ACM/ICPC とアルゴリズム

ACM/ICPCとアルゴリズム speech @ 「実践的プログラミング」稲葉一浩

自己紹介 • 理Ⅰ → 理学部情報科学科 → 情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 • 博士課程１年 • XMLを扱う専用言語の研究など • 個人的には • http://www.kmonos.net/ • D言語 • C++. Boost • ACM/ICPC歴 • 2003 [Lighthouse] ビバリーヒルズ大会 (11位) • 2004 [Gokuri] ソウル予選、会津予選で敗退 • 2005 [Gokuri-Squeeze] 上海大会（惨敗orz）

「アルゴリズム」とは • アルゴリズム(algorithm) は、なんらかの問題を解くための手順のことである。算法（さんぽう）と訳されることもある。 -- Wikipediaより • 例 • なんらかの問題　：　整列（sorting） • アルゴリズム：クイックソート、バケツソート,...

発表の内容 × • どういう問題を解くアルゴリズムを知っているとよいのか！？ • どういう問題を解くアルゴリズムは知らなくてもいいのか！？

「NP完全問題」 • NP問題 • 「答えがあってるかのチェック」は簡単な問題 • Sorting とか • NP困難問題 • どんなNP問題よりも、それ以上に「難しい」問題 • 「この問題が効率よく解ければ他のどんなNP問題も解ける」とわかっている問題 • NP完全問題 : NPかつNP困難 • NP問題の中で一番「難しい」問題

「NP完全問題」 • ICPCなどでも、よく出題される • でも、NP完全問題を効率よく解くアルゴリズムは、まだ誰も発見していない • もちろんICPCの出題者も！ • うまい解き方が思いつかなくても問題なし • 「NP完全問題だ」と気づいたら、なんの工夫もないプログラムで突撃してOK! • そういう風に入力が作ってあるはず

「NP完全問題」の例 • 巡回セールスマン問題 • ハミルトン経路問題 • 集合分割問題 • 最大クリーク問題 • ナップザック問題

Traveling Salesperson Problem • 入力：都市間の移動にかかる時間 • 出力：全ての都市を巡って戻ってくる最短経路

Hamiltonian Path • 入力：点と辺でできた図形（グラフ） • 出力：全点を一度ずつ通るような経路「ひとふでがき」とはちょっと違う

Partition • 入力：数の集合 • 出力：和が丁度半分になるように分けられる？{1.2, 3.4, 5.6, 5.3, 0.9, 3.5} ただし、数の集合が「小さい整数」とわかっているときは、効率よく解ける。（DP）

Maximum Clique • 入力：グラフ • 出力：どの２点も辺でつながってるような頂点集合の最大サイズ

Knapsack Problem • 入力：荷物（重さ、価値） • 出力：重量制限を満たす　　　範囲でできるだけ　　　価値を増やす荷物の　　　選び方

そのほか • Google “NP完全” • Wikipedia “NP完全”

実際に出た問題 • 2005 F (巡回セールスマン問題) • 2003 E (最適配置問題) • 2002 D (Hit & Blow) • ...

おまけ • 知っているとよいアルゴリズム • グラフ理論 • 『データ構造とアルゴリズム』培風館エイホ、ウルマン、ホップクロフト • 『アルゴリズムC++』近代科学社セジウィック • 図形問題 • 高校の数学の教科書

ACM/ICPC とアルゴリズム