780 likes | 942 Views
インタフェース設計論 第 4 回 CUI と GUI ~人に優しいインタフェース・デザインに向けて~. 政策・メディア研究科 博士 1 年 塚田 浩二. 自己紹介. 塚田浩二 政策・メディア研究科博士課程 1 年(安村研究室) <http://mobiquitous.com/~tsuka/> 関心領域 実世界指向インタフェース インスタレーション 発明的研究(ガジェット作り). 過去の活動 ( 抜粋 ). 実世界指向インタフェース Ubi-Finger , Active Belt インスタレーション Augmented Garden ガジェット作り
E N D
インタフェース設計論 第4回CUIとGUI~人に優しいインタフェース・デザインに向けて~インタフェース設計論 第4回CUIとGUI~人に優しいインタフェース・デザインに向けて~ 政策・メディア研究科 博士1年 塚田 浩二
自己紹介 • 塚田浩二 • 政策・メディア研究科博士課程1年(安村研究室) • <http://mobiquitous.com/~tsuka/> • 関心領域 • 実世界指向インタフェース • インスタレーション • 発明的研究(ガジェット作り)
過去の活動(抜粋) • 実世界指向インタフェース • Ubi-Finger,Active Belt • インスタレーション • Augmented Garden • ガジェット作り • 廃れるリンク, 顔アイコン(@ Sony CSL)
講義の流れ(全体) • 第4回 CUIとGUI ~人に優しいインタフェース・デザインに向けて~ • 第5回 さまざまな入出力インタフェース • 第9回 バーチャル・リアリティとインタラクティブ・アート • 第10回 モバイル/ユビキタスと実世界指向インタフェース
講義の流れ(今回) • ユーザインタフェースの歴史 • 第1世代~第5世代 • CUIとGUI • 特徴,直接操作,アイコン • 人に優しいインタフェースの設計に向けて • 習慣,モード,モノトニー,統一化
参考文献 • Jakob Nielsen(著), 篠原 稔和 他(訳),ユーザビリティエンジニアリング原論 • 田村博(編), ヒューマンインタフェース • Jef Raskin(著), 村上雅章(訳), ヒューメイン・インタフェース
ユーザインタフェースの歴史 • 第1世代: バッチシステム • 第2世代: ライン指向インタフェース • 第3世代: 全画面インタフェース • 第4世代: グラフィカル・ユーザインタフェース(GUI) • 第5世代: 次世代型インタフェース CUI
ポイント • 新しい技術の登場+古い技術の再利用 • 古い世代のインタラクション技法の多くは、今でも再利用されている.
第1世代: 背景 • 計算機: 真空管式コンピュータ • 年代: 1945~1955年頃 • ユーザ層: コンピュータ専門家 • 備考: • パンチ・カード・システムからコンピューターへの移行 順序選択式電子計算機(SSEC)
第1世代:バッチシステム • 定義: コンピュータでバッチ作業(プログラム)を起動する. • 全コマンドを処理結果がわかる前に特定する. • ゼロ次元のインタフェース • インタラクティブ性はない • 特徴: ユーザの途中操作を必要としない • 同じ作業を何度も行うには便利
第2世代: 背景 • 計算機: トランジスタ式コンピュータ • 年代: 1955~1965年頃 • ユーザ層: コンピュータ専門家 • 備考:タイム・シェアリングシステム • 複数のユーザが一台のコンピュータを同時に利用. • ユーザ・インタフェースに利用できるリソースは少ない. IBM STRETCH
第2世代:ライン指向インタフェース • 定義:一行のコマンドラインのみでユーザと対話を行う • 質疑応答やコマンド言語を用いる. • 1次元のインタフェース • 過去の入力や,出力後のデータは変更できない ライン指向インタフェースの例
質疑応答 • ユーザがコンピュータの質問に一つずつ答える. • 特徴: • コンピュータがユーザをナビゲーションする • 不定期利用ユーザ向け • 問題点: • 次の質問がわからない&前の答えを変更しにくい. • ex.) 市を入力してください. • 市だけでなく,州や郵便番号をすべて入れてしまう
コマンド言語 • コマンド名と引数(パラメーター)を用いる • ex.) copy A B delete A • 特徴: • 複雑な処理をサポートできる. • 編集可能で、履歴を再利用できる. • 問題点: • 学習が難しい. 後で詳しく説明
第3世代: 背景 • 計算機: 集積回路コンピュータ • 年代: 1965-1980年頃 • ユーザ層: コンピュータ知識のない専門家 • ex.) 銀行窓口 • 備考: コンピュータのビジネス利用がはじまる. IBMシステム/360
第3世代: 全画面インタフェース • 定義: 画面上の全領域を用いて対話を行う. • 2次元のインタフェース • フォーム入力のダイアログ形式 • 画面上のラベル領域を,自由な順序で編集できる • メニュー・ファンクションキーの導入 全画面インタフェースの例
