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IRSF/SIRIUS を 用いた X 線連星系 A0535-668 の赤外線観測. 河内研究室 0BSNM006 鈴木健太. outline. introduction Be 星・パルサー Be/X 線連星系 観測天体 A0535-668 観測 IRSF 望遠鏡・検出器 SIRIUS データ解析 結果 光度曲線と時間変動 考察 まとめ. Be 星・パルサー. B e 星 大質量星 (>10M solar ) スペクトル型: O 型・ B 型 輝線 ( e mission line) 水素 ( Hα など ) 星周円盤 (disk)
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IRSF/SIRIUSを用いたX線連星系A0535-668の赤外線観測IRSF/SIRIUSを用いたX線連星系A0535-668の赤外線観測 河内研究室 0BSNM006 鈴木健太
outline • introduction • Be星・パルサー • Be/X線連星系 • 観測天体 A0535-668 • 観測 • IRSF望遠鏡・検出器SIRIUS • データ解析 • 結果 • 光度曲線と時間変動 • 考察 • まとめ
Be星・パルサー • Be星 • 大質量星(>10Msolar) • スペクトル型:O型・B型 • 輝線(emission line) • 水素(Hαなど) • 星周円盤(disk) • 赤外線を放射 • パルサー (中性子星) • 質量:~1Msolar 半径:10km 磁場:~1012G • 電波・X線などで周期的なパルスが観測 http://www.oca.eu/stee/page1/page3/page3.html
Be/X線連星系 遠星点 • Be星+パルサー • 遠星点付近 • 恒星風との相互作用 (弱いX線放射) • 近星点付近 • パルサーがdiskに突入 • 質量降着→X線outburst • 輻射圧でdiskが加熱 →可視光で増光 赤外線でも増光 パルサー Be星 近星点
A0535-668連星系 • スペクトル型:B2Ⅲe • 周期:16.651日 • LMC内(~55kpc) • 離心率:>0.4 • パルス周期:69ms • カタログ等級(赤外線) • J:15.152 H:15.099 Ks:15.738 Jバンドの実際の画像
A0535-668~過去の観測~ • 1977年 • X線:1039erg s-1 • 可視光:2等級増光 • スペクトル型が赤化 • 1990年~ • X線:弱いoutburst (1037erg s-1) • 可視光:0.15等級増光 • 現在 • X線:outburstなし • 赤外線でも0.1等程度増光(?) 可視光(1993~1998) 明 暗 近星点
観測 • IRSF1.4m望遠鏡 • 南アフリカ天文台 サザーランド観測所 • 視野:7′.7 • 近赤外線3色同時撮像装置 (SIRIUS) • J,H,Ksバンド • 観測日 • 2010年12月12日~2011年1月4日 (計23回) • 15秒露光 10枚 (150秒/回) 2周期分
解析手法 • 比較星を用いる • 観測条件の補正のため • 十分に明るい天体(カタログ等級) • 変光天体ではない • 2色図を作り、主系列星と推定される • 基準日を設定 • 遠星点に近い観測日 (2010年12月23日) 3天体 基準日に対する等級の相対変化
解析方法 観測条件による振る舞い 平均値 相対的な変化量 (相対等級) 0 観測値 基準日 (std) t1 時間
結果~Jバンド~ 近星点 近星点 明 変動検定 χ2/dof=19.847/19 ⇓ 有意確率:40.38% (水準:0.27%) 時間変動確認できず 暗 2010年12/12 2011年1/4
結果~Hバンド~ 近星点 近星点 明 変動検定 χ2/dof=20.145/19 ⇓ 有意確率:38.59% (水準:0.27%) 時間変動確認できず 暗 2010年12/12 2011年1/4
結果~Ksバンド~ 近星点 近星点 明 変動検定 χ2/dof=5.172/18 ⇓ 有意確率:99.86% (水準:0.27%) 時間変動確認できず 暗 2010年12/12 2011年1/4
考察 • 時間変動は確認されなかった • 相対等級の誤差が大きい • 仮定:0.1等の変動(3σ) ⇒測光誤差 ≦0.023 • J:0.054 H:0.078 Ks:0.277 • 改善策 • 露光時間、重ね合わせる枚数を増やす
露光時間・重ね合わせ枚数 • 露光時間*重ね合わせ枚数:積分時間 [sec] • S/N比を考える • 今回:15秒*10枚=150 [sec] • :0.054 • ≦0.023 • :5.5倍
