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2002 年 5 月 国際大学 GLOCOM 助教授 丸 田  一

ブロードバンド化政策がもたらす 地方暗黒時代. CANによるファーストマイル整備の重要性. 2002 年 5 月 国際大学 GLOCOM 助教授 丸 田  一. 1. 地域情報化の現状. ■ 第2局面に突入したブロードバンド化. □ ブロードバンド化政策 2000 年 IT 基本法 2001 年 e -Japan 構想 2005 年に世界最高水準の IP 網構築. □ 幹線網  ~ 2001 年 様々な主体による光ファィバ敷設 2001 年 東西 NTT ダーク・ファイバ開放 □アクセス網  2001 年 ミドルバンド化( DSL 元年)

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2002 年 5 月 国際大学 GLOCOM 助教授 丸 田  一

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  1. ブロードバンド化政策がもたらす 地方暗黒時代 CANによるファーストマイル整備の重要性 2002年 5月 国際大学GLOCOM 助教授 丸 田  一

  2. 1 地域情報化の現状 ■第2局面に突入したブロードバンド化 □ブロードバンド化政策 2000年 IT基本法 2001年 e-Japan構想 2005年に世界最高水準のIP網構築 □幹線網  ~2001年 様々な主体による光ファィバ敷設 2001年 東西NTTダーク・ファイバ開放 □アクセス網  2001年 ミドルバンド化(DSL元年) 2002年 ブロードバンド化(FWA元年、FTTH)

  3. 第1局面 第2局面 250万人 DSL FTTH CATV 200万人 150万人 100万人 50万人 - 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 2月 3月 10月 11月 12月 10月 11月 12月 2000年1月 2001年1月 2002年1月 2000年 2001年 2002年 資料)総務省「平成13年度情報通信白書」 1 地域情報化の現状 ブロードバンド加入者の推移

  4. 2 地域情報化の第1局面 ■幹線網整備 □多様な主体による光ファィバ整備  NTT  電力系通信事業者  国土交通省(道路、河川、下水道) 地方自治体 □地方自治体の自設網整備  10自治体で運用・実行中  6自治体で借上げ網の運用・実行中 14自治体で実施計画中            (2000年現在)

  5. 実施進度 自前・借上・計画無 自 前 借 上 計画無 運用・実行中 詳細計画 計画無 資料)いしばし先生と愉快な後輩たち「日本インターネット化状況」(2001年) 2 地域情報化の第1局面 地方自治体の幹線網整備状況

  6. 2 地域情報化の第1局面 ■アクセス網整備 □急激に普及するミドルバンドサービス DSL2001年DSL元年       加入者250万人へ(2002年3月) FWA2002年FWA元年 FTTH 加入者7万人、廉価サービス開始 □アクセス網整備における問題点 ①ミドルバンド化に伴う地域間格差の拡大 ②アクセス網の市場の不成立

  7. 2 地域情報化の第1局面 ①地域間格差の問題 ADSL提供自治体分布図 資料)㈱インプレス「iNTERNET magagine 第88巻 2002年6月号」

  8. 40 39.5 35 28.4 30 24.2 25 21.8 20.2 19.7 20 16.6 14.7 12.3 15 11.4 10.4 10.3 9.8 9.4 9.2 10 8.0 7.7 7.4 7.2 6.8 6.3 6.1 5.9 5.7 5.3 5.0 4.7 3.8 3.6 5 0 東京 大阪 京都 静岡 千葉 埼玉 愛知 兵庫 奈良 広島 宮城 栃木 福岡 石川 岡山 滋賀 富山 福井 愛媛 新潟 群馬 茨城 岐阜 山形 長野 山梨 青森 香川 沖縄 岩手 秋田 三重 鳥取 徳島 長崎 福島 高知 熊本 山口 島根 宮崎 大分 佐賀 神奈川 北海道 和歌山 鹿児島 資料)総務省情報通信統計データベース(http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/dsl/index.html) 2 地域情報化の第1局面 都道府県別対1万人DSLサービス提供者数 東京都(39.5人/万人)と佐賀県(3.6人/万人)では実に11倍の開き

