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2012 年 3 月 31 日:札幌. 本日の講演のパワーポイントファイルご希望の方は下記へメールを: matsuzak@maple.ocn.ne.jp. 関心を持ったきっかけ. ●第三回 「チェルノブイリ事故との比較」 ( 平成 23 年 4 月 15 日 ) 長瀧 重信・長崎大学名誉教授(元(財)放射線影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長) 佐々木 康人・(社)日本アイソトープ協会 常務理事(前(独) 放射線医学総合研究所 理事長).
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2012年3月31日:札幌 本日の講演のパワーポイントファイルご希望の方は下記へメールを: matsuzak@maple.ocn.ne.jp
関心を持ったきっかけ ●第三回 「チェルノブイリ事故との比較」 (平成23年4月15日) 長瀧 重信・長崎大学名誉教授(元(財)放射線影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長) 佐々木 康人・(社)日本アイソトープ協会 常務理事(前(独) 放射線医学総合研究所 理事長) 原発内で被ばくした方 *チェルノブイリでは、134名の急性放射線障害が確認され、3週間以内に28名が亡くなっている。その後現在までに19名が亡くなっているが、放射線被ばくとの関係は認められない。 事故後、清掃作業に従事した方 *チェルノブイリでは、24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで、健康に影響はなかった。*福島では、この部分はまだ該当者なし。 周辺住民 *チェルノブイリでは、高線量汚染地の27万人は50ミリシーベルト以上、低線量汚染地の500万人は10~20ミリシーベルトの被ばく線量と計算されているが、健康には影響は認められない。
チェルノブイリの放射能汚染地図 郡山市・福島市100~600kBq/㎡ 東京10~30kBq/㎡ [kBq/m2]= 282×[μSv/h] 年間ミリシーベルト= kBq÷32
チェルノブイリと福島の放射能汚染地図:縮尺同チェルノブイリと福島の放射能汚染地図:縮尺同 [kBq/m2]= 282×[μSv/h]
3.11以前 • 日本の食品のセシウム量は大部分が0.1ベクレル/kg以下だった • 日本の土のセシウム量は大部分が10ベクレル/kg以下だった • 日本人の食品からのセシウム摂取量は0.02ベクレル/日をはるかに下回っていた
Bq/m2=Bq/kg×20~75 もともと土壌は10Bq/kg以下が大半 http://www.kankyo-hoshano.go.jp/01/0101flash/01010621.html
Bq/m2=Bq/kg×20~75 もともと土壌の放射線量は一桁Bq/kg 土壌(5~20cm)中のCs-137の調査地点と測定値(2009年度 年間平均値) 単位:Bq/kg http://www.kankyo-hoshano.go.jp/01/0101flash/01010622_2.html
東京の土壌のセシウムは200~300倍に増加 土壌中の放射性物質の測定結果について 平成23年9月20日東京都 福祉保健局 健康安全研究センターでは、文部科学省からの委託事業(環境放射能水準調査)により、年1回、土壌中の放射性物質のモニタリングを行っています。 このたび、調査結果がまとまりましたのでお知らせします。 土壌採取場所:東京都健康安全研究センター(東京都新宿区百人町) 試料採取日:平成23年9月6日 測定器種類:ゲルマニウム半導体検出器 (参考) 過去5年間(平成18年度から平成22年度)の測定結果 深さ0~5センチメートルの土壌: ヨウ素131、セシウム134はND(不検出)、セシウム137は2.00Bq(ベクレル)/キログラム~3.67Bq(ベクレル)/キログラム 深さ5~20センチメートルの土壌: ヨウ素131、セシウム134はND(不検出)セシウム137は2.3Bq(ベクレル)/キログラム~3.37Bq(ベクレル)/キログラム http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/09/20l9k300.htm
福島を中心に土壌のセシウム濃度が数千~数万倍に福島を中心に土壌のセシウム濃度が数千~数万倍に 農地土壌の放射性物質濃度 農林水産省は28日、東京電力福島第1原発事故に伴う平成24年産のコメの作付けについて、23年産のコメの調査で100ベクレル超500ベクレル以下の放射性セシウムが検出された地区でも、全袋調査など一定条件を満たせば作付けを認める方針を発表した。 2012.2.28
もともと食品の放射線量は1Bq/kg以下 2000年度調査 食品に含まれる137Cs ●:本調査結果 過去の調査結果(JCAC2000)▼:最小値■:平均値▲:最大値 http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food/download/cs137plot2004.pdf
もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下 日常食中のセシウム137の経年変化