ファンクションキー • 画面上にキーとコマンドの割り当てを表示し,キーボードで入力する手法 • 特徴: • 数種類のコマンド入力が速くなる. • 柔軟性はない ファンクションキーの一例
メニュー • システムが提示するコマンド群を、ユーザが選択する. • 特徴: • 学習が容易. • 問題点 • 熟練者にとっては煩わしい. 後で詳しく説明
第4世代: 背景 • 対象: パーソナル・コンピュータ • 年代: 1980-200X(?)年頃 • ユーザ層: ビジネスマン,趣味人 • 備考: 個人がパーソナルコンピュータを購入できるようになる. RISCシステム/6000ファミリー PS/55note
第4世代:グラフィカル・ユーザインタフェース(GUI)第4世代:グラフィカル・ユーザインタフェース(GUI) • 定義: 複数のウインドウを重ねた,3次元に近い 空間で直接操作により対話を行う. • 2.5次元のインタフェース • 後ろのウインドウは原則一番上にしないと中身が見えない. • WIMP(Windows, Icon, Menu, Pointing Device)から構成される. 後で詳しく説明 WIMPを用いたGUI
第5世代: 背景 • 計算機: • 没入型システム,ユビキタス・コンピューティング,ウェアラブル・コンピューティング,情報家電など • 年代: 200X(?)年~ • ユーザ層: 誰でも • 備考: • コンピュータの利用形態の多様化と,生活空間への浸透.
第5世代: 次世代型インタフェース • 没入型インタフェース • 実世界指向インタフェース
没入型インタフェース • 仮想世界に人間を引き込むアプローチ • Virtual Realityなど • ゲーム,インタラクティブ作品などに利用 Cave HMDとデータグローブ
実世界指向インタフェース • 生活空間にコンピュータの世界を引き出す手法 • Augmented Reality, Tangible Bit …etc • 人間の空間認識能力や,身体性を活用 • ユビキタス / ウェアラブル環境において利用 Augmented Surfaces (by Sony CSL)
まとめ:インタフェースの歴史 • 0次元→1→2→2.5次元へと進歩 • システムの習得しやすさは改善された • 一方,ユーザの生産力はあまり変わらない • 新しい技術の登場+古い技術の再利用
おまけ: インタラクション技法の再利用例 • バッチファイル • コマンド言語による一連の作業を自動化 • コマンドラインのターミナル • Unix系コンソール,コマンドプロンプトなど • ダイアログボックス,Webフォーム • プッシュフォンのインタフェース • 質疑応答+メニュー
ひとくぎり • 質問などがあればどうぞ! ふー
CUIとGUI • CUI (Character User Interface) • ライン指向,全画面インタフェース • コマンド言語,質疑応答,メニュー,ファンクションキー • (間接操作) • GUI (Graphical User Interface) • WIMPに基づくインタフェース • ウインドウ,アイコン,メニュー,ポインティングデバイス • 直接操作
コマンド言語とコマンド名のつけ方 • コマンド名と引数(パラメーター)を用いる. • ex.) copy A B delete A • コマンド名のつけ方 • 意味のある名前を選ぶ. • 特定性と一般性に配慮 • 特定的な語は記述力に富む • ex.) doskey, ipconfigなど • 一般的な語は多くの人が覚えやすい • ex.) move, copyなど
コマンド言語の長所/短所 • 長所 • 十分に習熟したあとに現れる • 効率のよい操作ができる. • ユーザの学習効果をいかせる. • システムの制御感覚を持つ. • 短所 • 学習過程におこる • 操作が分かりにくい • 操作を間違えやすい • 操作の習得に時間がかかる
メニューの設計 • システムが提示するコマンド群をユーザが、選択する. • 階層の設計が重要 • 階層を使わないのが一番よい(項目が少ない時) • 使う場合,深さと広がりに関するトレードオフがある. • ex.)浅いメニュー • ナビゲーションが少なくてすむ反面,各層の項目が複雑になる. • 選択肢の多すぎるメニュー,階層の深すぎるメニューは避ける. 浅いメニューと深いメニュー
メニュー選択の長所/短所 • 長所 • 主に学習過程に起こる • 分かりやすい • 学習の時間が短い • キー入力が減る • 短所 • 主に熟練者に問題となる. • 操作が増える • 慣れてくるとわずらわしい • 処理時間がかかる
直接操作 • 操作と操作対象のデータを視覚的に表示 • 連続的,可逆的な操作 • 操作結果をリアルタイムにフィードバック • WYSIWYG(What You See Is What You Get) • コマンド入力による指示と選択も併用 • ex.) • 全画面エディタ • スプレッドシート • ゲーム • GUIのファイル操作
小話: 直接操作の魔力 • GUIの計算機をどう操作するか [Nielsen 1990] • 24人に調査 • 結果 • 13人はマウスでしか操作できないと回答. • 11人はキーボードかマウスで操作すると回答 • 考察 • 直接操作部分が説得力があるため,他の操作方法を見つけにくくなっている.
