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KEKビームの偏光度測定 & プラスチックシンチレーター のレスポンス測定 2005 年 12 月 5 日~ 7 日@ KEK. 2005 年 12 月 28 日 広島大学 理学研究科 山本和英 yamamoto@hirax7.hepl.hiroshima-u.ac.jp. KEKcal_2005-12-28.ppt. 目次. ( Ⅰ )実験の目的 ( Ⅱ )ビームの偏光度測定 実験セットアップ KEK 実験前の実験 Run Summary データ解析、結果 ( Ⅲ )プラスチックシンチレーターのレスポンス測定 実験セットアップ Run Summary
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KEKビームの偏光度測定&プラスチックシンチレーターのレスポンス測定2005年12月5日~7日@KEKKEKビームの偏光度測定&プラスチックシンチレーターのレスポンス測定2005年12月5日~7日@KEK 2005年12月28日 広島大学 理学研究科 山本和英 yamamoto@hirax7.hepl.hiroshima-u.ac.jp KEKcal_2005-12-28.ppt
目次 (Ⅰ)実験の目的 (Ⅱ)ビームの偏光度測定 • 実験セットアップ • KEK実験前の実験 • Run Summary • データ解析、結果 (Ⅲ)プラスチックシンチレーターのレスポンス測定 • 実験セットアップ • Run Summary • レスポンス
実験の目的 今回行われたPoGOプロトタイプの試験に用いられたビームの偏光度は100パーセントではなく、その値は正確に知られていない。そのため正確なデータ解析を行う上で必要になる偏光度を本測定で求めた。具体的には、70、50、30keVのビームに対し、散乱型偏光計を用いて測定した。 またPoGOで用いられる、プラスチックシンチレーターのエネルギーレスポンスは、2005年夏のSLACでの55Fe、241Amを用いた実験よりリニアにならないことが分かっており、これが現在のレスポンスの不定性の原因(のひとつ)である。そこで今回ビームを用いてその関係を正確に出すべく測定を行った。 時期・場所 2005年12月6日-7日 高エネルギー加速器機構 PF-BL 14A
実験セットアップ(1) (Ⅰ)ビームの偏光度測定 この実験で用いた偏光計は、阪大の林田さんからお借りした回転台と、プラスチックシンチレーター(PMT)、CdTeからなる散乱型偏光計である。 180°回転 回転制御の概要 回転台 [Model:SGSP-120YAW(ver2.0) (SIGMAKOKI)] 3.7 cm 付属ケーブル 制御コントローラー Mark-204MS(ver.2.0) (SIGMAKOKI) ◎この状態を0度と定義している 図は散乱体シンチとCdTeは15cm離れているが、最終形では~4cmになっている。 RS-232C USBシリアルコンバーター ビーム 制御ソフト SG commander ノートPC ※CdTeの先端に次ページで示してあるPbのコリメータを加えたものが最終セットアップになる。
2 cm 実験セットアップ(2) プリアンプ 型番:582K S/N :019336 反射材(テフロンテープ)を巻いたプラスチックシンチレータ 吸収体のCdTeは、厚さ0.5 mmのPbシートで側面とトップを覆っている 0.7 cm ~2.5 cm ~2.0 cm ~0.2 cm シリコンラバー 17 cm CdTe 型番:181820 PMT 型番:H371-04 S/N :LB3401 直径~0.4 cm の穴 4.5 cm ~ 0.1 mm のAlの入射窓 + 1.8×1.8×2.0 mmの結晶 2.77 cm
実験セットアップ(3) VME 型番 :CP-2869 S/N:011069 Clear Pulse 1113A HV 1200V (外部印加電圧4.8V) Gain 40倍 Shaping time 0.5μs Shaper (ORTEC 571) UNI 最終ダイノード PMT Preamp 1ch アノード out (veto) Gate Generator (N-TM307) Discriminator (N-TM305) 2ch PMTamp (Lecroy 612A) start out (start) out out Gate Generator (N-TM307) Visual scaler (stop※) (N-TK215T) out ch1 ch2 and Gate generator (N-TM203) Coincidence ch3 ch4 Gate generator (N-TM203) DIO (CP-2610) ※DIOのoutもしくは、1ms 後にstop NIM ch5 TTL Clock Generator (100Hz; N-TM203) Sample hold Gate BI Shaper (ORTEC 571) Delayamp (ORTEC 427A) UNI CdTe Preamp BIAS電圧 160V Gain 140倍 Shaping time 0.5μs