  9. 社会指標 決定係数(R ) 人 口 0.766 世 帯 0.778 人口密度 0.729 人口集中地区 (DID)人口 0.808 全域に占める人口集中地区の人口割合 0.745 全域に占める人口集中地区の面積割合 0.719 20 ~ 29 歳人口 0.802 20 ~ 39 歳人口 0.798 20 ~ 49 歳人口 0.785 資料)総務省「平成12年度国勢調査」、総務省情報通信統計データベース 2 地域情報化の第1局面 各種社会指標と対1万人DSLサービス提供者数との相関

  10. 2 地域情報化の第1局面 ②市場不成立の問題 □市場不成立の構造  全国的な面展開のため膨大な投資が必要  急激な技術革新が連続して起こる  →投資回収前に、新技術が台頭  利用者はブロードバンドの必要性が理解できず □米国のジレンマ □日本は…  東西NTT等によるFTTH整備の急進により、  米国とは異なる道をたどる

  11. 2 地域情報化の第1局面 ■コンテンツの東京集中 □発信情報量  東京が18%、首都圏が33.5%を占める。 1人当たり流通量も東京と宮崎で1.4Pの格差 □消費情報量 地域間格差は少ない

  12. 22.0 2.2 20.0 2.0 18.0 1.8 16.0 1.6 14.0 1.4 12.0 1.2 10.0 1.0 8.0 0.8 6.0 0.6 4.0 0.4 2.0 0.2 0.0 0.0 東京 大阪 千葉 愛知 埼玉 兵庫 福岡 静岡 岡山 京都 広島 群馬 奈良 石川 岐阜 茨城 長野 福島 新潟 宮城 愛媛 栃木 徳島 大分 三重 青森 山口 熊本 長崎 滋賀 岩手 富山 秋田 沖縄 山形 香川 福井 山梨 島根 宮崎 高知 佐賀 鳥取 神奈川 北海道 鹿児島 和歌山 都道府県別シェア(%)(左軸) 1人当たり・全都道府県平均比(右軸) 資料)総務省「情報流通センサス調査」 2 地域情報化の第1局面 発信情報量シェアと1人当たり情報流通量の全都道府県平均比

  13. 22.0 2.2 20.0 2.0 18.0 1.8 16.0 1.6 14.0 1.4 12.0 1.2 10.0 1.0 8.0 0.8 6.0 0.6 4.0 0.4 2.0 0.2 0.0 0.0 鳥取 愛知 福岡 群馬 石川 茨城 福島 栃木 大分 青森 岩手 秋田 山形 東京 大阪 千葉 埼玉 兵庫 静岡 岡山 京都 広島 奈良 岐阜 長野 新潟 宮城 愛媛 徳島 三重 山口 熊本 長崎 滋賀 富山 沖縄 香川 福井 山梨 島根 宮崎 高知 佐賀 神奈川 北海道 鹿児島 和歌山 都道府県別シェア(%)(左軸) 1人当たり・全都道府県平均比(右軸) 資料)総務省「情報流通センサス調査」 2 地域情報化の第1局面 消費情報量シェアと1人当たり情報流通量の全都道府県平均比

  14. 2 地域情報化の第1局面 ■大手町一極集中の網トポロジー □nationalIX WIDE「NSPIXP」商用「JPIX」など大手町集中  IXを頂点とした階層構造 □現在の網トポロジーの問題点  ① 通信遅延やパケット損失  ② 脆弱な耐障害性  ③ 通信の非効率性  ④ コンテンツの域外流出  ⑤ 上流バックボーンの過大負荷  ⑥ 運用・管理権限の制約

  15. 海外へ 海外へ NationalIX 大手ISP 大手ISP 大手ISP AP AP AP AP AP 地域ISP B地域 C地域 地域ISP A地域 地域ISP 2 地域情報化の第1局面 大手町一極集中の網トポロジー

  16. 2 地域情報化の第1局面 ■網トポロジー問題解決の試み ③ 他の試み  トラヒックの大半であるWebを限定的に扱う  キュッシュを共有、など   「PseudoIX」 ProxyをバックボーンやIXに設置   「CDN」   「Rax」 上位層 ① 広域IX  Regional IX 政令指定都市クラスに… 広域IXを設置、全国的に均質な高速IP環境を実現 MEX(メディアエクスチェンジ)    大阪・名古屋・高松・金沢 ② 地域IX local IX 各地域内に… 地域IXを設置、域内の地域ISP同士やAPを接続し、地域ISP間、地域内のトラヒックを直接処理 下位層

