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イタリアの幼児音楽教育について

イタリアの幼児音楽教育について. - リトミック教育とピアチェンツァの              新しい音楽教育法の接点から -. イタリア全図        資料 asahi.com.  エミリア・ロマーニャ州. ピアチェンツァの位置. リトミアのメソード 各大学. il Conservatorio Nicolini di Piacenza. Università Cattolica del Sacro Cuore, Milano Università Cattolica di Milano

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イタリアの幼児音楽教育について

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Presentation Transcript


  1. イタリアの幼児音楽教育について - リトミック教育とピアチェンツァの              新しい音楽教育法の接点から -

  2. イタリア全図        資料 asahi.com

  3.  エミリア・ロマーニャ州

  4. ピアチェンツァの位置

  5. リトミアのメソード 各大学 • il Conservatorio Nicolini di Piacenza. • Università Cattolica del Sacro Cuore, Milano • Università Cattolica di Milano • Università degli Studi di Milano-Bicocca • Scuole Civiche di Milano-Accademia Internazionale della Musica in collaborazione con il Comune di Milano

  6. リトミアの教育法(基礎原理) • 基礎レベルの子供たちにとっても、音楽を聴き、演奏することは、芸術との触れ合いという価値を得ることになる。 • 動きと音楽と創造性により子供たちは外部の世界と結びつく、そして身体反応や身体運動で構成する感動的な表現を創り上げることができるようになるのである。子供たちは模倣表現や即興表現や創造的表現を通して音楽の要素を体感・体得する。そしてそれらの身体表現活動により、音楽をより確実なものとして捉えられるようになる。たとえば表現対象を飛行機として腕を広げて爪先立ちで走ることと、ドラゴンを模して四肢で進むことでは完全に異なった感覚である。また攻撃性を表現するライオンや虚弱で軽さを表現する蝶などを想像し表現することによってその時の音楽との一体化の感覚を経験することができる。 • 音楽の経験により、自己の作業の順番を的確に組み立て、他の人の提案を観察できるようになる。 • ヨガのポーズや呼吸法を取り入れる。呼吸(Respiro)や声の音、動くことによって生じる物音でさえも注意深く、集中をして聴くということを習慣付けることにより、音楽的聴覚を養う。

  7. 音楽的要素の課題 • 音と休止 • 音の特徴:高低、強弱、音量、響き • 基礎的な音楽構造:リズム、休符、メロディー、ハーモニー • 歌や合唱 • 楽器演奏 • 基礎的な記譜法 • 音楽鑑賞 • 音楽史の基礎知識

  8. 教育目的(ねらい) • 演奏や鑑賞を自発的に楽しむ • 基礎的な音楽概念(音の高低・静・音の響き・リズム・   メロディー・ハーモニー)の理解 • リコーダーの基礎技術 • 初歩的なリズムとメロディーの即興演奏 • 初歩的な記譜法 • 呼吸技術によって、息を調節するという意識 • 歌唱力・聴力・リズム感 • 表現力・自制心・集中力・創造力 • リラックス・精神の安定 • コミュニケーション能力や社会性

  9. リトミアの楽器 • 楽器の起源である民俗楽器を使うことが多くある。これらの楽器はそれぞれ特有の文化の中で生まれ、形や素材、演奏方法なども様々である。身体の部分に振動を伝え刺激が起こされ、特別な感覚がもたらされる。 1)TAMBURO(太鼓) • この響きは、生命力や活力を感じさせる。子供たちはエネルギーを持って自発的に打ち鳴らし、強さや闘志を表現する。素材は(木、皮、土器=テラコッタ)などである。  • 太鼓は下半身を強調する伝統的な演奏をさせる、その演奏方法は下半身への振動により、部分的な意識(知覚)が強調される。骨盤や足全体が床(地面)との関係を感じることをとおして強さや安定性を感じることができる。これらの響きは、身体に活力を与えるという結果をもたらすのである。また打楽器は、音量の調節やリズムの構築に役立つのである。

  10. 2)FLAUTO(リコーダー)  この楽器は鳥のような形をしている。鳥の飛行の音を作り出す。また、風のそよぎをその響きによって再現することができる。この音域は、上半身の部位、手や腕、胸や頭などに響いてくる、子供たちは自発的に演奏し、徐々に基礎的テクニックを身に付け、短いメロディーをつくるまでになる。 3)LA VOCEEILSOFFIODELRESPIRO(声と呼吸の音) 人は生まれてくる前に胎内にて母親の声を感知することができる。 人の身体は楽器である。声は最も原始的な演奏法である。声は息のコントロールによって様々なニュアンスを作り出すことができる。 子どもたちはリズムとメロディーを創造すると同時に、言語の獲得もする。 4)SONAGLI(さまざまな打楽器の響き) カラバッサというアフリカの楽器は身体の内部を感じさせる響きである。その響きは心身のリラックスと落ち着きを誘発する。さまざまな打楽器の響きにより、子どもたちは音の高低、鋭さ、重さ、音楽の遅い速いなどの知覚を感知するようになる。そしてあらゆる素材の楽器を選んだり組み合わせたりすることにより新たな感覚を知覚することとなる。            (カラバッサ)             (ラトル)