「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目的とする食品衛生法の観点から、当分の間、別添の原子力安全委員会により示された指標値を暫定規制値とし、これを上回る食品については、食品衛生法第6条第2号に当たるものとして食用に供されることがないよう販売その他について十分処置されたい。 」 もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf#search='厚生労働省 暫定基準値'
もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下 当面 毎日110ベクレルまでオーケーとされた 穀類や肉、魚、野菜などの「一般食品」は、暫定基準値の1キロあたり500ベクレルから100ベクレル、「牛乳」は200ベクレルから50ベクレル、「乳児用食品」は50ベクレルへと厳格化された。消費量が多い「飲料水」は200ベクレルから10ベクレルと、もっとも厳しくなった。 週刊朝日 2012年4月6日号
体内セシウム蓄積量(ベクレル) 毎日10ベクレル食べる ICRP報告書資料 1日だけ1000ベクレル食べた 毎日1ベクレル食べる 日数 http://www.icrp.org/docs/P111(Special%20Free%20Release).pdf
もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下もともと日本人のセシウム摂取量は0.1ベクレル/日以下 食品由来の放射線被ばく: 3.11以前のレベルを維持するべきである
黄緑まで直ちに居住可能としたいのか? http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/leaf_soil_20110916.pdf
「100mSv以下の被曝は心配ない」のか? • ↓ • 100mSv以下でもガン死リスクが増える事が次第に明らかになってきた • ガン以外のさまざまな病気も100mSv以下で増えることが分かってきた
スウェーデンの疫学調査 • ベラルーシの疫学調査 • 原発労働者の疫学調査 • 原爆被爆者の疫学調査
原爆被ばくで1000mSvでガン50%増。ところが、原発事故では…原爆被ばくで1000mSvでガン50%増。ところが、原発事故では… ゴメリ(ベラルーシ) 11mSvで 14%増(約30倍) スウェーデン 20mSvで 11%増(11倍) ちなみに、放射能汚染度は ゴメリ≧福島市・郡山市>スウェーデン
ゴメリ:14年間で11mSv被ばくし、肺癌が14%増えた。ゴメリ:14年間で11mSv被ばくし、肺癌が14%増えた。 チェルノブイリに起因するガンの特徴は、潜伏期が認められないことと、非常に大きな被曝リス ク係数である.(今中注:たとえば、図11 の解析結果に基づくと、fiiting 直線の傾きは1mSv 当 り0.014、つまり1Sv 当り14 の相対リスク過剰となる。広島・長崎データの場合の肺ガン死相対 リスク過剰は1Sv 当り0.5 程度なので、Malko の値は約30 倍大きい。) http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No91/Malko_comments.pdf
原爆被ばく者、チェルノブイリ被災者、原発労働者のERRの比較原爆被ばく者、チェルノブイリ被災者、原発労働者のERRの比較 ●:原爆被爆者 ●;チェルノブイリ被災者・原発労働者 ERR=1Gy当たりの超過死亡リスク
スウェーデン:ガン:20mSvで11%増 (1000mSvなら550%増) +5.5%/10mSv ほとんどが100kBq/㎡以下の汚染 数字はkBq/㎡
超過相対リスク トンデルのデータ 100mSv (Gy≒Sv)
「被ばく量が同じなら、医療被ばくは原爆の6倍のガンリスク」という研究「被ばく量が同じなら、医療被ばくは原爆の6倍のガンリスク」という研究 10mSvの被ばくでガンが有意に3%増加 Eisenberg他. CMAJ. 2011年3月 ↓ 1000mSvなら300%増加
「低線量X線検査を受けた 急性心筋梗塞患者のガンリスク」 マギール大学(カナダ・モントリオール)チームの論文 血管造影、CT等のエックス線を用いた検査・治療を受けた心筋梗塞患者82861名を5年追跡。 12020名のガン発生。 10mSv被ばく群で有意にガンリスクが3%増加。 被ばくが10mSv増す毎にガンリスクが有意に3%ずつ増加(40mSvで12%増加)。
心臓疾患検査・治療に伴う 低線量X線被ばくと発ガンリスク 発ガンリスク +3%/10mSv (+12%) 1.119 1.200 (+9%) 1.088 (+6%) 1.058 (+3%) 1.028 1.100 1.000 0.900 0.800 10mSv 20mSv 30mSv 40mSv 累積線量(mSv) Eisenberg他. CMAJ. 2011 (被ばく0mSvの発ガンリスク=1.000;縦棒=2SD)
ただし、 原爆被ばくの6倍の発ガンリスクは高すぎる 5年間以内にガンが増加するのは早すぎる 等の批判がある 今後のさらなる調査が待たれる。
日本の原発労働者でも同様のガンリスク増加が報告された。日本の原発労働者でも同様のガンリスク増加が報告された。
日本の原発従業員等の全悪性腫瘍 累積線量群別O/E比および傾向性の検定結果.日本の原発従業員等の全悪性腫瘍 累積線量群別O/E比および傾向性の検定結果. http://www.rea.or.jp/ire/pdf/report4.pdf 文部科学省委託調査報告書 原子力発電施設等放射線業務従事者等に係る疫学的調査 (第Ⅳ期調査 平成17 年度~平成21 年度) 観察値と期待値の比(O/E比) 傾向性の片側検定p=0.032(有意) 1.20 1.10 1.00 0.90 +2%/10mSv 0.80 <10 10- 20- 50- >100 累積線量群(mSv)
