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個人用保護具 Personal Protective Equipment

個人用保護具 Personal Protective Equipment. 個人用保護具.   保護具は、米国では Personal Protective Equipment (個人用保護具) あるいは PPE と呼ぶ。 PPE は、安全衛生管理上の最善の、そして最優先される対策ではないことは日米には相違はない。   日米の相違としては、選定のプロセスと管理の明確化である。米国においては PPE もリスクアセスメントに基づき選定される。. OSHA.

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  1. 個人用保護具Personal Protective Equipment

  2. 個人用保護具   保護具は、米国ではPersonal Protective Equipment(個人用保護具) あるいはPPEと呼ぶ。PPEは、安全衛生管理上の最善の、そして最優先される対策ではないことは日米には相違はない。   日米の相違としては、選定のプロセスと管理の明確化である。米国においてはPPEもリスクアセスメントに基づき選定される。

  3. OSHA   米国では、OSHAは1994年、個人保護具基準を制定した。この基準は、雇用者は従業員のために効果的なPPEプログラムを制定し、管理しなければならず、従業員は適切なPPE使用の訓練を受けなければならないことを要求している。

  4. 目的   騒音の低減対策、化学物質暴露対策における局所排気装置の設置などの技術的対策つまりエンジニアリング・コントロールは作業場での危険の除去または最小化のために使用されるべき主要な方法である。このような制御装置が働かないかまたは適切でない場合の手段としてPPEが、作業者個人の危険への暴露の減少、除去のために用いられるべきである。PPEは、着用が必要であり、着用することによって業務上の災害や疾病の可能性が減少すると決定されたときに、提供され、使用され、維持される。

  5. 責任 PPEの管理については次のような責任と権限の明確化が必要である。 • 管理者 • 特定の職務のための特定のPPEを見極めるために、危険評価を行う。 • 従業員に特定のPPEの選択、使用、点検、保管、清掃、限界の訓練をする。

  6. 責任 • 監督者(職長) • PPE着用の監視 • 必要なときにPPEの代替品を供給する。 • PPEの使用が必要とされる新しい危険を確認する。 • 従業員 • 与えられたPPEの適切な使用と管理 • PPEに損傷があるまたは効果のない場合は、直ちに監督者に知らせる。

  7. リスクアセスメントとPPE選択 リスクアセスメント手順を使い、PPEの使用が必要とされる危険が存在するか、または存在する可能性があるかを決めるための作業場の評価を行う。 その結果、許容できないリスクが存在する、または存在の可能性がある場合、次のアクションをとる。

  8. リスクアセスメントとPPE選択 1.作業場にある様々な危険源を評価する   物理的危険源には次を含む: • 動作 • 低、高温 • 放熱(溶接、高温物の扱いなど) • 強烈な光 • 落下物 • 鋭利な物体

  9. リスクアセスメントとPPE選択 • 回転または巻き込み • 電気的危険 • フロアの状態 • 健康障害源には次を含む: • 危険化学物質 • 有害ダスト • 放射線 • 過度の騒音

  10. リスクアセスメントとPPE選択 2.PPEを着用すべき“影響を受ける従業員”を選定する。 3.影響を受ける従業員にPPE指定の決定を伝える。 4.影響を受ける従業員に適したPPEを選ぶ。

  11. トレーニング PPEの使用が必要とされる全ての従業員に対し、少なくても次のことを知らせるための訓練を行う。 • PPEの必要な状況 • どのPPEが必要か • 適切な装着、脱着、調節の方法 • PPEの限界 • PPEの適切なケア、メンテナンス、寿命、処分   影響を受ける従業員は、PPEの必要な作業を行うことが許可される前に、訓練で理解したこととPPE使用の能力の確認が必要である。

  12. PPEの選定 PPE選定の一般的な手順は: • 潜在的な危険と利用可能なPPEの種類とその能力を知る、例;スプラッシュ(液はね)からの保護、衝撃からの保護など。 • PPEに関連する因子、たとえば衝撃速度、大きさ、化学的耐久性、放熱の強さ、と利用できる保護具の性能を比べる。 • サイズ、耐久性、メンテナンスの難易度、コストも勘案し、危険からの保護レベルが確実なPPEを選定する。 • 使用者にPPEを合わせ、PPEの管理と使用の指示をする。

  13. PPEのフィッティング   選定したPPEについて快適さと適合のために慎重なフィッティングの考慮が必要である。十分にフィットしないPPEは必要な保護を期待できない。快適なフィットが継続した着用のために要求される。通常、PPEは様々なサイズが手に入る。正しいサイズが選ばれることを確実にするための配慮が必要である。特にマスクの場合はフィットテストと呼ばれる事前の定性的または定量的テストが不可欠である。

