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HIMAC 共同利用研究成果発表会 ( April 4, 2005). 結晶場による多価重イオンの コヒーレント共鳴励起 16P032. 小牧研一郎,近藤力,畠山温,山崎泰規 東京大学・総合文化研究科 東俊行,中野祐司,真杉三郎,村中友子 東京都立大学・理学研究科 村上健,高田栄一 放射線医学総合研究所. あらすじ. i) コヒーレント共鳴励起( RCE )とは ii) 2004 年度の成果 (1) 2重共鳴励起の観測 (2) 極薄結晶でのチャネリング (3) 3次元コヒーレント共鳴励起( 3-D RCE ) の発見 iii) 展望.
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HIMAC共同利用研究成果発表会 ( April 4, 2005) • 結晶場による多価重イオンの • コヒーレント共鳴励起 • 16P032 小牧研一郎,近藤力,畠山温,山崎泰規 東京大学・総合文化研究科 東俊行,中野祐司,真杉三郎,村中友子 東京都立大学・理学研究科 村上健,高田栄一 放射線医学総合研究所
あらすじ • i) コヒーレント共鳴励起(RCE)とは • ii) 2004年度の成果 • (1) 2重共鳴励起の観測 • (2) 極薄結晶でのチャネリング • (3) 3次元コヒーレント共鳴励起(3-D RCE) • の発見 • iii) 展望
共鳴条件 コヒーレント共鳴励起(RCE)(Resonant Coherent Excitation) ・面チャネリング(2D-RCE) ・軸チャネリング(1D-RCE) 周期的原子による振動電場 周期的原子列による振動電場
検出原理 ionization n=2 de-excitation emitting photon resonant coherent excitation ionization 1s resonant coherent de-excitation
実験装置 Si(Li) detector (V) Si crystal magnet vertical slit 2D-PSD projectile Cu foil Si(Li) detector (H) Si(Li) detector
あらすじ • i) コヒーレント共鳴励起(RCE)とは • ii) 2004年度の成果 • (1) 2重共鳴励起の観測 • (2) 極薄結晶でのチャネリング • (3) 3次元コヒーレント共鳴励起(3-D RCE) • の発見 • iii) 展望
ビームエネルギー 6 2重共鳴励起条件 • Si (220)面チャネリングの場合のRCE条件 • Ek,l(q ) = (gbhc/a)[√2 k cosq + l sinq] 同じ入射条件(gb, q)でも (k, l)毎に異なる振動数を感じる →同時共鳴の可能性 2重共鳴励起 多価重イオンに対して エネルギーの異なる2種類のX線光子を同時に共鳴吸収させる!
2重共鳴V-type H-like Ar17+ 両方とも基底準位から 1s→ 3p1s → 2p
増加 100% 2重共鳴V-type
ビームエネルギーの調整(マシングループに感謝)ビームエネルギーの調整(マシングループに感謝) • 複数のビームエネルギーでAr16+ 1s2(1S)→1s2p(1P) 共鳴を測定 • 主リングのRF周波数とビーム速度β= v/cとの関係を較正(結晶格子を物差しにしてリングの周長を測る) • 2重共鳴条件のビームを実現
まとめ(1) いろいろな3準位を想定した2重共鳴励起に挑戦 (1) H-like Ar17+:1s→2p, 1s→3p 基底準位から異なった2準位へ (V型) ○ (2) He-like Ar16+:1s2 → 1s2p → 2p2 2重励起状態準位へ (Ladder型) △ (3) He-like Ar16+:1s→3p, 3p→2s 準安定状態準位へ (Λ型)? 多価重イオンに対して エネルギーの異なる2種類のX線光子を同時に共鳴吸収させる!
あらすじ • i) コヒーレント共鳴励起(RCE)とは • ii) 2004年度の成果 • (1) 2重共鳴励起の観測 • (2) 極薄結晶でのチャネリング • (3) 3次元コヒーレント共鳴励起(3-D RCE) • の発見 • iii) 展望
1 mm 1.92 Å (220) 極薄(1mm)結晶を用いると・・・ 散乱角度からの イオン軌道の予測 結晶面で1回程度の散乱であり表面散乱と同等 Non-channeling条件でも 入射イオンが生き残る 3次元のRCE
(220) f 入射イオンの生き残り確率 channeling quasi-channeling Non-channeling以上に 電子・核密度が高い non-channeling Non-channelingでも70%ものイオンが生き残る!
