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物理学基礎及び演習 電気電子工学科 1年次 E2 クラス. T. Sameshima , TUAT. members. 鮫島俊之(さめしまとしゆき) 名古屋大学・静岡大学・工学博士・ソニー・ Max Plank Institute ・東京農工大学・教授 講義担当. 蓮見真彦(はすみまさひこ) 東京大学・理学博士・理化学研究所・東京農工大学・ 学習支援室長 演習担当. 蛯名涼子(えびなりょうこ) 東京農工大学4年生・鮫島研究室・大学院入試合格 工学府鮫島研究室へ進学予定・ TA 担当. Introduction.
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物理学基礎及び演習 電気電子工学科 1年次E2クラス T. Sameshima, TUAT
members 鮫島俊之(さめしまとしゆき) 名古屋大学・静岡大学・工学博士・ソニー・Max Plank Institute・東京農工大学・教授 講義担当 蓮見真彦(はすみまさひこ) 東京大学・理学博士・理化学研究所・東京農工大学・ 学習支援室長 演習担当 蛯名涼子(えびなりょうこ) 東京農工大学4年生・鮫島研究室・大学院入試合格 工学府鮫島研究室へ進学予定・TA担当
Introduction 1.教科書 タイトル:理工学系の基礎教育 物理学 出版社:学術図書出版社 ISBN:4-87361-938-6 2.講義ノートはホームページからダウンロード 1)http://www.tuat.ac.jp/~sameken/ 2)講義ノートのメニューバーをクリック 3)2012年 物理学及び演習 (1年次後期) のコーナーの物理 (ppt)をクリック
Introduction 3.演習と宿題は学習支援室蓮見室長が担当する。 学習支援室ホームページからダウンロード 1) http://www.tuat.ac.jp/~gakusyu/ 2)演習問題 及び 宿題 をクリック
Introduction 4.必修科目 5.成績評価: 絶対評価 S:100〜90,A:89〜80,B:79〜70,C:69〜60, D:59〜0 S〜Cは単位認定される。E1クラスと同一評価、 演習30点 宿題20点 中間試験+期末試験 50点
Introduction 6.物理授業用ノートを用意すること 7.講義・演習・宿題の流れ 講義:毎回所定のテーマの解説をする。 演習:前回答案返却→前回問題解説→ 今回問題配布・実施→今回答案回収 宿題:講義前に前回答案回収→ 演習後今回問題配布
Introduction 8.物理は大学院入試の必修科目である。 本講義・演習をマスターすれば必ず合格する。
某大学平成23年度大学院入試物理問題抜粋 壁に掛けてあった気に入りの絵が図1-1のように傾いていた.何かの拍子に右肩を止めていたピンが外れ,左肩のピンを支点にして回転し傾いたのだろう.図1-1のように絵が傾いて運動して止まるまでの運動の過程を調べよう.簡単化のために絵は図1-2に示すように辺の長さがaとbの長方形であり,質量Mの一様な密度の剛体板とする. この剛体板を図1-1と区別してPeintureと呼ぼう.最初辺O-Pの辺は水平に静止していたとする.Pにあったピンがはずれ,鉛直下方に重力加速度 gが働き点O回りにPeintureが回転して落下する.図1-2のように重心を通る線OQと鉛直線の挟む角をθとする.時間微分係数の記号は のように書くことにする.以下の問いに答えよ.
某大学平成23年度大学院入試物理問題抜粋 [1] まず摩擦などの抵抗が無いとしよう.最初Peintureは静止していたから,運動エネルギーKはゼロであった.Peintureの重心は落下により低下し,その際位置エネルギーが運動エネルギーKに変わる.コーナーの位置Qが最下点に達した時,Peintureが獲得するKをM, a, b, gを用いて表せ. [2]Peintureは最初静止していたからそのときの角運動量Lもゼロであった.一般にLは力のモーメントNが働くことにより の関係によって発生する.Peintureが図1-2に示す位置にあるときPeintureには重力によりNが働く.Nは負の値である.NをM, a, b, g, θを用いて表せ.