  14. 各身体部位のリスクコントロールとPPE PPEのマネジメントに続き、個々のPPEについて解説する。身体の各部位に対しては、それぞれに異なる危険源が存在し、そのリスクも異なる。それぞれのリスクとリスクコントロールの方策を特にPPEを中心に解説するが、PPEが最優先のリスクコントロール策でないことは繰り返し述べているとおりである。

  15. 目の保護 -リスク-   米国では労働災害により毎年数千人が視力を失うと言われている。従業員が目または顔のPPEを使用してさえいれば防ぐことができた災害である。特に重要な点は目の傷害が多くの場合“永久的”であることである。

  16. 目の保護 -リスク-  目は言うまでもなく非常にデリケートである。目は次により構成される。 • 光の焦点を合わせる水晶体 • 目に入る光の量をコントロールする虹彩 • 見たイメージを受け取る受容体 • 目の受容体から脳に情報を送る視覚神経

  17. 目の保護 -リスク-   目に傷害を受ける可能性のある主な事故の種類は: • 微粒子の目への混入   例として、ダスト、粉体、ヒューム、ミストのような微粒子が目に入り傷つける。グラインディング、サンディング、ハンマリング、ポリッシング、散布のような作業は、微粒子を作り出す。微粒子は目を傷つける可能性を有す。

  18. 目の保護 -リスク- • 化学物質または他の危険物質との接触   ガス、蒸気、液体の状態の有害化学物質は、目にダメージを与える。化学物質を使用する前には、適切なMSDSを確認することが必要である。 • 飛来物体との衝突   グラインディング、サンディング、ポリッシング、ハンマリングのような作業は、しばしば目にダメージを与える飛来物体や小片を作り出す。

  19. 目の保護 -リスク- • チェーンやロープのようなゆれる物体による殴打  次のような大きな物体による殴打 • 揺れるチェーン、ケーブル、ロープ • 投げられたまたは落下する工具 • ナイフ、はさみ、鉛筆などのような鋭利な物 • 障害物の中への進入かたは落下

  20. 目の保護 -リスク- • 溶融金属   溶融金属に関連する作業は、目にはねる、かかる、落ちた場合に重いやけどと組織の損傷を引き起こす。 • 電気的危険   電気の周囲で作業する場合は、アークと火花が生じる可能性がある。

  21. 目の保護 -リスク- • 溶接作業放射エネルギー源の凝視   溶接、金属切断、溶鉱炉の周りでの作業は、目を熱、光、紫外線、赤外線放射にさらす。 • レーザー光の照射   レーザービームは新しい危険を引き起こす。様々なタイプのレーザーが存在する。

  22. 目の保護  -リスクコントロール- • マシーンガード   旋盤、粉砕機、研磨機のような多くのタイプの機械がガード、シールド、スクリーンを装備している。これらの機械を使用する前に、ガード、シールド、スクリーンが正しい場所にあり、正常に働くことを確認する。目のPPEを着用することも忘れてはならない。

  23. 目の保護  -リスクコントロール- • 作業場バリア(防壁)   研磨、溶接、旋盤のような作業は、ダスト、蒸気、飛散小片を発生する。他の作業者を保護するために、可動式スクリーンやバリアのような作業エリアバリアが作業者と作業場内の人員を危険な作業から隔離するために設置される。

  24. 目の保護  -リスクコントロール- • 排気   蒸気、ガス、ミスト、ダスト、粉じんなどの空気伝達微粒子粒子を使用または発生する作業は、従業員の呼吸ゾーンと作業から汚染物質を取り除くために排気されるべきである。加湿システムと併せて行う排気は、目の危険となるかなりの量の微粒子を低減することができる。

  25. 目の保護  -リスクコントロール- • 照明   適切な照明は作業エリアにおいて重要である。適切な照明は目の負担とまぶしさを低減させる。また安全と生産性の向上を促進する。

  26. 目の保護  -リスクコントロール- • サインと警告   作業場において • 障害物と突起物は、その周辺での作業時の注意喚起のために明示が必要である。 • 装置や危険物質に示される全ての警告と注意事項を確認し従う。 • 工具類を投げたり、作業場で悪ふざけに参加しない。 • 鋭利な、またはとがった物体を目から離す。 • 監督者または安全管理者の安全作業に関する手順、指示、忠告に従う。