ただし、線量と喫煙率に正の相関があるようなので、結論はまだ。ただし、線量と喫煙率に正の相関があるようなので、結論はまだ。
LSS第14報 http://www.bioone.org/doi/pdf/10.1667/RR2629.1 原爆被爆者の追跡調査 LSS第14報
LSS第14報 固形ガン 超過相対リスク(死亡) 加重大腸線量(グレイ≒シーベルト)
LSS第14報 100mSv以下はもう少しで有意なのだが… 超過相対リスク 100mSv (Gy≒Sv)
LSS第14報 線量反応線がリスクゼロの線と交わる点(閾値)がどのあたりにあるかを推定すると… http://ameblo.jp/knoritoshi/entry-11032999776.html
LSS第14報 閾値が0.0Gy(すなわち閾値なし)というのが、最ももっともらしい(最尤)推定値である。 235ページ左段
LSS第14報 0からの線量範囲別超過相対リスク:100mSv以下では95%信頼区間の下限が0を下回るが、リスク値自体は増加する。あと少しで有意となる線量範囲も複数見られる( )。 超過相対リスク(死亡) 加重大腸線量(グレイ≒シーベルト)
「100mSv以下の被曝は心配ない」 問題 • 低線量でもそれなりにガン死のリスクがあると言う前提で対応すべきだろう。 • 低線量ではガン以外の障害が発生していることを是非とも考慮に入れるべきだろう。
原爆被害の全貌が明らかになるためには 40~50年かかった
LSS第14報 呼吸器疾患 全非ガン性疾患 循環器疾患 消化器疾患 全固形ガン 長期追跡でグラフが立ち上がってくる: 被ばく20年後までは、低線量でかえって死亡が減る、あるいは閾値があるように見えるデータになっていた。被ばくを生き抜いた集団を観察したことによるバイアスと考えられる。
「100ミリシーベルト以下では健康被害はないのだから、20ミリシーベルトを下回ったなら、十分安全に住めるのだ」と言うが、、、「100ミリシーベルト以下では健康被害はないのだから、20ミリシーベルトを下回ったなら、十分安全に住めるのだ」と言うが、、、
日本放射線影響学会 福島原子力発電所の事故に伴う放射線の人体影響に関する質問と解説 (Q&A) 第19問への答 …従って、長期にわたって積算量として100ミリシーベルトを被ばくした場合、がん罹患リスクが男性で1.35%*注2、女性で1%上積みされると推定され、それほど大きな値ではないことがわかります。疫学調査では、線量が低くなると、放射線を被ばくした人々と放射線を被ばくしていない人々の発がん率の差はほとんど検出できなくなります。従って、居住が制限された地域以外で居住する限り被ばくによる発がんリスクを心配することはないと思われます。 *注1:原子力安全委員会が公表した「屋内退避等の有効性について」によれば、屋内での生活によって、外部被ばくおよび内部被ばく量が4分の1から100分の1程度まで低減するとされています。*注2:100ミリシーベルトの被ばくで予想される日本人男性の発がん上乗せ分=0.5(1,000ミリシーベルトの放射線の被ばくで増加する発がん頻度)x0.1(線量の減少分)x0.5(低線量被ば くによる発がん低減率)x0.54(男性の自然発がん率)=0.0135 仮にLSS14に沿って考えてみると
仮にLSS14に沿って考えてみると 低線量被ばくによるガン死の リスクの大きさの説明
仮にLSS14に沿って考えてみると 「1シーベルトでガン死が50%増加(原爆被爆者調査)」 ↓ 全員が1シーベルト被ばくすると、その集団からガン死が50%多く発生する(これが唯一のエビデンスです) ↓ 30%がガン死する集団(今の日本人男性)なら、さらに15%がガン死する(ICRPはガン死リスクを半値の五割引としている) ↓ 全員が100mSv被ばくすると、1.5%ガン死が増える ↓ 20mSvなら0.3%(こどもは2~3倍)ガン死が増える ↓ さて、0.3%ガン死が増えることは、無視しても良いのか、それとも大変な事なのか?
仮にLSS14に沿って考えてみると 0.3%=10万人中300人が放射線被ばくでガン死することは、社会的に許容されるか? ↓ 10万人当たりの生涯死亡リスクはどうなっているか
10万人当り生涯死亡リスク 日常生活の受動喫煙 10000~20000 食品中ダイオキシン アスベスト敷地境界基準 20mSvおとな 残留農薬基準 20mSvこども 20mSvこども 翌年1000 年1000 年300 100 0 6
仮にLSS14に沿って考えてみても 放射線被ばくの基準を緩めると、残留農薬、ダイオキシン、アスベストなど食品の安全と環境汚染防止のための規制がすべてナンセンスになってしまう。
放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない 妊娠中の放射線被ばくと閾値
放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない放射線被ばくが起こす病気はガンだけではない 放射線被爆と先天異常 <日本産婦人科学会> 表1 主な先天異常と胎児発育期間およびしきい値 http://www.jaog.or.jp/japanese/jigyo/SENTEN/kouhou/hibaku.htm (1)Kasama T, Ota K.:Congenital Anomalies 42,10~14,(2002) [文献(1)一部改変]