes方程式・水平方向流速u) • 実際のコード内でどのような離散化を行なっているかを移流項を例に示す。 • 座標変換後の移流項
運動量フラックス 変数 ( u,v,w) NORTH (i,j,k) EAST WEST SOUTH 任意のkにおけるi-j 断面の図 • 格子セル(i,j,k)で離散化
格子セル(i,j,k)で離散化 鉛直流速wの導出 • 連続の式
流量フラックス 変数 ( u,v,w) 既知 既知 既知 既知 任意のjにおけるi-k 断面の図 HIGH ② (i,j,2) EAST WEST ① (i,j,1) EAST WEST LOW 既知 →海底からの流入は“0” 連続の式において、水平流速u,vを既知として海底(k=1)から海面まで積分していくことで求まる。
自由水面の境界条件 • 自由水面の境界条件 移動格子の水面境界を抜ける流れはないことから、自由水面においては次式が成り立つ。 右辺は連続の式から求まる。これはMEC Variable Mesh バージョン と同様、一般的な自由表面の境界条件をあらわしている。
数値計算法 数値計算法の概要
モデルの試計算 • 局部的に水路が狭くなる湾を想定して計算を行なった。(Case01) • きわめて狭い水路をもつ湾を想定し、水路部分を別ブロックに分割して計算を行った。(Case02) • 湾内に構造物があることを想定して計算を行なった。(Case03) • 細長い湾を想定し小さな湾を別ブロックで追加配置した計算を行った。 (Case04)
Case01 計算条件
計算格子(全体) 流入境界
計算格子 流入境界
計算結果(潮位コンター図) 1/4周期後 基準時(5周期目) 3/4周期後 2/4周期後
計算結果(水位 zt時系列) 流入境界 湾奥
Case01の考察 • 局部的に水路が狭くなる湾を想定して計算を行なった。 • 奥の湾は流入境界の振幅0.5mに対して0.2mとなり、約90°の位相遅れが確認できた。これは細い接合部における湾奥の挙動に近いものであり、今後複雑なモデルでの計算を進めていく必要がある。
Case02 計算条件
計算格子(全体) 流入境界
計算格子 流入境界 接合部拡大図
計算結果(潮位コンター図) 基準時(5周期目) 1/4周期後 3/4周期後 2/4周期後