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トピック 2 患者安全における ヒューマンファクターズの重要性. 1. 学習目標. ヒューマンファクターズと患者 安全の関係を理解する. 2. 習得すべき知識. ヒューマンファクターズという用語の意味を知る ヒューマンファクターズと患者安全の関係を理解する. 3. 習得すべき行動内容. ヒューマンファクターズの知識を自身の業務環境に応用する. 4. ヒューマンファクターズと 人間工学の定義. しか るべき方法で業務を容易に 行えるようにする, あらゆる要因を研究する学問 人間が働く環境であれば,どこにでも応用可能 人間工学としても知られる. 5.
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トピック2 患者安全におけるヒューマンファクターズの重要性 1
学習目標 ヒューマンファクターズと患者安全の関係を理解する 2
習得すべき知識 ヒューマンファクターズという用語の意味を知る ヒューマンファクターズと患者安全の関係を理解する 3
習得すべき行動内容 ヒューマンファクターズの知識を自身の業務環境に応用する 4
ヒューマンファクターズと人間工学の定義 しかるべき方法で業務を容易に行えるようにする,あらゆる要因を研究する学問 人間が働く環境であれば,どこにでも応用可能 人間工学としても知られる 5
ヒューマンファクターズ 以下の分野では,かなり前からヒューマンファクターズの重要性が認識されてきた: 航空産業 製造業 軍需産業 6
ヒューマンファクターズ:医療分野での重要性は?ヒューマンファクターズ:医療分野での重要性は? 患者安全の必須要素として認識されたのは,ごく最近になってのことである 医療における有害事象に寄与する主要な要因である すべての医療従事者がヒューマンファクターズの原則を理解する必要がある 7
ヒューマンファクターズの専門家 職場や器具・装置のデザインを人間の能力と限界に適合したものに改善する 作業者が業務を正しく行える環境を構築する エラーが発生する可能性を低くする 8
対象とする医療従事者の範囲 ヒューマンファクターズを考慮に入れて良好に設計されたシステムでは,すべての医療従事者が考慮されている。 冷静で経験豊かな医療従事者だけではなく, ストレスを受けて疲労し,多忙な業務に追われた経験の浅い医療従事者をも考慮する 9
具体例 処方と調剤 情報の引き継ぎ/申し送り 患者の移動 投薬に関するその他の電子的記録 投薬の準備 以上の業務すべてが医療従事者にとって実施しやすくなれば,患者安全を改善することができる 10
医療におけるエラーの罠 見た目や名前が似ている医薬品 複雑なデザインの器具 例) 輸液ポンプ 11
回避可能な混乱はいたる所に存在する… 12 Source: US Department of Veteran Affairs
医療はますます複雑化している Source: Gaba 13
ヒューマンファクターズ 次の事実を認める 人間は間違えるという普遍的な本質 エラーの発生はどうやっても避けられない エラーは必ず起こると仮定する 職場で使用される物品を,エラーやそれによる有害事象のリスクを最小限に抑えるように設計する 14
ヒューマンファクターを考慮したデザインの原則ヒューマンファクターを考慮したデザインの原則 • 精神運動 • 手 • 入力装置 • ボタン インターフェース 感覚 - 視覚 - 聴覚 出力 - 画面 - 音声 米国退役軍人省 15
医療専門職は複雑さによく対処できる 医療専門職は,職場の一部にある複雑で不明瞭なデザインに対応することに長けている 機器・装置 物理的な配置 16
なぜならヒトの脳は… 非常に高い処理能力 非常に柔軟 近道(早く済む方法)を探すのが得意 情報を選別するのが得意 物事を理解するのが得意 17
線は曲がっていますか?それとも直線ですか?線は曲がっていますか?それとも直線ですか? Optillusions.com 19
まず上の図を見てください。 そして各単語の意味ではなく,各単語の色を言ってみてください。 なぜ難しい? Source: Optillusions.com 20
十分に注意していても状況を誤って知覚することがあるという事実は,人間が「愚かな」間違いにつながるような間違った決断や行動を選択する主な理由の一つとなっている十分に注意していても状況を誤って知覚することがあるという事実は,人間が「愚かな」間違いにつながるような間違った決断や行動を選択する主な理由の一つとなっている 人間は間違った決断や行動も選択する… 21
人間は「愚かな」間違いをする生き物である 活動 最近あなたが業務又は学習の場以外で犯した「愚かな」間違いについて思い出し,それについて同僚や他の学生と話し合ってみてください(その間違いをした理由を考えてください)。 個人の経験や知性,意欲,注意力とは関係なく,人間は間違えるものである 22
医療では 職場でエラーが発生すると,患者に影響を及ぼす恐れがある 医療に比較的特有な状況 23
「ヒューマンエラー」の定義の一つは「人間の本質」である「ヒューマンエラー」の定義の一つは「人間の本質」である エラーを起こすことは,脳を活用する上で避けることのできない性質である 24
エラーとは何か? 意図した目標を達成しようとして,計画した行為を実行できないこと 実際に行った行為と行うはずであった行為との間にずれがあること James Reason より憶えやすいであろう定義:「正しいことをしようとして,間違ったことをすること」 25
エラーのリスクが高まる状況 業務への不慣れ* 経験不足* 時間不足 点検の不備 手順の理解不足 機器・装置のヒューマンインターフェイスの不備 Charles Vincent * 特に監督者もいない場合 26
エラー発生の素地となる個人的要因 記憶力の限界 その他にも: 疲労 ストレス 空腹 不健康 言語的要因と文化的要因 危険な態度 27
疲労 24時間の断眠による実行能力への影響 ≒ 血中アルコール濃度0.1% Source: D. Dawson, Nature, 1997 28
ストレスと実践能力 「理想的」ストレス 実行能力 高ストレス不安,パニック 低ストレス退屈 ストレス ストレスと実行能力の関係 Source: Yerkes, R. M., & Dodson, J. D. (1908) The relation of strength of stimulus to rapidity of habit-formation. Journal of Comparative Neurology and Psychology, 18, 459-482 29
忘れないでください… 自分が以下の状態にある時は Hungry (空腹) Angry (怒り) Late (遅れ) 又は Tired (疲労) (とまれ) H A L T 30
行動形成要因「チェックリスト」 I Illness (病気) M Medication (薬剤):処方薬,大衆薬,その他 S Stress (ストレス) A Alcohol (飲酒) F Fatigue (疲労) E Emotion (感情) 31
ヒューマンファクターズの知識を実践に活かすヒューマンファクターズの知識を実践に活かす ヒューマンファクターズの考え方を自身の業務環境に適用する 記憶に頼らないように心がける 情報を視覚化する プロセスを再検討して単純化する 共通するプロセス及び手順を標準化する チェックリストを日常的に使用する 警戒心を過信しない 32
要約:ヒューマンファクターズ エラーは避けられない ― 経験豊富な医療従事者も例外ではない! エラー発生の可能性を高めうる状況が存在する - 患者のためだけでなく,自分自身のためでもあると心得ること! ヒューマンファクターズの原則に注意することで,エラーやそれによる有害事象の発生を減らすことが可能となる 33
要約 ヒューマンファクター工学とは,職場や機器・装置を人間の実践能力に合わせて設計するための学問である。 34