  17. 海外へ 海外へ National IX 大手ISP 大手ISP 大手ISP AP AP AP AP AP 地域ISP C地域 B地域 local IX 地域ISP 地域ISP 2 地域情報化の第1局面 地域IXの試み

  18. 地域IXの試み 地域IXの挫折 2 地域情報化の第1局面 ■網トポロジー問題解決の試み ① 地域ISP間の接続間接続回線料の負担    等地域ISPにインセンティブが働かない ② BGP4運用など必要技術水準が高く、   BGPオペレータ等が地域内に不在 ③ BGP4運用のためAS番号を所得する必 要があるが、投資に効果があわない ④ 地域IX・地域ISPにピアリング交渉力なし ⑤ 同コンテンツ重複転送問題を解決しない ⑥ 地域ISP管理者間の折衝が面倒 ⑦ 大手ISPにとって限定したIXを利用する ことが運用上効率的である

  19. 80% 70% 60% 50% 首都圏 40% 東京都 30% 20% 10% 合計 研究員 管理部門 営業部門 プログラマー オペレーター キーパンチャー リサーチャー等 システムエンジニア 2 地域情報化の第1局面 ■人材(技術者)の東京集中 □情報サービス業総従業者の約46%が東京に集中 □研究員・リサーチャー・システムエンジニア等  高い専門性職種が東京へ集中。 資料)旧通商産業省「平成11年度特定サービス     産業実態調査報告書 情報サービス業」

  20. 2 地域情報化の第1局面 ■企業(事業所)の東京集中  情報サービス業事業所の33.7%が東京に立地  年間売上高の53%が東京に集中  従業者数の約46%が東京に集中  本社の約44%が東京に集中 資料)旧通商産業省「平成11年度特定サービス     産業実態調査報告書 情報サービス業」

  21. 12,000 1.2 10,000 1 事業者数(左軸) 収益(億円、左軸) 8,000 0.8 1事業所あたり収益 (億円、右軸) 6,000 0.6 4,000 0.4 2,000 0.2 資料)総務省「通信産業実態調査」 1995 1996 1997 1998 1999 2000 年 2 地域情報化の第1局面 ■地域ISP(第二種電気通信事業者)の経営難 54%が売上10億未満、48%が関連売上3000万未満  多くは第二種兼業の中小企業、半数がISP事業者  事業所あたり収益減少、46.4%が経常収支赤字

  22. 2 地域情報化の第1局面 ■地域ISPの経営難 □経営上の課題  技術者不足(56.2%)  業務受注が少なく売上げが伸びない(38.0%)  適正価格の設定が困難(47.7%)など 資料)総務省「通信産業実態調査」

  23. ■ミドルバンドの「中・半双」 新技術開発・商品化 ■アクセス網の地域間格差 自治体自設網整備 ■アクセス網市場不成立 (Bフレッツで決まり?) ■大手町頂点の網トポロジー 地域IXなど ■資源の東京集積(人・企業) 打つ手なし ■地域ISPの弱体化 打つ手なし 2 地域情報化の第1局面 ■第1局面(~2002年)の問題点と対応策

  24. 第1局面:~2002年 第2局面:~2005年 目標 ゴール:ブロードバンド化(3千万世帯・高・常・双)→2005年  ■電子自治体の構築 中 ■基幹系システム改変(オープン化、クラサバ方式、BPR) ・ ■公共部門(教育・医療・福祉・防災・交通)の情報化推進 ■電子商取引の促進 上 位 層 現 ■ASP 状 「国としてのブロードバンド・スタートアップ」 <幹線網> 下 ■多様な主体によるダークファイバー整備促進  (自治体による地域バックボーン整備含む) 位 ■ダークファイバーの開放開始 層 <アクセス網> ■ADSL(中・常・半双)の普及促進 問題点 対応策 問 題 ■「中・半双」→「高・双」 →新技術の開発・商品化 ■地域間格差 →自治体自設網整備試み 点 ■アクセス網整備における市場不成立 →Bフレッツで決まり? と ■ 網トポロジーの大手町集中構造によ →地域IXの試みと挫折 るトラフィックの非合理 解 ■開発資源の東京集積(企業・人材) →打つ手なし 決 策 ■ 地域ISPの弱体化 →打つ手なし 3 地域情報化の第2局面 ■局面分析:第2局面へ ?