某大学平成23年度大学院入試物理問題抜粋 [1] [2]
某大学平成23年度電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎演習 期末テスト問題某大学平成23年度電気電子工学科E2 物理学基礎・物理学基礎演習 期末テスト問題 問1 F君は漫研のスーパー絵描きであり、 彼は自信作を私にプレゼントした。私の部 屋の壁に彼の絵が掛けてある。ある日その 絵が図1-1のように傾いていた。何かの拍 子に右肩を止めていたピンが外れ、左肩の ピンを支点にして回転し傾いたのだろう。 絵が傾く運動の過程を調べよう。簡単化の ために絵は図1-2に示すように辺の長さがa とbの長方形であり、質量Mの一様な密度の 剛体板とする。この剛体板を図1-1と区別して Peintureと呼ぼう。最初、辺OPは水平に静止していたとする。点Pにあったピンがはずれ、鉛直下方に重力加速度 gが働き、点O回りにPeintureが回転して落下する。図1-2のように重心を通る線OQと鉛直線の挟む角をθとする.時間微分係数の記号は のように書くことにする。摩擦などの抵抗は無いものとして、 以下の問いに答えよ。
1-1. 力のつり合い ・力は向きがある。だからベクトル量である。 ・力の大きさはもちろんスカラー量である。 ・力の大きさの単位はN(ニュートン)である。 ・力は運動量ベクトルの時間微分で与えられる。 ・力は足し算できる。 ・力を足してゼロになる状態をつり合いという。
1-1. 力のつり合い いろいろな種類の力が知られている。 重力(gravity) , 電気力(electrical force) 磁気力(magnetic force) , ローレンツ力 摩擦力(friction) 弾性力(elastic force), 粘性力(viscosity) 応力(stress)
1-1. 力のつり合い いろいろな力が質量mの物体に作用したとき、以下の式が成り立つ。 即ち、力(force)に比例し、質量(mass)に反比例した加速度a(acceleration)が生じる。 例えば、質量m電荷量eの物体が電界強度Eの場に置かれたら、 の力が物体に作用する。 よって電界強度の方向に加速度 が生じる。
1-1. 力のつり合い ちから はベクトルだから、 こんな風に書いても良い。 このとき、おのおのの成分は一致していなければならない。
1-1. 力のつり合い とする。 問 以下は可か?
1-1. 力のつり合い とする。 問 以下は可か?
1-1. 力のつり合い とする。 問 以下は可か? 答えは「否」だが、5桁の有効桁の範囲では「是」でもある。 物理学は有効桁が非常に重要である。 事例を考えてみよう。
1-1. 力のつり合い 力を足してゼロになる状態をつり合いという。 問 以下は可か?
1-1. 力のつり合い 不思議だが、異なる種類の力であっても力の合成とつり合いがなりたつ。 問 以下の場合の釣り合いの条件は何か? 重力 粘性抵抗 終端速度 速度ベクトルは、
1-1. 力のつり合い 問 以下の場合の釣り合いの条件は何か? 重力 粘性抵抗 電気力 終端速度 ミリカンはこの性質を使って電気素量を決定した。 1924年 ノーベル物理学賞
電子について勉強しよう 電子の電荷の決定 電荷がとびとびの値をとることの直接の証明と.個々の粒子の電荷を見出す方法による電子の電荷の大きさの最初の精密な決定が,1911年にミリカン Milikan によって行なわれた. ついで光の作用で放出される(光電効果)電子の電荷を,ミリカンの方法と似た方法で決定することが,1912年に A. F. ヨッフェ Joffe によって行なわれた.
電子について勉強しよう ミリカンの実験方法:極めて小さい油の滴の電荷を直接測定 水平におかれた畜電器の両極のあいだにある小滴を考えよう. ①畜電器の極板に電圧がかかっていないと,滴は自由に落下するであろう.滴の寸法が小さいために,それは等速で落下する.なぜなら,それの重さmgは空気の抵抗の力とつりあうからである. 空気の抵抗の力は物理で学ぶストークス Stokes の法則によると (3) に等しい.ここでvgは落下速度,ηは空気の内部摩擦係数,aは滴の半径である.
電子について勉強しよう 重力との釣り合いとの式(4) から滴の半径を計算で出すことができる.ここで、滴の物質の密度をσ,空気の密度をρであらわすとしよう.そうすると,空気中を落下 する小球の実効的重さは(5) となるから、力の釣り合いの式は (6) となる。即ち、 (7) が得られる。
電子について勉強しよう ②今度は,畜電器の極板に電位差が与えられ, 電場の作用で滴が上昇するようにその電位差 の大きさと向きがえらばれたとしよう.滴は電荷 Qが帯電しているとする。この上昇もまた落下 と同じように等速運動であるが,その速度をvE であらわす. (8) ここでEは畜電器の内部の電場の強さである.(4)と(8)から (9) -V +Q 0V
電子について勉強しよう 直接測定にかからない滴の半径aの代わりに,vgを使ってaをあらわした式(7)を入れて (10) を得る. 畜電器の極板のあいだの空気を電離させる(たとえばX線を使って)ことにより,滴の電荷を変化させることができる. 電場の強さがもとのままだとすると,滴の速度は変化してv’Eになり (11) が得られる.
電子について勉強しよう (11)と(10)とを組合わせると (12) が見出される.帯電条件を変えつつ多数回の実験を行い、電荷量の差を測定する。 (12)によれば,帯電変更のさいの電荷の大きさの変化は,速度の差vE-vE’ に比例するはずである.もしこの差がある1つの大きさの整数倍であるならば,電荷の変化は連続的にではなく,有限の分量ずつ行なわれると断定することができる.