  27. 目の保護  -リスクコントロール- • 洗眼施設   (米国においては、洗眼施設は作業エリアから100フィート以内に設置されることが要求される。)    目に何かが入った場合、直ちに洗眼場所へ行き、15分間水で洗い流す。必ず指で目を開け、水流をまっすぐに見る。決して目をこすらない。目をこすることは目の中に傷をつけ、小片を埋め込む可能性がある。水で目を洗い流したら、直ちに医療機関による手当てを受ける。    警告:いくつかの化学物質は水と反応し、水と混ざるとより有害になる。このような化学物質に対しては事前にMSDSを確認し、対処方法を決定しておくことが必要である。

  28. 目の保護  -リスクコントロール- • 安全メガネ • 安全メガネはおそらく最も広く使用されるタイプのPPEであろう。通常のメガネに似ているが、より強く、衝撃や熱に耐える。さらに、最も安全なメガネには、側面からの危険から保護するサイドシールドが付加される。処方を必要とするものも、しないものも利用できる。さらに、特別な作業状況のために多様なレンズコーティングも利用できる。安全メガネは国家認定を受けたものでなければならない。 • (OSHA規定:ANSI Z-87.1-1989承認)

  29. 目の保護  -リスクコントロール- • ゴーグル   ゴーグルは、顔によりフィットするため安全メガネよりも保護することができる。ゴーグルは目の周りを囲むため、液体のスプラッシュ(飛びはね)、ヒューム、蒸気、粉じんの飛散により保護ができる。様々な種類のゴーグルが利用でき、化学物質スプラッシュゴーグルのような特定の目的のために着用されることを示さなけれ   ばならない。

  30. 目の保護  -リスクコントロール- • フェイスシールド   フェイスシールドは顔全体を保護し、しばしば溶解金属、化学物質のはね、飛散小片にさらされる作業に対して使用される。   注意:付加的な保護としてフェイスシールドを使用する際に、常に安全メガネまたはゴーグルを着用しなければならない。フェイスシールドのみでは十分な目の保護とはされない。

  31. 目の保護  -リスクコントロール- • 吸収レンズ   溶接工でなくても、安全メガネとゴーグルに様々な吸収レンズが利用できる。これらの吸収レンズは、明るい光のある場所やまぶしい場所で働かなければならない場合に付加的な保護を提供する。

  32. 目の保護  -リスクコントロール- • コンタクトレンズ   コンタクトレンズをつけている場合、次の安全情報を覚えておく • フルフェイスマスクを使用する間はコンタクトレンズを使用してもよい。 • ヒューム、ダスト、粉じん、蒸気、化学物質の液はね、溶解金属、強烈な熱、光にさらされる場所で作業する場合、注意してコンタクトレンズをつける。

  33. 目の保護  -リスクコントロール- • コンタクトの下に何かが入った場合、取り除き、消毒する。 • コンタクトレンズを扱う前に手がきれいであることを確かめる。 • 眼科医の指示に従い、手入れをする。

  34. 目の保護  -PPEの保守管理 - • 目のPPEの汚れを取り除くとき、通常刺激の弱い石鹸と水を使う。また目のPPEのために作られた特別なワイプも使うことができる。装備に傷をつけ、ダメージを与えるため、研磨剤、粗い紙、タオルを使ってはならない。 • 常にPPEを良好な状態に保ち、もし、ダメージがあれば、直ちに補修または交換する。

  35. 目の保護  -PPEの保守管理 - • PPEは清潔な冷暗所で乾燥した場所に保管する。 • 使用前にPPE製造者の指示および注意事項を確認する。 • 何らかの質問や懸念事項がある場合には監督者や安全管理者に確認する。

  36. 頭部の保護 -リスク-   頭部には目、鼻、口、耳そして脳があり、頭部への傷害は非常に重大であり、そのため頭部の保護と安全は非常に重要である。   頭部から守ることが必要な危険要因は次のとおりである。

  37. 頭部の保護 -リスク- • 電気ショックややけどをひきおこす電気的な事故 • 酸、腐食性化学物質、溶融金属のような有毒な液体は目や皮膚の薬傷や熱傷 • 落下または飛来物体による打撲、頚椎捻挫、脳震とう、頭蓋骨骨折

  38. 頭部の保護 -リスクコントロール- • エンジニアリング・コントロール • 落下防止対策として、作業ステージの整備および安全柵の設置、はしごの適正化など作業場を整備する。 • 機械からの飛来防止として、安全ガードを設置する。 • 高所からの飛来防止として、作業ステージにはトープレートを設置する。 • プレス、インジェクション(射出成型機)その他の自動機械に対して光線式安全装置などの侵入検知装置によるインターロック機構を設置する。