  25. 3 地域情報化の第2局面 ■幹線網整備 □幹線網の一層の広帯域化  アクセス網整備範囲の拡大に伴い、  幹線網等は一層の広帯域化が必要となる □幹線網整備の方向  幹線容量の増強、IXの交換効率向上  地方IXを設置し、トラヒックを地方分散  長距離系事業者幹線にWDMを導入  幹線網(ダークファイバー)の開放

  26. 3 地域情報化の第2局面 ■アクセス網整備 □ファースト・マイル整備が中心的課題 <DSL> 2002年度内に概ね全国的にサービス展開 <本命?のFTTH>  価格低下等に伴い2002年度以降急速に普及 2003年度迄に概ね政令指定都市・県庁所在地 2005年度迄に概ね市の整備が完了 <FWA> 2002年FWA元年  新技術の実用化(802.11a、UWB)

  27. 2005年までの 実加入世帯予測 773 695 万世帯 749 800 593 700 600 429 500 388 400 300 164 80 200 205 100 97 41 年度 - 2 2005 DSL 2004 FTTH 2003 CATV 2002 無線 2001 資料)総務省「全国ブロードバンド構想」(2001年) 3 地域情報化の第2局面 ■アクセス網整備 □e-Japan構想の目標は概ね達成 2005年度末、1,977万世帯がミドルバンド超加入

  28. 4,700 万世帯 5,000 3,950 3,950 4,000 3,200 3,000 2,500 3,950 3,950 2,300 2,000 3,100 2,100 525 1,000 1,813 525 250 - 年度 40 2005 2004 DSL FTTH 2003 CATV 2002 無線 2001 3 地域情報化の第2局面 2005年までの 加入可能世帯予測 資料)総務省「全国ブロードバンド構想」(2001年)

  29. 3 地域情報化の第2局面 ■想定される第2局面の問題点 ① 地域間格差の拡大 ② 市場不成立地域の存在 ③ 地域IT経済の負のスパイラル    (開発資源(人・企業)の東京集中の構造化) ④ 東京集中の網トポロジー ⑤ 無線サービス規制の問題 ⑥ ダークファイバー開放規制の問題

  30. 2.8% 18.5% 無線 0% 条件不利地域 83.3% CATV 2.9% FTTH 29.4% DSL 44.1% その他の町村 73.5% 8.0% 40.0% その他の市 84.5% 19.5% 86.8% 政令指定都市および 県庁所在都市 83.8% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 3 地域情報化の第2局面 ① 地域間格差の拡大 □都市部と条件不利地域の格差が決定的に 条件不利地域(540万世帯)は、2005年まで FTTHの整備の予定なし。DSLサービスが中心。 資料)総務省「全国ブロードバンド構想」(2001年)

  31. 3 地域情報化の第2局面 ② 市場不成立地域の存在 □米国並みの問題は起こらない?  第1局面同様、市場不成立地域が問題となる。  しかし、FTTH整備が全国的に展開される予定。  米国並みに過当競争等による市場不成立地域  の問題が拡大されることはないだろう。  むしろ問題となるのは「地域間格差」である。

  32. 3 地域情報化の第2局面 ③ 地域IT経済の負のスパイラル (開発資源(人・企業)の東京集中の構造化) □一過性現象→構造的問題へ  第1局面で生まれた「開発資源の東京集中」の  問題は、現在のところ有効な対策がない。 □地域IT経済における負のスパイラル  インフラ→需要→産業→ □人材と企業における負のスパイラル  産業→雇用 →人材→

  33. <インフラ> <人 材> 高速インフラが 優秀な技術者が 整備されない 流出する <産 業> IT地場産業が 育たない <需 要> <雇 用> IP人口が 増加しない 優秀な技術者の コンテンツが作 雇用の場がない られない 3 地域情報化の第2局面 地域IT経済の負のスパイラル