電子について勉強しよう 実際にそうなっていた. 式(10)は,滴の電荷の絶対値が和 vg+vEに比例しなくてはならないことを示している.もしこの和が,同一の大きさの整数倍であるならば,それは電荷がつぶつぶな単位から成るものであることを意味する. 実際にそうなっていた. ミリカンの実験は力学的運動論と電気力学の単純な組み合わせと慎重な実験手法を駆使することにより、電荷がとびとびの値を取る原子論の完全かつ直接的な証明を与えた.
ミリカンの実験例 * *平均tg=11.880,ここでtgは重力場内の落下時間.
1-2 速度と加速度 時間によって位置を変える質量mの物体がある。時刻ゼロでは物体は原点にある。 位置ベクトルは: このとき、 Y m 0 X Z
1-2 速度と加速度 位置の時間微分は速度である。 速度の時間微分は加速度である。
1-2 速度と加速度 位置ベクトル 速度ベクトル 加速度ベクトル
1-2 速度と加速度 問.位置ベクトル ・の軌跡をとる物体の速度と加速度ベクトルを求めよ。 ・物体の運動を説明せよ。 ・上記、位置ベクトル、速度ベクトル、加速度ベクトルの 時刻ゼロでの、お互いのなす角度を求めよ。
1-2 速度と加速度 問. t=0のとき:位置ベクトルと速度ベクトルの角度はゼロ。 速度ベクトルと加速度ベクトルの角度は90度。
1-2 速度と加速度 t<<小の時、 である。物体はX-Z面にありX-Z方向に動く。 t>>大の時、 である。物体は-Y方向に動く。 最初X-Z方向に動くものが‐Y方向に転換するのだから、 速度と加速度の向きは90度異なっている。
1-2 速度と加速度 問 半径rの円周上を角速度ωで運動する質量mの 物体の座標ベクトルの成分を と書くとき、 物体の線速度ベクトルの成分を求めよ。 物体の加速度ベクトルの成分を求めよ。 (P30 練習問題3)
1-2 速度と加速度 複素指数関数あるいはフェイザーという考え方がある。 問 半径rの円周上を角速度ωで運動する質量mの 物体の座標ベクトルの成分を と書くとき、 物体の速度を求めよ。 物体の加速度を求めよ。
数学の勉強:複素指数関数 aは実数 定義: 指数関数を使って三角関数trigonometric functionを制覇しよう。 である。Multiplication rule である。Powerrule である。ordinary differential equation p, q はどんな数でも成り立つ。 Euler's formula
数学の勉強:指数関数 定義: aは実数 imaginary unit である。 ならば、 問.それでは はいくらか。
数学の勉強:指数関数 (1) これらの式を見比べて the sum formulas (2) これらの式を見比べて
数学の勉強:指数関数 (3) これらの式を見比べて と書く (4) 上下を見比べれば
数学の勉強:指数関数 である。 定義を使って、 またもや見比べて (see →p261)
1-2 速度と加速度 再び を考える。 iは 角度回転したと考えることができる。(フェイザー) 即ちx軸を 回転するとy軸になる。 だから、はx成分とy成分を表す複素数と考えることが出来る。 時刻tにおける角速度ωの等角速度円運動の位置に対して、速度は と書くことができる。速度は位置に をかけた形である。 だから、速度ベクトルは位置ベクトルより+90度角度が進んでいる。
1-2 速度と加速度 問 のときyは指数関数型の解をもつ。 皆さんにとって最も重要で価値のある数式である。 上式で説明できる現象を考えてみよう。
1-2 速度と加速度 問 Eさんは100万円持っていると気持ちが大きくなり一日あたり5万円使う。持金が1万円の時は気持が萎み、一日あたり500円で過ごす。Eさんの持金が100万円から1万円なるのは何日後か? 約92日後
1-2 速度と加速度 問 Eさん:先生は、力は運動量ベクトルの時間微分で与えられる。 と解説されました。 先生:その通り。 Eさん:そして、物体の速度に比例して逆方向に抵抗として働く粘性抵抗があると言われました。 先生:その通り。 Eさん:私は と勉強しました。 だから粘性抵抗は、速度ベクトルに対して、 となり、先生出題の 型の微分式となります。 先生:その通り。 Eさん:そして、解は です。
1-2 速度と加速度 問 先生:はあ。 Eさん:だから、粘性抵抗があるときの速度は、時刻ゼロをv0とすれば、 となります。 先生:ほう。 Eさん:時間が十分経つと速度はゼロになります。 先生:なるほど。 Eさん:でも先週、先生は粘性抵抗下の終端速度 を解説されました。 先生:その通り。 Eさん:でも微分式を解けば速度はゼロになります。 終端速度は何処に行ったの?