まとめ(2) 1 mm厚の結晶を用いることで ・イオンの散乱角度とイオン軌道は1対1対応する ・channeling条件の方がイオンの散乱角度分布が広い ・quasi-channeling条件で散乱角度分布に構造が現れる (イオンが原子面を乗り越えることを反映) ・non-channeling条件でも70%もの入射イオンが生き残る ことを初めて、観測した。
あらすじ • i) コヒーレント共鳴励起(RCE)とは • ii) 2004年度の成果 • (1) 2重共鳴励起の観測 • (2) 極薄結晶でのチャネリング • (3) 3次元コヒーレント共鳴励起(3-D RCE) • の発見 • iii) 展望
共鳴条件 これまでのRCE ・面チャネリング(2D-RCE) ・軸チャネリング(1D-RCE) 周期的原子による振動電場 周期的原子列による振動電場
3次元コヒーレント共鳴励起 ・非チャネリング(3D-RCE) ・軸チャネリング(1D) 周期的原子を横切る ↓ ・面チャネリング(2D) 周期的原子列を横切る ↓ ・非チャネリング(3D) 周期的原子面を横切る 周期的原子面による振動電場
共鳴条件 面channeling 3次元共鳴条件 390MeV/u Ar17+ 1s → 2p3/2 Etrans:遷移エネルギー channeling random [deg.] [deg.]
3-D RCEの観測 φ=0 φ=0.007 φ=0.012 φ=0.02 φ=0.03 φ=0.04 φ=0.05 φ=0.06 φ=0.08 φ=0.1 チャネリング臨界角 (quasi-channeling) planar channling
RCEプロファイルの特徴 H-like Ar17+ 1s-2p 2-D RCE • 幅広のディップ 面ポテンシャルによる Starkシフト 3-D RCE (k,l,n)=(1,1,1) • シャープなディップ • ディップの中心が真空中における • 遷移エネルギーの値と一致 Starkシフトが消失!!
まとめ(3) • 2-D RCEのプロファイル • 幅の広いディップ ⇒原子面近くの DC Starkシフトを反映 • 3-D RCEのプロファイル • ディップの幅が狭く、ディップの中心は真空中の遷移エネルギーに一致 ⇒面ポテンシャルを速く振動する電場として感じ、Starkシフトが小さくなる (AC Stark)
展望 3次元コヒーレント共鳴励起(3-D RCE)の 理解・拡張・応用 極薄結晶を用いた3-DRCE ・coherent長を調べる ・多重共鳴とAC-Stark効果の関係 極薄でない結晶を用いた3-D RCE ・後方に放出される脱励起X線の検出 X線領域における精密分光への応用 ・Stark-free原子分光
Resonance Spectra (proj. charge state) ionization convoy electron RCE RCD 1s de-excitation X-ray
面チャネリングにおける同時共鳴 • Si (220)面チャネリングの場合のRCE条件 • Ek,l(q ) = (gbhc/a)[√2 k cosq + l sinq] (k, l) : 整数(2次元Miller指数) q : (220)面内で<110>軸とビームの なす角 a: 格子定数 同じ入射条件(gb, q)でも (k, l)毎に異なる振動数を感じる →同時共鳴の可能性 a a/√2
2重共鳴Λ-type He-like Ar16+ 一方は基底準位から,他方は引き続き励起準位から (1s)2 → 1s3p → 1s2s 準安定状態 Ex. 1s3p: life ~5x10-14s MFP~15m ~ 結晶厚/2 1s2s: life ~2x10-7s MFP~50m >>結晶厚
減少 ??? 2重共鳴Λ-type
2重共鳴Ladder-type He-like Ar16+ 一方は基底準位から,他方は引き続き励起準位から (1s)2 → 1s2p → (2p)2 2重励起状態 Ex. 1s2p: life ~1x10-14s MFP~2.8m~ 結晶厚10 励起準位の寿命が有限
増加 20% 2重共鳴Ladder-type 自動イオン化
1 mm 1.92 Å (220) Introduction 極薄(1mm)結晶を用いると・・・ 散乱角度からの イオン軌道の予測 結晶面で1回程度の散乱であり表面散乱と同等 Non-channeling条件でも 入射イオンが生き残る 3次元のRCE
