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26pHB-9. J-PARC における K 中間子原子核探索実験 に用いる飛程検出器の性能 評価 (2). 京 大理 江川弘行 他 J-PARC E27 Collaboration. K - pp 探索実験 (J-PARC E27). 強い相互作用によって深く束縛された系 (B.E. = ~110 MeV @FINUDA, DISTO) 存在はまだ確かになっていない. d(π + ,K + ) reaction @1.7GeV/c. p. p. K +. (1%). K -. (99%). Missing mass spectroscopy.
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26pHB-9 J-PARCにおけるK中間子原子核探索実験に用いる飛程検出器の性能評価(2) 京大理 江川弘行 他J-PARC E27 Collaboration
K-pp探索実験 (J-PARC E27) • 強い相互作用によって深く束縛された系 • (B.E. = ~110 MeV @FINUDA, DISTO) • 存在はまだ確かになっていない • d(π+,K+) reaction @1.7GeV/c p p K+ (1%) K- (99%) Missing mass spectroscopy π+ Beam @1.7 GeV/c Y.Akaishi, T.Yamazaki, Phys. Rev. C 76 045201 (2007)
Background processes バックグラウンド GEANT4 simulation d(π+,K+)X @1.7GeV/c K-pp ~1000 events (Λ(1405) 1 % sticking) ΓFINUDA = 67 MeV K- + p + p ~ 2.37 GeV/c2 Σ - π+“n” -> Σ0K+ - π+“n” -> Λ K+ - π+“n” -> Λ(1405) K+ - π+“n” -> ΣπK+ - π+“n” -> Σ0(1385)K+ - π+“n” -> ΛπK+ - π+“p” -> Σ+ K+ - π+“p” -> Σ+(1385)K+ - π+“p” -> ΛπK+ - π+“p” -> ΣπK+ 120.6μb 174.7μb 20.6μb 40μb 76.7μb Λ FINUDA, DISTO 13.7μb 470μb Y* 124μb 40μb 28.9μb K-pp Missing Mass [GeV/c2] Σ+(1385) Λ(1405) Σ0(1385) 包括的測定ではK-ppのシグナルがバックグラウンドに埋もれてしまう。
準排他的測定 • K-pp崩壊 (非中間子モード) d(π+,K+)反応で出てくる2つの陽子の運動量相関 K-pp→ Λ + p1 Λ → p2 + π- K-pp→ Σ0 + p1 Σ0→ (Λγ) → p2 + π- + γ • バックグラウンド(準自由過程) 低運動量 π+ + d → Λ* + K+ + p1s K-pp崩壊で生じる 陽子の運動量 Λ* → Σ + π 2つの高運動量の陽子を検出することで S/N比の高い測定ができる Σ+→p2 + π0 K-pp
飛程検出器(Range counter) • PID • range • dE • TOF • 陽子 (>250MeV/c)を識別 • プラスチックシンチレータ(5層) • ビーム軸に対して39°--122°(LR) • アクセプタンス ~9% p K+ RC-1R RC-1L p1 RC-2R RC-2L 39° K-pp→ Λ + p1 50 cm θp2 p2 Λ → p2 + π- RC-3L d Target RC-3R 122° π+ Beam θp1 100 cm 5 cm 2 cm 20 cm 1 cm
実験 2012年 6月にK1.8ビームラインで実験を行った。 Range Counter run E27production run p(π+,π+p) @0.5 GeV/c : 40 分, 1.3× 107π+ d(π+,K+) @1.7 GeV/c : 7.6 日, 3.0 × 1011 π+ Empty target @0.5 GeV/c : 60 分, 1.3 × 107π+ p(π+,K+) @1.7 GeV/c : 0.6 日, 1.4 × 1010 π+ 実際にインストールされた 飛程検出器 d(π+,pp) @0.5 GeV/c : 90 分, 2.0 × 107π+