まとめ • IRSF/SIRIUSを使って、X線連星A0535-668の赤外線観測を行った • 基準日&比較星から、A0535-668の2周期分の等級変動量を求めた • J,H,Ksバンドで変動は見られなかった • 変動なしは「誤差の大きさ」から • 誤差:測光誤差 • 0.1等の変動を見るためには測光誤差≦0.023 • 対策:露光時間・重ね合わせ数を増やす • 積分時間を5.5倍
IRSF/SIRIUSの限界等級 • J :19.2 • H :18.6 • Ks :17.3 • 15分露光 • 今回:15秒×10枚=2.5分露光
Be star • 早期の大質量星(O,B型)で、水素の輝線(emission)を出している天体 • 輝線:ガス円盤から放射 • ガス円盤:Be星自身の質量を放出 • Be星の自転がbreak-up速度に近い速度 • ガス円盤の半径:~10R*
Be星のスペクトル型別分布 • 上図がBe星150天体の分布 • 下図がBe/X線連星の分布 • Be/X線連星は”早期”のB型に多い
パルサー 自転 電磁波 磁場 磁軸
パルサー • Pdot:パルサーの自転エネルギーの損失量 • 回転エネルギーを放射に転換している • 回転エネルギー • 回転エネルギーの損失量=放射量
観測 • InfraRed Survey Facility (IRSF) • 南アフリカ天文台サザーランド観測所 • 2011年12月12日~1月4日 • 観測回数:23回 • 軌道周期2周期分 • 内、3回分は天候等の理由で使えない
Ksバンド? • Kバンドの領域では長波長側で急激に熱輻射が増える • K’, Ksバンド • K’:1.94~2.29μm • Ks:1.99~2.31μm
検出器 • 近赤外線3色同時撮像装置SIRIUS
一次解析 • dark処理 • flat処理 • ディザリング • matchingと重ね合わせ • 画像にRADecを入力 • pixel座標→天球座標
dark処理 • 熱によるノイズなどを軽減するための処理 • 露光時間によってdarkノイズ量は増える • 観測した露光時間のダーク画像が必要 • 検出器のシャッターを開かない状態で撮像
2秒露光dark 20秒露光dark
フラット処理 • 検出器のピクセルごとに感度が異なる • 感度補正(規格化)のための処理 • 薄明時や薄暮時の空を撮像
フラット開始時(K~8000) フラット終了時(J~1000)
デッドスペース バッドピクセル デッドスペース 撮影手法 ~ディザリング~
利点 欠点 ・デッドスペース&バッドピクセル の解消 ・中心部分(ターゲット部分)の S/N比が向上 ・時間分解能が悪い →短時間の変化はわからない -最短時間(偏光観測) :約10分 撮影手法 ~ディザリング~
RADec入力 • 1次処理を終えた画像には、天球座標の情報はない • 2MASSカタログ(観測領域) • 画像中心の座標
解析~比較星の選定~ • 視野内の2MASSの天体カタログ • カタログ等級(J,H,Ks>12等) • カタログから2色図 • 視野中心 • 他の星との孤立性 孤立性がある天体 孤立性がない天体
χ2検定 • RMi:変動量 • RMEi:変動量のエラー • WM:加重平均 • 重み:RMEi • χ2⇒有意確率 有意確率<有意水準 有意水準:0.27%(3σ)
IRAFによる等級の算出 sum:aperture内の総カウント数, msky:skyの総カウント数 area:aperture面積[pixel2], zmag:等級のoffset itime:露光時間[sec], epadu:CCDのゲイン [e-/adu] stdev:skyのばらつき, nsky:skyのピクセル数
測光の設定 • aperture • annulus • dannulus • epadu ⇒ area ⇒ nsky 設定値 フィルター別
MERR, FLUX, MSKY, STDEV MSKY FLUX MERR STDEV MERR
スカイ画像 • Jバンド :特になし • Hバンド :OH夜光 • Ksバンド :ほこりなどの熱輻射
軌道周期で畳みこみ Jバンド 明 変動検定 χ2/dof=39.694/39 ⇓ 有意確率:43.90% (水準:0.27%) 軌道周期変動なし 暗
軌道周期で畳みこみ Hバンド 明 変動検定 χ2/dof=40.289/39 ⇓ 有意確率:41.30% (水準:0.27%) 軌道周期変動なし 暗
軌道周期で畳みこみ Ksバンド 明 変動検定 χ2/dof=8.309/38 ⇓ 有意確率:100.0% (水準:0.27%) 軌道周期変動なし 暗