荷電状態と散乱角の同時測定 390 MeV/u Ar17+ ・標的結晶 (1mm厚) Tilt angle f 2D-PSD 9mm Si crystal Deflection angle ・測定 ①散乱角度分布(結晶面に対して垂直方向) ②荷電状態
1 mm 1 mm ビーム径 0.2 mm 散乱角からの軌道の特定 PSD 結晶 1.92 Å (220)
-1 mm 0 mm 1 mm 1 mm 1.92 Å (220) 散乱角と出射価数 2D-PSD image Ar17+ Ar18+ ← 散乱角度 → ← 荷電状態 → 散乱角度 大 原子面付近を通過 イオン化確率 大
Deflection angle Tilt angle f 荷電状態と散乱角度分布 Tilt angle f PSD 鏡面反射 Deflection angle Si crystal Tilt angle f Deflection angle シミュレーション (イオン化は無視) 実験 Ar17+ Ar18+
Upper Center Lower 散乱角度分布の変化 Ar17+ Upper Center Lower
散乱角度分布の変化 Lower Upper Center Upper Lower 振動 f
random 結晶面 面channeling (φ=0) φ coherence loss? 非チャネリング入射 random入射→標的原子核/電子密度の濃いところを通過 生き残り割合の厚さ依存性 390MeV/u H-like Ar17+ 380MeV/u Ar16+ → 28m Si Calculated by ETACHA 高い入射エネルギー 薄い標的結晶
2p3/2 2p1/2 n=2 3323eV 3318eV 1s 1μm 面チャネリングRCE μm 2D-RCE μm 2D-RCE 390MeV/u H-like Ar17+ (k, l)=(1,1) ・l-s interaction ・Stark effect 結晶面近くを通過した イオンのみ切り出し 小さい共鳴(~5%) 共鳴幅が広い
~15eV 荷電分布のディップは 原子面近くのStarkシフトを反映 2-D RCEのプロファイル 遷移エネルギー[eV] ~1mm厚結晶のチャネリング 2p1/2 2p3/2 生き残り確率 チャネリング軌道と出射角が 一対一対応 RCE,イオン化確率 小 大 入射位置 出射角 軌道振幅[Å] 出射角[mrad] 1mm 遷移エネルギー[eV]
イオン化確率大 イオン化 面ポテンシャルによる Starkシフトのため 準位は広がる ~15[eV] RCE RCE確率大 イオン化 面チャネリングイオンの電子状態と原子過程 H-like Ar17+イオン (220)原子面近く チャンネル中心 2p3/2 ~5[eV] 2s1/2 準位エネルギー 2p1/2 ~3300 [eV] 1s 1s 0 チャンネル中心からの距離
Starkシフトが消失!! 3-D RCEのプロファイル • ディップの幅が狭い • ディップの中心が真空中の遷移エネルギーに一致
イオンの感じるポテンシャル 非チャネリング条件下のイオン 入射角:f=0.1°のとき イオンが感じる面ポテンシャル振動数 wn=1.7x1016[s-1] 面チャネリング条件下の40倍! (220)面ポテンシャル 面チャネリングイオン イオンが感じる面ポテンシャルの振動数 wc=4.7x1014[s-1] ( DC Starkシフト) 非チャネリングイオンは 面ポテンシャルも振動電場 として感じる
AC Starkシフト E E0 DE(w)∝w-2 w0 (共鳴周波数) w 非チャネリングイオンの Starkシフトは小さくなる 時間変動する電場によるStarkシフト 電子状態 2p3/2 AC Stark 4.655[eV] 2s1/2 0.161[eV] 11[eV] 2p1/2 3318[eV] RCE 3.3x103[eV] 1s φ=0.1°のときのStarkシフト w=1.7x1016[s-1] (~11 [eV]) 2p1/2; <2p|gEz|2s>=2.3[eV], DE = 0.0032 [eV] 2p3/2; <2p|gEz|2s>=3.2[eV], DE =-0.0065 [eV]