実験セットアップ(4) データ取得のタイミングチャート ゲート(TTL) 10 μs 2.0μs サンプルホールド(TTL) ゲートへのveto 5.9 μs ゲート(NIM) on off ゲートへのvetoがかかる ∬ DIOの合図または、 1msで閉じる
KEKでの本実験前の予備実験 (ⅰ) ADCのリニアリティ測定 本実験で用いたADCがどのくらいのチャンネルまで使えるのか確認するために、 パルサーを用いて入射パルスの波高値を上げていって、そのピークチャンネルを測定した。 Channnel 1(PMT ADC) Channnel 2(CdTe ADC) 2967ch 2957ch 2240ch パルサーの入力電圧 パルサーの入力電圧 上のグラフよりch1、ch2共に8ボルト以上ではリニアにならないので、70keVのすそが2950chにかからないようにシェーパーのゲインを調節した。ただしCdTeのシェーパーは、6V以上でサチュレーションしてしまうので、70keVのすそが2240chにかからないようにシェーパーのゲインを調整した。なお直線フィット(入力8V以下)の結果はCh1:y=99.3+358.5x、Ch2:y=96.2+357.6xである。
低エネルギー側のリニアリティー パルサーの100倍のアテニュエーションをかけて測定を行った y=96.7+377.4x y=95.1+374.4x 上の2つのグラフから分かるように低エネルギー側にもノンリニアリティ(とくにch1)が見られる オフセットの影響は、入力が0に近い所の方が影響が大きくなるので、オフセットの値としてCh1は97ch、Ch2は95chを採用し、以降の解析で考慮することにした。
(ⅱ)241Am(59.5 keV)によるキャリブレーション結果 Peak channnel :2277ch s :287.1ch FWHM :30.9% PMT CdTe 241Amのピーク CdTe、PMT共に、きれいに241Amのピークが取得できた。 さらにADCのリニアである領域(ch1:2967以下、ch2:2957)に今回測定を行った上限の70keVのピークが収まるようにアンプのゲインを調節した(※前ぺージで述べた様にch2は2240ch以下に収まるように調整した)。 この時、241Amに対するピークはCdTeでおよそ1475ch、プラスチックシンチでおよそ2277chである(上図)。
(ⅲ)CdTeの時間変化による安定性実験 CdTeはスペクトルのピークが、時間が経つにつれて広がるものがあるので、今回使用したCdTeの性能の時間変化を測定した。 (※広がった例:2001年広大 井本、中本レポート 『CdTe検出器について』) 15分後 60分後 120分後 180分後 上図は15、60、120、180分経過した時のCdTeのスペクトルであり、3時間以内ではスペクトルに大きな変化は見られなかった。
Run Summary ※Rootファイルにはntuple(ch1、ch2、ch3、ch4)およびヒストグラムの形式で保存されている。 データファイルの置き場 http://www-heaf.hepl.hiroshima-u.ac.jp/~mizuno/PoGO/KEK2005/index.html
イベントセレクション データ解析 ピーク ピークチャンネルの前後10%の領域のみをセレクションする 70、50、30keVそれぞれのピークチャンネル1527ch、1158ch、752ch前後10%のイベントのみをセレクションする。 解析方法 ・ビームレートで割って規格化し、モジュレーションカーブを描く ・三角関数でフィットして、モジュレーションファクターと位相差を求める。 p[0](1+p[1]cos(2×3.1415/180.0×(x+p[2])))
データ解析(1)70keVのビームの偏光度 Count / beamrate(kHz) モジュレーションファクター: 81.64±0.50% 位相のズレ : -2.54±0.25 deg
データ解析(2)50keVのビームの偏光度 Count / beamrate(kHz) モジュレーションファクター: 81.62±0.60% 位相のズレ : -4.94±0.30deg
データ解析(3)30keVのビームの偏光度 Count / beamrate(kHz) モジュレーションファクター: 79.48+-0.61% 位相のズレ :-0.27±0.30deg