アイコン • 実世界のオブジェクトのイメージを用いて,コンピュータの世界を表現 • オブジェクトの機能をメタファとして利用 • 適切な環境下では明快な表現ができる. • 視覚的な魅力を付加する さまざまなアイコン
アイコンのデザイン • 一貫性,具体性,簡潔性などが重要. • 一貫性 • 視覚的イメージは統一されているか • 具体性 • 具体的オブジェクトのように見えるか • 絵柄から意図した機能を連想できるか • 簡潔性 • すべてのオブジェクト,線分,点が必要か • 色,パターン,明るさは調和の取れた組み合わせか
アイコンの問題点 • 絵柄から機能が一意に決まらないことが多い. • アイコンのための説明が必要なケースが多い! アイコンの説明の例 図書目録のアイコン
CUI vs GUI • CUIとGUIのどちらが使いやすいか? • 一般に,GUIの方が優れたユーザビリティを持つ • CUIで実現できることはほぼGUIでも実現できる. • 逆は難しいことが多い • 一方で,GUIの制約や問題点なども明らかになりつつある.
身体障害者とGUI • 一般に,身体障害者にとっては,GUIはCUIより扱いにくい. • Ex.) • 運動機能障害のユーザー • キーボードは使えるが,マウスの細かい操作は難しい. • 視覚障害のユーザー • 画面上のアイコンやオブジェクトが見えない. • ウインドウを音声などで知らせる技術を使った研究などもあるが,効率が悪い.
ん? おまけ: ガジェット紹介 • 顔アイコン: 手軽なファイル転送システム
顔アイコン: 手軽なファイル転送システム • ファイルを顔のアイコンにドラッグ&ドロップするだけで,手軽に送信できる. • 高林哲氏らと共同開発 (@Sony CSL) Drag and Drop
顔アイコンエディタ • 顔アイコン作成専用のシンプルなエディタを搭載 • 写真の読み込み • 顔の選択 • 背景の塗りつぶし 簡単に顔アイコンを作成できる
ひとくぎり • 質問などがあればどうぞ! ふー
人に優しいインタフェース・デザイン • 現状のWIMPやGUIの問題 • ヒューメイン・インタフェース(HumaneInterface) • 人に優しいインタフェース・デザインの実現にむけて
現状のWIMPやGUIの問題点 • 単純な作業にも多くの時間がかかる. • ex.) 計算機,テキストエディタ…etc. • コンピュータの操作自体に注意が向けられ,タスクに集中できない. • 現状のGUIは,不完全な要素の集合体 • メニュー(学習は容易だが,操作に時間がかかる.) • ショートカット(素早く操作できるが,覚えにくい.)
ヒューメイン・インタフェース(HumaneInterface) • 人間の本来のタスクを阻害しない,人に優しいインタフェース • ex.) 「アイデアをメモする」 • アプリケーションの起動,ファイル名をつけるなどのタスクは本来のタスクと無関係.
ヒューメイン・インタフェースの条件 • よい習慣を形成する. • モードをもたない. • モノトナスな状態である. • 統一化されたデザインをもつ. それぞれの詳細について説明する
習慣 • 習慣の形成 • 自動化 • 注意の所在 (locus of attention)
習慣の形成とは? • 定義: • ある作業を繰り返すことで,それが徐々にやさしいものに感じられてくる状態 • ex.)楽器の演奏,キーボードの入力 • インタフェースを継続的に利用すれば,必ず習慣が形成される. • よい習慣も悪い習慣もある.
自動化 • 定義: • 意識的に思考せずに行えるように習慣化された作業 • ex.)楽器の演奏,キーボードの入力 • 自動化を意図的に防ぐ訓練は存在しない. • ex.)ファイル削除のときの,「はい(Y)」「いいえ(N)」の確認は役に立たない. • 削除指示の直後にYを入力することが習慣化されてしまう.