  34. 3 地域情報化の第2局面 ④ 東京集中の網トポロジー アクセス網、幹線網、IXともトラヒック量を  増大させながら、大手町頂点の集中構造は維持 ⑤ 無線サービス規制の問題 FWAに使用可能な周波数帯を拡張する必要 既存免許事業者との整合性、干渉問題、免許不要の場合の周波数管理、オークョンを含む割当方法 ⑥ ダークファイバー開放規制の問題 ダークファイバー開放に伴い、IRU(破棄しない二次使用権)の申請手続、IRU認可範囲等の問題

  35. ① 「地域間格差の拡大」の対応策 □「公」支援による格差解消が不可避  ブロードバンド化で地域間格差は決定的に  従来、自治体は、自設網整備を推進  今後は、アクセス網での支援が課題 □総務省「地域公共ネットワーク」 2005年までに全国整備。  学校、図書館、市役所等公共施設間を接続  条件不利地域等のアクセス網として活用も検討。  ただし、効果には疑問も。 3 地域情報化の第2局面 ■想定される第2局面の対応策

  36. 人口密度 DSL FTTH 民間サービスが提供されない地域 民間サービス提供地域(高速) 民間サービス提供地域(超高速) 対象地域 全国(条件不利地域を含む) 対象地域 町村部を除く全国 対象範囲 サービス局舎より数km以内 対象範囲 - 3 地域情報化の第2局面 ■想定される第2局面の対応策

  37. CATV FWA 地域イントラネット 民間サービスが提供されない地域 民間サービス提供地域(高速) 民間サービス提供地域(超高速) 一部の人口密集地域 対象地域 対象地域 一部の人口密集地域 対象地域 一部の地域 難視聴地域 対象範囲 半径数10km以内 対象範囲 - 対象範囲 半径数10km以内 3 地域情報化の第2局面 ■想定される第2局面の対応策

  38. ①複数選択肢のある  ブロードバンドサービス供給地域 ②ブロードバンドサービス供給地域 ③複数選択肢のある  ミドルバンドサービス供給地域 ④ミドルバンドサービス供給地域 ⑤ミドルバンドサービス非供給地域 3 地域情報化の第2局面 ■想定される第2局面の対応策 2005年のサービス提供水準別の空間分布概念図

  39. ァ)「  」地域へ  ブロードバンド(ミド  ルバンド)サービス提  供支援 <180万世帯> ⑤ イ)「  」「  」地域へ  ブロードバンドサービ  ス提供支援      <550万世帯> ③ ④ 3 地域情報化の第2局面 ■想定される第2局面の対応策 □「公」の支援策

  40. 3 地域情報化の第2局面 ③ 地域IT経済の負のスパイラルの対応策 対応策なし→第3局面で検討! ④ 東京集中の網トポロジーの対応策 対応策なし→第3局面で検討! ⑤ 無線サービス規制問題の対応策 既存免許事業者との整合性、干渉問題、免許不要の場合の周波数管理、オークョン含む割当方法に決着 ⑥ ダークファイバー開放規制問題の対応策 IRU(破棄しない二次使用権)の申請手続の簡素化、IRU認可範囲等の問題解決

  41. 4 地域情報化の第3局面 ■局面分析:第3局面へ

  42. 4 地域情報化の第3局面 ■個人快適時代の到来 □シビルミニマムとしてのブロードバンド環境 e-Japan構想の目標をほぼ達成 適切な「公」支援と規制緩和で地域間格差縮小  殆どの国民は、常時双方向・広帯域・廉価な  IP環境をほぼ等しく享受 2005年から電子自治体による行政サービス開始  医療・教育・福祉・防災等分野の情報化により  生活各場面がおいて利便性や快適性が向上  電子商取引、IP電話、ストリーミング系  個人はオンライン上で極めて快適な活動展開