結果のまとめ • 偏光度キャリブレーション実験の結果をまとめると上のようになる。あきらかな非対称性(180度のカウントが、0度のそれより大きい)がみられ、単純な三角関数ではデータをあらわせないので、エラーはあくまで参考値として欲しい。これから分かることなどを、以下に列挙する。 • MFは一番小さいときで79.5+-0.6%であり、偏光度は最低でも80%以上(70keV、50keVでは82%以上)と考えられる。これは「偏光度は80-85%である」という情報とコンシステント • 正確な偏光度を出すには、シミュレーションとの比較が必要。(今後の課題) • 30keVは他のエネルギーより2%ほどMFが低い。これが有意な違いなのか、イベントセレクションやレーリー散乱の影響なのかはシミュレーション等を用いて検討する。(今後の課題) • 統計的には有為に位相がずれている(0度とコンシステントではない)。原因が回転台ではなく、机の傾きなどであれば、プロトタイプの実験でも同じ傾向が見られると期待される。 • イベントセレクションの最適化は今後検討する。(今後の課題)
(Ⅱ)プラスチックシンチレーターのレスポンス測定(Ⅱ)プラスチックシンチレーターのレスポンス測定 実験セットアップ(2) • 偏光度測定のセットアップのままで、トリガーのみをPMTトリガーに変更 • 測定直前に、スケーラーでdiscriの出力のレート(ビームの強度)を確認。パイルアップしないように、10kHz程度以下に強度を調節した。 VME 型番 :CP-2869 S/N:011069 Clear Pulse 1113A Gain 40倍 Shaping time 0.5μs HV 1200V (外部印加電圧4.8V) Shaper (ORTEC 571) UNI 最終ダイノード PMT Preamp 1ch アノード out (veto) トリガー Discriminator (N-TM305) Gate Generator (N-TM307) Gate Generator (N-TM307) PMTamp (Lecroy 612A) start out (start) out (stop※) out DIO (CP-2610) out Gate generator (N-TM203) Sample hold NIM ※DIOのoutもしくは、1ms 後にstopする Logic Adapter (N-TS221) Gate TTL
Run Summary これは高すぎるので、記入ミスで200Hzの間違いだと思われる。 これらに加え、KEK実験前に55Fe(FePMT3.root)および241Am(AmPMT1125.root)でデータを取得した。 ※Rootファイルにはntuple(ch1、ch2、ch3、ch4)およびヒストグラムの形式で保存されている。 データファイルの置き場 http://www-heaf.hepl.hiroshima-u.ac.jp/~mizuno/PoGO/KEK2005/index.html
Energy(keV) VS Ratio プラスチックシンチレータ-のレスポンス(1) • ADCのリニアリティ測定で求めたオフセットを考慮し、得られたピークのチャンネルをエネルギーで割り、59.5 keV(241Am)のときに1になるように規格化 • 5.9 keVのデータ点は、事前の55Fe、241Amの測定結果を元にスケールさせた。 • これまで知られていた5.9keV、59.5keV間の非線形成と滑らかにつながる関係がえられた。また、非線形成は高いエネルギー(50keV程度)でも既に始まっていることがわかる。 • 30keV、50keVのデータ点が他より低いのは、ビームの偏光度測定の際にとったデータであり、温度の違いなどのためと思われる。同じ理由で、70keVがもっと大きな値をとる可能性がある。 • 5.9 keVまでなめらかに結ぶことができる。これを元に、適当に外挿してレスポンス(非線形成)を仮定し、プロトタイプ試験の結果(例えばArgonneやKEKにおける、中心シンチのエネルギースペクトル)をシミュレーションで再現できるか否かで、レスポンスを求めることを目指す。(今後の課題)
プラスチックシンチレータ-のレスポンス(2) Energy(keV) VS Peak channel • 全項と同じ処理を行い、通常のエネルギー vs. ピークチャンネルの関係にプロットした図。 • 上図のように通常の線形性プロットを作ると、ほぼ直線にのり3-4 keVでx軸と交わることが分かる。ただし、Takase et al. (1994 SPIE, 2283 265)で示されているように、1 keVのX線までプラスチックシンチで検出できるので、4 keV以下で光量が0となるわけではないだろう。 • また低エネルギーではポアソン分布になるため、実際の光量より低めのピークになることにも注意。ポアソン分布のあてはめ、single photonデータとの比較を行い、正確なレスポンス(エネルギーと光量の関係)を求めたい。分解能の解析とともに今後の課題。 • 最終的には、コンプトン散乱法を用いて低エネルギーのX線に対する応答を直接求めたい。(今後の課題)