  11. I“SILENZI”(沈黙と静止) • これはリトミアの重要な特徴といえよう。ヨガを導入し身体を静止させ自らの呼吸の音を聴く、これを習慣付けさせる。自制と集中を伴った「沈黙を聴く」の導入である。リラックスや集中している状態がどのような感覚であるかを確かめる。この実践で大部分の子供はただ音を立てずにじっと静かにしていることしかできないが、一部は身体の動きを制御する重要性を理解することができる。音の刺激に突き動かされた感覚を強めることの助けともなる。動作を瞬間的に止めることは、その前にやっていた動作をより理解することができるのである。      自己の呼吸の音を聴いてリラックスするという斬新的な方法によりこの実践は完成する。 • ダルクローズは「音楽のリズムは、無音(silent)と不動(immobilite)との関係においてのみ判断されうるものである。」と述べている。リトミアでも、「静」と「動」の知覚・感覚を教える必要性を「始め彼らの大半は沈黙という行為は話さないだけという簡単なことと認識をしているが、その中の少人数は音を立てないために自ら沈黙の音を聴き、静止している。子どもたちは訓練の中で徐々に沈黙を知覚するようになり、集中力やリラックスを生み出せるようになる。」と述べている。

  12. 参考資料音の大きさ(生活騒音) • 音の大きさはデシベル(dB)という単位で表示される。下表のようになります。音の大きさ(デシベル) • 日常生活音のいろいろ家庭用設備  エアコン  約 41~ 59 換気扇  約 42~ 58  温風ヒーター  約 44~ 56  風呂又給排水音 約 57~75 洗濯機 約 64~ 72 掃除機  約 60~ 76 目覚まし時計  約 64~ 75 電話のベル音 約 64~ 70 音響機器 ピアノ 約 80~ 90 エレクトーン  約 77~ 86  ステレオ  約 70~ 86  テレビ 約 57~ 72 犬の鳴き声  約 90~100  子供のかけ足  約 50~ 66  ふとんをたたく音  約 65~ 70  車のアイドリング  約 63~ 75  人の話し声(日常) 約 50~ 61  人の話し声(大声) 約 88~ 99 注:この表の数字は、「生活騒音の現状と今後の課題」(環境省)より引用

  13. 実践例1 Tchee – tchee –kah Monkeys さるのチチカ 対象 4・5歳 内容 • ジャンベをランダムに置く。 • 列になり音楽を聴きながら待つ。 • フレーズごとに一人ずつ置かれているジャンベの周りを    「チチカカカ ♫♩ ♩ ♩ 」と言いながら歩く。  • 全員が歩きに参加したことを確認し、教師は演奏を止めフィンガーベルを鳴らす。 • フィンガーベルの音で、ポーズ。 • 「ウィ!」という教師の声で、各々ジャンベに跨り、「チチカカカ ♫♩ ♩ ♩」のリズムで両手打ちを始める。 • フィンガーベルの音で、ポーズ。 目的 • 歌唱活動から楽器演奏へ

  14. 実践例2 Rockin’Elephants 象のロック 対象 4・5歳 内容 • 静止のポーズをしながら音楽を聴く。 • 教師のジャンベの音「♩ ♩ ♩ 」がしたら、四つん這いになり、足を片方ずつ上方に蹴りだしながら好きな方向に進む。 • 途中自分のジャンベに戻りリズム打ちをする。 • フィンガーベルの音で、ポーズ。  • 一つ目のポーズをしながら。「パー! チャフ!」という言葉を息を多く吐き出し静止のポーズをする。二つ目のポーズは仰向きで全身の力を抜き、自分の息の音を聴く。 目的 • 音と動きに同時性を持たせる(一体化) • 呼吸法の習得 • リラックスと集中、脱力の方法

  15. 実践例3 Trees and Seeds 木と種 対象 4・5歳 内容 • 高い音を聞き取ったら木のポーズをする。 • 音が止まると種となって飛んでいく。 • 低い音を聞き取ると土の上に着地し、ポーズをする。 • 種は育ち木になる。 目的 • 音の高低を聴き分ける

  16. 実践例4 Water Flowers 睡蓮 対象 3歳 内容 • サークル上に座る教師の「チャフ!」という合図を受け自分たちも同様に「チャフ!」と言いながら、教師を先頭にサークルをお尻をついた状態のまま進む。 • 「イーイイイー ♩ ♫♩ ♩」で両手を広げ、顔を正面に向ける。 • 「オーオーオー ♩ ♩ ♩」で両手で足を抱え込み、顔を下にする。 目的 • リズムパターンの違いを聴き分ける。

