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入門 計量経済学 第 05 回. ― 本日の講義 ― 1. 要約統計量による分析 2. 相関係数と回帰分析:相関係数の算出と相関マトリックス 3. 相関分析. 清水千弘 (Chihiro SHIMIZU). 0 .経済データの取得 ( 分析準備 ): 経済統計の見方・読み方. 経済学を学ぶ学生なら、統計データをきちんと見てください。→理論と共に現実を見る目
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入門 計量経済学 第05回 ―本日の講義― 1.要約統計量による分析 2.相関係数と回帰分析:相関係数の算出と相関マトリックス 3.相関分析 清水千弘(Chihiro SHIMIZU)
0.経済データの取得(分析準備):経済統計の見方・読み方0.経済データの取得(分析準備):経済統計の見方・読み方 • 経済学を学ぶ学生なら、統計データをきちんと見てください。→理論と共に現実を見る目 • 国全体の経済状況を知る:『国民経済計算年報』(経済企画庁編):国際連合から公表された新しい国民経済計算体系(A System of National Account:新SNA)にもとづき、昭和53年以降毎年発表されている。国民経済における生産、分配、支出の流れをしめした「国民所得統計」、ある産業がどの産業から投入(input)してどこの産業に算出(output)しているかという商品の流れを示した「産業連関表」、資金の流れを示した「マネー・フロー表」、国民の資産と負債を示した「国民貸借対照表」、海外との取引を示す「国際収支表」から構成されています。この『国民経済計算年報』を使うときには、年度と暦年の両方で表示されていることに注意して下さい。たとえば1985年度というときは、1985年4月1日から1986年3月31日までを意味し、1985暦年は1985年1月1日から1985年12月31日を意味します。 • 家計の経済状態を知る:『家計調査年報』(総務庁統計局)、『貯蓄動向調査』(総務庁統計局)、『賃金センサス』(労働省政策調査部編)等で把握できる。『家計調査年報』と『貯蓄動向調査』は、農林魚家及び単身者世帯を除く世帯を調査対象とし、前者では家計収支が、後者では貯蓄と負債の現在高等が得られる。この2つの統計書を使えば、所得階層別や年齢別に消費支出、所得、貯蓄といったデータを作成することができる。『賃金センサス』は、労働者の種類、性別、学歴、勤続年数等の属性別に賃金と労働時間を調べたものである。 • 企業の経済状況を知る:『工業統計表』(通産省)、『商業統計表』(通産省)、『産業連関表』(総務庁)等で把握できる。『工業統計表』では、製造業のほとんどすべての事業所を対象としており、従業員数、製造品出荷額等が得られる。『商業統計表』は、3年おきに商業活動をおこなっている全事業所について自由業員数や売上高を調べたものである。この『工業統計表』、『商業統計表』は、ともに『産業連関表』を作成する際の基礎データとして利用されている。『産業連関表』は5年ごとに作成されるもので、前述の毎年作成される『国民経済計算年報』に含まれる「産業連関表」(5年おきに作成される『産業連関表』と区別するためにSNA産業連関表と呼ばれる)との違いは、部門数が多いこと(昭和60年表では529行×408列)と、国内運賃表・商業マージン表・固定資本形成マトリックス・輸入表等の付帯表(詳細は『産業連関表』の解説編を見て下さい)が得られることにより、より細かい分析をおこなえるところにある。 • 政府の経済状況を知る:政府の予算を調べたいときには『財政統計』(大蔵省主計局調査課)、税収額を調べたいときには『財政金融統計月報(租税特集)』(大蔵省)、『国税庁統計年報書』がある。『財政統計』では、政府の支出の規模や内容が社会保障関係費・文教及び科学振興費といった主要経費別分類、国家機関費(司法、警察および徴税等の諸経費と各行政官庁の本省経費)・国土保全および開発費といった目的別分類、人件費・施設費等の使途別分類などによってあきらかにされている。地方財政については,『地方財政統計年報』『市町村決算状況調べ』などがある。
統計学の基礎知識:記述統計:前回の復習SPSSを用いて図表の作成.経済データの分布を知る-県民経済計算-統計学の基礎知識:記述統計:前回の復習SPSSを用いて図表の作成.経済データの分布を知る-県民経済計算-
つづき • 地域別カテゴリー • 1.北海道・東北,2.関東,3.北信越,4.東海,5.近畿,6.中国,7.四国,8.九州
統計学の基礎知識3:ジニ係数を計算する所得の不平等度に関する分析-家計調査-統計学の基礎知識3:ジニ係数を計算する所得の不平等度に関する分析-家計調査- • 所得または富の分配の状況を知るための統計量を示す指標としてのローレンツ曲線とジニ係数 • ジニ係数とは? ローレンツ曲線の形を計測可能な指数にしたもので,分布の不平等度を示す。 • 0から1の範囲を取り,0に近くなるほど分布は平等に等しくなる。 • Xi : 累積世帯比率 • Yi:累積所得比率
クズネッツの逆U字仮説 • 経済発展の初期段階では過剰労働力が存在し,そのために,賃金格差をもたらし,所得の不平等化を進める。しかし,労働市場の需給が逼迫し,1人あたりのGNPがある水準を超えて持続的に増加していくと,所得分布も均等化し,ジニ係数は低下することを指摘した。 • また,社会・経済制度が発展してくると,税制・社会保障などが充実してくる中で,再分配政策が広く普及し,所得の均等化はますます進展してくる。 • 経済発展の過程で,社会資本と民間資本とのアンバランスが発生し,社会資本の未整備が経済成長の隘路となることは,クズネッツを始め,ハーシュマンなどにおいても指摘されている。民間の経済活動の中での投資と社会的共通資本に対する投資のバランス問題も,経済発展過程を分析する際に,重要な要素となってくる。
