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帯電微粒子のダイナミックスと統計. 「プラズマ科学のフロンティア 2004 」研究会 8 月 19 日 NIFS. 名古屋大学大学院工学研究科エネルギー理工学専攻 庄司多津男. クーロン相互作用の強い粒子集団 自然界、実験室の強結合プラズマ 微粒子の帯電と閉じ込め実験 帯電微粒子の揺らぎと統計 ブラウン運動と非ボルツマン統計. 強結合プラズマとその特徴. クーロン相互用が粒子の熱運動エネルギーより大きいプラズマを一般に強結合プラズマと呼ぶ。クーロン相互作用が粒子の振る舞いに大きな役割を占めるため、ボルツマン統計が保証されない。.
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帯電微粒子のダイナミックスと統計 「プラズマ科学のフロンティア2004」研究会 8月19日NIFS 名古屋大学大学院工学研究科エネルギー理工学専攻 庄司多津男 • クーロン相互作用の強い粒子集団 • 自然界、実験室の強結合プラズマ • 微粒子の帯電と閉じ込め実験 • 帯電微粒子の揺らぎと統計 • ブラウン運動と非ボルツマン統計
強結合プラズマとその特徴 クーロン相互用が粒子の熱運動エネルギーより大きいプラズマを一般に強結合プラズマと呼ぶ。クーロン相互作用が粒子の振る舞いに大きな役割を占めるため、ボルツマン統計が保証されない。
自然界、実験室の強結合プラズマ log n [cm-3] 固相 30 白色矮星 液相 気相 20 固体内プラズマ 高気圧アーク放電 10 磁気核融合プラズマ レーザー冷却 0 -5 10 5 -10 10 log T[eV] /(q/e)2
強結合プラズマの実験 コロイド溶液実験の特徴 安定した結晶が長時間保持できる 化学的な荷電方法のため荷電量をコントロールしにくい 粒子が水中にあるため配位時間が長い 大気中帯電微粒子の閉じ込めの実験 様々な微粒子の安定した長時間閉じ込めとが可能 電荷量が正確に制御できる 粒子の揺らぎ、統計などの観測が容易である レーザー冷却イオン実験の特徴 Γをレーザーで容易にコントロールできる 冷却と観測手段が複雑 ダストプラズマ実験の特徴 粒子と環境のガスとの摩擦が小さく、粒子の揺動が観測できる シース中のイオン流などの複雑な背景プラズマの影響を受ける
液体中の微粒子の帯電と閉じ込め実験 0.5mm V0<1kV 36mm
絶縁油中の微粒子の重力方向閉じ込め v0 電荷量Qは上下の電圧を調節することにより、容易に測定できる
荷電粒子の径方向の閉じこめ Z r 電気的なポテンシャル等高線(1800V) Z=0.5mmの液面上のポテンシャル
液面近傍に出来た帯電微粒子の結晶 1.25mm 10 m シリカ粒子
二体分布関数 粒子浮上後48時間後
クーロン結晶中の刃状転位の移動 2.5min after
ブラウン運動 ランダムウオークする互いに独立な粒子が多数存在する時 dxi /dt=i(t) , i(t) : ランダムな外力で時間の相関の ない平均が0の確率分布で定義されている。 摩擦係数 i(t) j(s) >=2Mij(t-s) ( 強度スペクトルi const) (1)-> xi (t)-xi (0)= (3)ー> <( xi (t)-xi (0))2 >=2Mt -> D=M
ブラウン運動のクーロン相互作用に対する影響ブラウン運動のクーロン相互作用に対する影響 閉じ込めポテンシャルに拘束されたブラウン運動 クーロン相互作用するブラウン運動
ブラウン運動のフラクタル次元 フラクタル次元の導出概略図 t=0 の点を原点としてそれぞれの時間ごとの座標を求める。 任意の視野Lを半径として、測定した時間内でその中にいる粒子の数Nを数える。 円の半径(L)を増やして(この場合、2倍ずつ増やしていった)Nを数ることを繰り返し、なるべく多くのデータを集める。 得られた値を両対数グラフで表し、直線上に乗れば与えられたパターンはL>1で自己相似であり、その傾きがフラクタル次元となる。
。 O(x,y) y x 0 帯電微粒子のブラウン運動
Tsallis統計 C.Tsallis, J.Stat. Phys. 52,479(1992) 非加法的エントロピーの導入 Boltzmann 最大エントロピー原理にもとづく平衡分布 べキ乗分布
r[mm] 2 1 t[s] 0 0.1 0.2 0.3 -1 -2 Z[mm] 2 1 t[s] 0.1 0.2 0.3 -1 -2 大気中での粒子の閉じ込め 大気中の摩擦力によるr,z方向の減衰の様子 真空中では減衰しない 大気中では摩擦によって四重極中心に落ちる
30μm,真空中 12000 30μm,大気中 不安定領域 8000 AC電圧[V] 4000 安定領域 0 5 15 25 35 周波数[Hz] 空気中でのトラップ安定領域 空気の粘性抵抗のため真空中よりも安定領域が拡大する 粘性抵抗のため安定領域が拡大
トラップされた微粒子 トーラス方向にはAC電場の影響がなく粒子間のクーロン相互作用の働きが大きい トーラス方向の微粒子群の振る舞いを観測
トーラス方向の速度分布 ガウス分布 Tsallis分布
Tsallis分布のq値の依存性 q=1 ガウス分布
トラップされた微粒子 (画像) 粒子:アルミナ(53-72m) VDC=2.5 kV VAC 0-p=2.4kV, 30Hz 粒子:ガラスビーズ(30m) VDC=5 kV VAC 0-p=2.8kV, 27.3Hz 電極 電極 7.5mm
電荷量の測定 電場Eにより荷電粒子が上昇 粒子は終端速度vに達する q b=6a 粘性係数 a: 微粒子径
G値と粒子間距離のゆらぎ 粒子間距離のゆらぎの標準偏差を平均粒子間距離で規格化したもののG依存性
AC 閉じ込めポテンシャル Z AC confinement potential r Z r Z r
空気中で閉じ込められた荷電微粒子 3個の微粒子 (径50ミクロン) 4個の微粒子 多数 個の微粒子
まとめ ● 1-数10μmの微粒子を帯電させ油液中および大気中にDCおよび AC電場を用いて安定に閉じ込めることができた。 ● 電荷および粒子間距離の制御により~0程度の強結合プラズマ が実現された。 ● 微粒子のブラウン運動および揺らぎの速度分布よりクーロン相互作用 の粒子統計におよぼす影響が調べられ、ボルツマン統計からのずれが 調べられた。