  43. 第1局面:~2002年 第2局面:~2005年 第3局面:2005~年 ■「中・半双」→「高・双」 解消/ブロードバンド化 ■アクセス網市場不成立 ■アクセス網市場不成立 解消/「公」の支援 ■地域間格差在 ■地域間格差在 解消/「公」の支援 ■ 開発資源の東京集積 ■ 開発資源の東京集積 ■ 開発資源の東京集積 ■ 網トポロジーの集中構造 ■ 網トポロジーの集中構造 ■ 網トポロジーの集中構造 ■ 地域ISPの弱体化 ■ 地域ISPの弱体化 ■ 地域ISPの弱体化 ■ 地域発のコンテンツ不足 ■ 地域発のコンテンツ不足 ■地域発のコンテンツ不足 ■ 無線使用の規制の存在 解消/規制緩和実施 ■ ダークファィバー使用規制 解消/規制緩和実施 4 地域情報化の第3局面 ■その陰で継承される問題

  44. □何が問題か? それは、地域が地域を単位として主体的な活動を   起こそうとする時、自ずと明らかになる。 4 地域情報化の第3局面 ■地方暗黒時代 □個人に関わりのない問題 大規模災害がない限り、網トポロジーは問題なし  個人にとって企業の人材不足は一見無関係  企業にとって在京企業に業務委託すれば問題なし

  45. 4 地域情報化の第3局面 ■地方暗黒時代 □自立機会を奪われる  全ての地方は東京の支配的影響の下におかれ、   自立的な活動をしたくとも人的・物的資源がない  という極端に不利な状況におかれる。  地域住民に快適な環境を提供するためにも、  東京から全ての開発資源を調達せざるをえない □地域独自のアイデンティティが消滅  若年層等の東京志向を助長させ、  ビジネスコミュニティは常に東京の影響を受け、  地方生活者の生活の質や、  地域独自のアイデンティティ形成にも障害

  46. 4 地域情報化の第3局面 ■地方暗黒時代 □情報化政策の幻想  自律・分散・協調の性格を持つ情報化は、  時・空の制約を克服し、中央と地方に対等関係を  もたらす、ともいわれてきたが幻想にすぎない。 □e-Japan構想は「地方暗黒時代」をもたらす  ブロードバンド化政策により、地域は手足を奪われ、  自立性や主体性を持てない地域へと成り下がる。 □地方分権化に逆行  「庭園の島」第5次全国総合開発計画(98年)  地方分権一括法(99年)

  47. 4 地域情報化の第3局面 ■地方暗黒時代への対応策 2005年迄に多少時間あり、軌道修正は可能 □「負のスパイラル」の連鎖を断切る!  「インフラ」 2005年以降は問題がほぼ解消  「産業」「人材」が問題 <産業面>  在京企業と地場企業とのJV組成/など <人材>  域内高等教育機関等による人材育成/など  「IT特区」 2003年、総務省が全国に8箇所指定  産業集積および人材育成を予定

  48. <インフラ> <人 材> 高速インフラが 優秀な技術者が 整備されない 流出する <産 業> IT地場産業が 育たない <需 要> <雇 用> IP人口が 増加しない 優秀な技術者の コンテンツが作 雇用の場がない られない 東京に集積する 東京を頂点とした 産業(地域間所得循環)構造 網トポロジー 4 地域情報化の第3局面 ■地方暗黒時代への対応策

  49. 4 地域情報化の第3局面 ■地方暗黒時代への対応策 □2つの社会・経済システムにメス  地域IT経済は、それを包含する東京を頂点とした   マクロ社会・経済システムに強い影響を受ける  ①「軍事化(1855年~)」「産業化(1915年~)」の    課程で形成された、東京中心の 「産業構造(地域間所得循環構造)」  ②「情報化(1975年~)」初期段階(第1・2局面)で    形成された、東京を頂点とした 「IPの網トポロジー」

  50. 公的セクター 1・2次産業 3次産業 中 税 央 政 府 東 本社経費 京 (営業・宣伝等) 支店経費 収奪 本 所得 社 内部留保 移 転 本社 支 店 費 巨 用 利潤 大 工 業 都 都 税 道 市 府 所得 県 法人留保 収奪 工 業 利潤 市 都 町 所得法人留保 市 村 利潤 農 村 農林漁業所得 所得再分配機構 資料)北原貞輔・矢田俊文著『地域経済システムの研究』(九州大学出版会、1986年)、 八田達夫編『東京一極集中の経済分析』(日本経済新聞社、1994年)をもとに作成 財政再配分機構 4 地域情報化の第3局面 「産業構造・ 地域間所得 循環構造」 へのメス

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