  39. 頭部の保護 -リスクコントロール- • ヘルメット   ヘルメットは次を供給することで頭部を保護する。 • 頭部への衝撃に耐え、そらす堅い外装 • 衝撃吸収装置として働くヘルメット内部のサスペンションシステム

  40. 頭部の保護 -リスクコントロール- • 電気ショックに対する絶縁 • はね、漏れ、滴りに対する頭皮、顔、首、肩の保護 • フェイスシールド、ゴーグル、フード、イヤーマフの付加 • これらの機能はヘルメットの種類により異なるため、危険要因に適合するヘルメットの選定が必要である。

  41. 頭部の保護 -リスクコントロール- ヘルメットは次に留意し着用する。 • 潜在的な頭部の危険がある場所で作業する間、常にヘルメットを着用する。 • 快適に、安全になるようにヘルメット内部のサスペンションを調節する。 • 毎日、ヘルメットのクラック、穴、くぼみを点検する。

  42. 頭部の保護 -リスクコントロール- • ストラップの擦り切れや切断を確認するために、毎日サスペンションシステムを点検する。ヘルメットの修理が必要な場合、直ちに修理させる、または事業者に新しいものを頼む。 • 決してヘルメットにペイントしたり、傷つけたり、“空気穴”を設けるなどの加工をしてはならない。 • 夜間作業に際しては、反射テープをつける。(電気を伝えるので金属テープは使わない。) • ヘルメットの中にたばこ、ライター、ペンのような所持品を保有しない。

  43. 頭部の保護 -PPEの保守管理 -   ヘルメットは重要なPPEであり、次の保守が必要である。 • ヘルメットの内部および外部につく油、グリース、化学物質、汗を取り除くために、最低月1回(必要に応じて)手入れする。

  44. 頭部の保護 -PPEの保守管理 - • 刺激の弱い石鹸と湯の溶液に5-10分浸すことで、ヘルメットをきれいにできる。きれいな水で洗い流し、ふき取り、空気乾燥させる。または製造者の推薦に従う。 • 日光と熱はヘルメットのサスペンションにダメージを与えるので、常に清潔で、乾燥していて、涼しい場所に保管する。

  45. 聴力保護 -リスク-   騒音は多くの作業場の共通の問題である。聴力喪失は段階的であり、他の傷害に比べて発見が遅れるのが特徴である。しかしながら、それは永久的な障害となる。

  46. 聴力保護 -リスク- • 聴力の構造    聴力は次により構成される。 • 内耳    中耳が振動を拡大し、それを内耳に送る。振動は内耳にある細胞を刺激し、電気的インパルスを作る。 • 聴覚神経    このインパルスは聴覚神経を通って脳に伝わり、音の感覚をもたらす。

  47. 聴力保護 -リスク- • 中耳    音の波動が鼓膜にあたると、振動し、中耳に音を送る。 • 鼓膜    音の波動が鼓膜にあたると、振動し、中耳に音を送る。 • 外耳    外耳で音が集められ、鼓膜に送られる。

  48. 聴力保護 -リスク- • 二つのタイプの聴力損失   デリケートな構造の耳へのダメージは聴力を失うこととなる。二種類の聴力喪失がある: • 伝導性の聴力喪失は外耳または中耳へのダメージ、または機能不全で起きる。聴力を低下させるが、話を理解することはできる。 • 感覚上の聴力喪失は、内耳、聴覚神経、脳へのダメージまたは機能不全で起こる。感覚上の聴力喪失は、医学的にまたは手術によって治すことができない。永久的である。作業場での聴力喪失の大部分が感覚上の聴力喪失である。

  49. 聴力保護 -リスクコントロール - • エンジニアリング・コントロール • 設備、システムを低騒音設計、施工する。 • 騒音発生設備を囲い、または遮蔽する。 • 消耗した、または不均衡な部分を交換し適切に整備する。 • 騒音発生源の装置を防振または免震装置上に設置する。 • 消音器、マフラー、バッファを取り付ける。

  50. 聴力保護 -リスクコントロール - • 聴力PPE   様々な種類の聴力保護具が利用できる。ポピュラーなタイプは • ウレタンフォーム製イヤープラグ(耳栓) • PVC製イヤープラグ(耳栓) • イヤーマフ   聴力保護は最大29デシベルまでの騒音を削減できる。聴力PPEは8時間等価で85デシベル以上の騒音にさらされるときは、着用するべきである。

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