日本の家計の支出構造:「家計調査-平成14年年俸より-」より 1日本の家計の支出構造:「家計調査-平成14年年俸より-」より 1 • 1 単身全世帯の家計 • (1)消費支出は実質0.1%の増加 • 平成14年の全世帯(平均年齢 51.7 歳)の1か月平均消費支出は 174,690 円で,前年に比べ名目1.0% の減少となったものの,消費者物価の下落(-1.1%)を反映して,実質 0.1%の増加となった。 • また,消費支出を主要費目別にみると,交通・通信(+9.5%), 被服及び履物(+7.3%)が大幅な実質増加となったほか,食料(+1.5%), 光熱・水道(+0.5%),教養娯楽(+0.2%)も実質増加となった。 • 一方,住居(-7.0%),家具・家事用品(-6.6%)が大幅な実質減少となったほか,保健医療 (-2.4%) も実質減少となった。 • (2) 費目別にみた消費の特徴 • 平成14年の全世帯の1か月平均消費支出(174,690円)を費目別にみると,次のような特徴がみられる。 • ア 食料は40,623円で,名目0.7%,実質1.5%の増加となった。これについては,穀類,魚介類,肉類が実質減少となったものの,乳卵類,酒類が大幅な実質増加となったほか,飲料,調理食品,菓子類,外食,野菜・海藻,果物,油脂・調味料が実質増加となったため,全体として実質増加となった。 • イ 住居は 24,114円で,名目7.5%,実質7.0%の減少となった。これについては,設備修繕・維持が大幅な実質減少となったほか,家賃地代も実質減少となったため,全体として大幅な実質減少となった。 • ウ 光熱・水道は 9,290円で,名目0.7%の減少となったものの,実質では0.5%の増加となった。これについては,他の光熱,ガス代が実質減少となったものの,上下水道料,電気代が実質増加となったため,全体として実質増加となった。 • →Key Word:エンゲル係数 • エンゲル係数(%)=(食料÷消費支出)×100 • *一般に,エンゲル係数が低いほど生活水準が高いとされる。
日本の家計の支出構造:「家計調査-平成14年年俸より-」より 2日本の家計の支出構造:「家計調査-平成14年年俸より-」より 2 • 2 勤労者世帯の家計 • (1)実収入は0.8%の実質増加 • 平成14年の勤労者世帯(平均年齢37.8歳)の1か月平均実収入は337,448円で, • 前年に比べ名目0.3%の減少となったものの,実質では0.8%の増加となった。実 • 収入の内訳をみると, 臨時収入・賞与(-36.4%)は大幅な実質減少となったものの, • 定期収入(2.5%)は実質増加となった。非消費支出は56,106円で,名目9.9%の増 • 加となった。可処分所得は281,342円で,名目2.1%,実質1.0%の減少となった。 • (2)消費支出は2.2%の実質増加 • 消費支出は193,906円で,名目1.1%,実質2.2%の増加となった。消費支出を主 • 要費目別にみると,被服及び履物(+20.6%),交通・通信(+13.9%) が大幅な実質 • 増加となったほか,食料(+3.9%),住居(+2.2%),教養娯楽(+1.1%)も実質増加と • なった。一方,家具・家事用品(-16.7%)が大幅な実質減少となったほか,保健医 • 療(-4.8%), 光熱・水道(-0.3%)が実質減少となった。 • (3)前年を下回った平均消費性向 • 平均消費性向は68.9%で,前年(66.8%)の水準を2.1ポイント上回った(表4)。 • 可処分所得=実収入―非消費支出(税金・社会保険料) • 平均消費性向(%)=(消費支出÷可処分所得)×100 • →Key Word:所得弾力性
・2.相関係数と回帰分析1:相関係数の算出と相関マトリックス・2.相関係数と回帰分析1:相関係数の算出と相関マトリックス • 相関(correlation):二つの現象間の関係の強さを測る • 回帰:「原因」と「結果」が明確な関係を因果関係(causality)と呼び,その原因となる現象が結果のどのような(+ or -),そしてどの程度の影響を与えるのかを測る • ・ピアソンの積率相関係数(Peason’s product-moment correlation coefficient) • ・順位相関係数(rank-correlation coefficient) • ・自己相関係数(auto-correlation coefficient) • ・系列相関係数(serial correlation coefficient) • ・自己空間相関係数・相互空間相関係数 (spatial correlation coefficient)
相関係数とは? 相関係数とは: -1~+1の範囲をとり,1(または-1)に近くなるほど2つの変数の関係は強くなる。 散布図を書いた場合,右肩上がりの分布をしている場合が正の相関,右肩下がりの分布をしている場合に負の相関という。
相関係数の計算 • 共分散 • 相関係数 *0~1の間を取り,1に近くなるほど,相関関係(共変関係)が強くなる。 偽の相関と真の相関:散布図により確認すること!
3.相関分析 相関マトリックス:分析例/パス図による分析13.相関分析 相関マトリックス:分析例/パス図による分析1 相関マトリックス等を用いて分析を行う場合は,潜在変数の存在を見逃してはいけない! オフィス賃料の地域間格差
相関マトリックス:分析例/パス図による分析2 疑問1.人口流入が多いところほど賃料が安い? →経済理論では,需要が大きくなるにつれて価格が上昇! 疑問2.持ち家率が高いところほど賃料が安い? ???本当か??? 潜在変数を見つけ出す →因子分析 共同住宅賃料の地域間格差