  17. 実践例5 Flower and Bees 花とみつばち 対象 3歳 内容 • 事前にビニールテープで床にサークルを指示する。 • 人数の半分は床に座り花を模してポーズをして待つ。 • 残りの半分はリコーダーのスキップのリズムで花の周りをステップする。 • トリルが聴こえるといっそう花の間を駆け足で通り抜ける。 • 曲が止むと花を見つけて蜜を吸う動作をする。 目的 • 音楽の速度理解、緩急の理解 • 即時反応的な動きの柔軟性

  18. 実践例6 Theclockworks mice 時計屋のねずみ 対象 4・5歳 内容 • サークル上にジャンベが置いてあり、その周りをひざ立ちで周る。 • 教師の「♩ ♩ チッケ タッケ」に続いて「♩ ♩」とジャンベを打つ。 • 教師の「ウィ!」で人差し指を天井に向け頭の横に置きポーズをする。 • 自由に連打する。 • 再び教師の「ウィ!」の合図で脱力をし。静止のポーズをする。 目的 • お互いの動きを観察する • リラックスと緊張からの解放

  19. JAQUES-DALCROZE’S METHOD(参考文献)マドレーヌ・デュレ                   訳 酒井 徹 サブジェクト(課題) • 刻み、拍 • 規則的 小節 不規則な小節 2と3 規則的変換 12個の8分音符 不等拍     ポリメトリー         • フレーズ • 形式 • リズム • 複リズム • アナクルーシス クルーシス メタクルーシス • シンコペーション • 補足リズム • 休符 • カノン • 2倍(3倍) 速く 遅く • 対照 強弱 アゴギーク • メロディー 多声音楽

  20. ダルクローズ的練習の意味 JAQUES-DALCROZE’S METHOD(参考文献)マドレーヌ・デュレ                   訳 酒井 徹 • 時間 空間 速さの関係 • 視覚 聴覚 触覚反応 (模倣 慣例) • 関連と分離 • 自動化 • 体系化 • グループ練習 • 即興的練習

  21. 練習の結果得られるもの JAQUES-DALCROZE’S METHOD(参考文献)マドレーヌ・デュレ                   訳 酒井 徹 • 精神の柔軟性 • 記憶 • 注意力 集中力 • 動きの調和 • 運動機能の分化(全身体の認識) • 身体運動の調和 • 方向感覚 • 適正な力 • 相手に対する反応 • 表現能力 • 想像と表現 • 協調性 社交性

  22. おわりに • 音楽と動きの一体化 • 音のない世界の作り方 • リラックスや集中するテクニック • ヨガのテクニックの取り入れ方 リトミック教育との接点 • 模倣活動、創造活動、身体表現活動を通して音楽要素を習得する。 • ボディーテクニックの必要性 • メソッドをとおした人間教育

  23. イタリアの幼児音楽教育について - リトミック教育とピアチェンツァの              新しい音楽教育法の接点から -

  24. 教育方法論の基準 • 子供たちの音楽演奏は、音楽の響きが象徴的な価値同様の基礎要素を与え、遊びの間や演奏の始めに彼らに自発的な動きを引き出させる。太鼓をリズミカルに打つ方法は、身体に無意識に反復する     しかし、感覚や想像が特別な動きや強調や強化が伴うようになってくる。 • 楽器や声を伴った演奏、共通の目的やそれぞれのタイプの素材・・・・・・ • あるグループは一人が演奏し、仲間と組み合ってリズミカルな構造を持ったハーモニーを組み合わせた特色のある音色を作り出し「空間でのオーケストラの動き」となった。

  25. イタリア全図 ピアチェンツァ

  26. イタリアの基本的な教育法 • 個別指導という概念 • ここの生徒の学習進度に合わせて指導する。個々の発達段階を尊重し、個々の能力を配慮することによって、生徒は自分の能力なりに熟達しながら、他との共通目標にゆったりと到達することができる。 • 何かを理解するためには、それを具体的な形をもったものとしてイメージするために絵を描き、色を塗る。国語、算数、歴史、音楽すべて一律である。この方法は目や手や耳を使うこと、すなわち視覚、聴覚、触覚といった五感を使うことによって「経験」されることにより、定着率が良いのであろう。事例)休符を学ぶ、休止のときは音がなく静かである、その静けさという概念を理解するために、まず生徒は、自分の知る静かな情景を描き、次には静かな動物(蛇)を描く。このようなプロセスを経て、次はハートの音符と休符を描く。イタリアの教育は理論的・抽象的なものが決して回避されるのではなく、具体的で身近なものから抽象的なものへと何段階も経て、丁寧に目標に到達するのである。

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