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QUIET Phase-II に向けた偏光検出器テストシステムの開発. LN 2. 長谷川雅也、石徹白晃治、田島治、茅根裕司、永井誠、羽澄昌史、樋口岳雄 他 QUIET コラボレーション 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 CMB グループ. 回転. 金属板 ( アルミ、ステン …). エコゾーブ (77K). 断熱容器. クライオスタット. 受信機. 4. 新型テストシステム. QUIET Phase-II (2012 開始予定 ). 固定. 受信機. Phase-II( 概念図 ). 新型システムを使用した時に期待される
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QUIET Phase-IIに向けた偏光検出器テストシステムの開発 LN2 長谷川雅也、石徹白晃治、田島治、茅根裕司、永井誠、羽澄昌史、樋口岳雄他QUIETコラボレーション 高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所 CMBグループ 回転 金属板(アルミ、ステン …) エコゾーブ(77K) 断熱容器 クライオスタット 受信機 4. 新型テストシステム • QUIET Phase-II (2012開始予定) 固定 受信機 Phase-II(概念図) 新型システムを使用した時に期待される 時系列データ (上:パワー、下:Q/U) CMB偏光の精密測定を通して初期宇宙の解明を目指すQUIET実験は、偏光検出器の数を現在のおよそ16倍にあたる~1600個に増強してインフレーション起源のBモード偏光をr~0.02まで探索するQUIET Phase-IIを計画し、2012年の観測開始を目指して準備を開始している[1]。 Phase-II実現に向けた新たな課題の一つに、1000個を越す大量の偏光検出器の制御パラメータの最適化がある。 金属 (300K) 輻射シールド 4K〜80K 輻射シールド 〜20K 偏光波 冷凍機 Phase-IとPhase-IIの比較 • 冷凍機一体型20K偏光源 • 現在開発中の偏光検出器試験システムの概要を上図に示す。 • 新しいシステムの基本原理は先に述べたミニプレート法と同じであるが、システム全体をクライオスタット内部に入れ、輻射源は液体冷媒を用いずに • 冷却する。液体冷媒を用いないため取り扱いがしやすく、さらに~20Kという観測サイトの空に近い温度の輻射を発生できる。また、輻射源(エコソーブ)の温度はシールドの温度を通して変える事ができるため、偏光の強度をダイナミックに調節する事ができる。 • さらに、2つに異なる温度の輻射源を使う事で、偏光感度の他に、基本的なモジュールの特性である、Y-Factorや雑音温度を測る事ができる。 2. 偏光検出器 • QUIET偏光検出器 (HEMT-based Polarimeters on chip) • QUIETでは、JPLの開発したHEMT偏光検出器チップ(以下HEMTモジュール)を用いている。チップ化により1モジュールあたり従来の~1/10の大きさ(~3cm角)を達成し、Phase-Iでは91個(世界最大)のHEMT偏光計アレイを実現している。 • 偏光検出の原理 • HEMTモジュール内での信号の流れを右下図に示す。焦点面に入ってきたCMBはOMTによって左右円偏光に分けられモジュールに入る(LとR)。それぞれの信号はHEMTで増幅され、途中4kHzと50Hzで位相が180度変わった後(モジュレーション)カプラーで再び合成される。合成された信号は左右の入力信号の和と差(90度カプラー後は片方にiがかかる)になっており、モジュレーション前後のダイオードの出力の差を取る事で、ストークスパラメータQ/Uを同時に測定する事ができる。 • HEMTモジュールの最適化 • HEMTを用いた偏光器はWMAP,CAPMAP等の実験で使用実績もあり、技術的には確立している。しかし、下図の通りQUIETのHEMTモジュールはゲート電圧等の調整すべきパラメータがモジュール毎に10個あり、それらをうまく調整しないと性能を十分に発揮しない。そのため、観測前にすべてのモジュールのバイアスパラメータの最適化を行う必要がある。 5. システムの構成要素と開発の現状 • GM冷凍機 (RDK-408S, SHI) • 本システムでは、電波吸収体の冷却に住友重機械工業のGM10K冷凍機(RDK-408S)を用いる。購入後に行った熱負荷試験で期待通りの冷却能力を有している事を確認している。 • 初段 35W@40K (カタログ値は35W@45K) • 二段目7.5W@10K (カタログ値は5W@10K) • 電波吸収体(エコソーブ) • 用いる電波吸収体は冷凍機(伝熱)で冷却する為に、熱伝導率の良い物を使用する必要がある。そこで本システムではARCADE実験でも実績のあるEmerson & Coming 社のCR-112を用いる[2]。エコソーブは反射を抑える為に、写真(右)の様にピラミッド型に成形する。 • 冷却試験 • 成形後にGM冷凍機を用いて冷却試験を行い、期待通り20Kまで冷却可能な事を確認した。 • 温度制御 • エコソーブの温度は基板の裏側からヒーターを用いて熱負荷を与えてコントロールする。この方法で20K~300K以上まで温度を制御できる事を確認し、かつエコソーブからの輻射パワーが期待通り温度に比例する事を確認した。 エコソーブ 形 サイズ 制作個数 : CR-112 : ピラミッド型 : 20x20x58(高さ) : ~10 (/1日) ゲート OMT HEMT検出器 ドレイン QUIET 偏光測定の原理 3cm 3. 偏光検出器の最適化 Phase-Iで使われた偏光源 ミニプレート法: 低温の輻射源を金属板で反射して偏光波を作る ○ 偏光強度が既知 × 冷媒を常に補充する必要が有る × チリの空の温度を再現していない。 6. まとめと今後の予定 クライオスタット(モジュールはこの中) • QUIET Phase-IIに向けた偏光検出器の制御パラメータ最適化のためのテストシステムの開発を行っている。 • 新しく開発するテストシステムは、冷凍機を用いてエコソーブを冷却する事で、従来のテストシステムで実現できなかった24時間連続運転とシステムの完全自動化を実現する。 • 現在、伝熱で冷却ができかつ広い範囲で温度制御(20~>300K)可能なエコソーブの開発及び原理検証を終え、これから実際のQUIETのモジュールを用いてシステムの試験を行う予定である。 偏光検出器のバイアスパラメータの最適化は、パラメータを変えながら一定強度の偏光波を測定して、最も感度が高くなるパラメータの組み合わせを求める事で行う。 Phase-Iでは、偏光源として上図の偏光源(ミニプレート法)を用いて最適化を行っていた。ミニプレート法は、偏光強度が既知であり絶対感度(μK√s)が求められるという点で優れているが、最適化作業の間(〜半日)液体冷媒を常に補充する必要が有るという点で体力的•精神的に困難な作業である。また入射波の温度が77Kと実際の空の温度とかけ離れている。これらの問題点や要求を満たす新しい最適化の為のシステムがPhase-II実現に向けて必須である。 References [1] O.Tajima et al, in this workshop [2] A.Kogut et. al, Astrophys.J. Supplement Series, 154:493-499, 2004