飛程検出器の性能評価 • (π+,p) 弾性散乱 @500 MeV/c • 陽子の識別効率を評価する。 • 放出される π+と p をどちらも RC で検出することで、バックグラウンドの少ない解析ができる。 左右のユニットでπ+,p 両方を検出するときの運動量 π+ RC-1L p 陽子 π+中間子 RC-1R p target π+ @500MeV/c 320--480 MeV/c 380--440 MeV/c RC-1L と RC-1R で p と π+ を検出する 2~4 層目で止まる 5層目を突き抜ける
PID関数 i : 粒子が止まった層 dEi : i層目でのエネルギー損失 α : 定数 ( ~1.75 ) θ : 入射角 θ stop 粒子の質量によって異なる値をとる dEi dEi-1 4層目で止まった イベント dE : PID関数の相関 PID関数 (左図の射影図 ) counts 陽子 dE (4層目)[MeV] π+中間子 ・・ ・・ π+中間子 陽子 PID関数 PID関数
粒子の識別 陽子・・・ PID関数と1/βを用いて識別 π中間子・・・ 1/βを用いて識別 (RC内で止まらないため) 陽子 (3層目でstop) p中間子(反対側に陽子を要求) 1/b 300 250 200 150 100 50 5 4.5 4 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 counts p 0 100 200 300 400 500 600 700 800 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 PIDfunction すり抜けによる誤認 1/b
識別効率の評価 • 飛程検出器による陽子の識別効率を見積もる。 • RC の反対のユニットに π+ を要求した場合の1層目のシンチレータでの粒子の検出数と、陽子と識別された粒子の数の比を、各β領域に区切って評価する。 PID π+ 1/β 分布 (反対側に π+) 1/β 分布 N PID π+中間子 ε = N 1st ほとんどが陽子 陽子 hit 1/β 1/β N PID : 1/β, PID関数によって識別 識別効率 N 1st : 1層目にヒットした粒子の数
結果 低運動量でのカットオフ 識別効率[%] ピークの値 よく一致している 高運動量領域 少々異なっている β シミュレーションと比較
考察 識別効率が下がる原因 • 粒子のすり抜け (等方を仮定すると ~10%) • ハドロン相互作用 (~5%) 左右のずれ • ビーム軸のずれを反映している。 シミュレーションとの比較 • 低運動量でのカットオフ • 1層目で止まっている。 (E27実験では必要がない) • ピーク値、高運動領域 • 上記の2つの効果が見えている。 • β と放射角が強い相関をもつので、β によってすり抜けが起こる割合が異なる。 • 高運動領域については、まだシミュレーションがデータを再現しきれていない。
まとめと展望 • E27実験に必要な飛程検出器を製作し、実際に実験を行った。 • 陽子に対する識別効率は80—90%と見積もられ、シミュレーションからも理解できている • 今後 • シミュレーションの不整合の原因を追求する • 1.7 GeV/c の d(π+,K+) のデータを解析し、陽子の識別条件を最適化する
1/β : PID関数相関 (π+, p検出) RC1 stop=3 1/β 相方に π+を要求 1/β p p π (突き抜け) PID function PID function
運動量・角度相関 陽子 π+中間子 GeV/c GeV/c θp[°] θπ [°]
π+, p 角度相関 (π+,p) 弾性散乱 @500 MeV/c π+, pの放射角 RC2 RC1 π+ RC-1L p pion angle[°] RC-1R RC-2L RC3 target RC2 RC-2R RC1 RC-3R RC-3L π+ @500MeV/c proton angle [°]
飛程 : β 相関 4層目 3層目 2層目 ・p ・π 1層目 陽子の運動量 ~250 MeV/c ~600 MeV/c
飛程検出器 (写真) K+ p p RC π+
d(π+, K+) missing mass (inclusive) Black: Simulation Red: Data GeV/c2
理論計算 PRC76, 045201 (2002) arXiv:0512037v2[nucl-th] PRC76, 044004 (2007) PRC76, 035203 (2007) NPA804, 197 (2008) PRC80, 045207 (2009) arXiv:1207.1661v1[hep-ph]