360 likes | 830 Views
はじめに. 目次. はじめに 目次、研究目的 現状分析 ビール業界の不況、ビール消費量推移、アルコール嗜好性推移、ビールを嫌う理由 苦いビールを好きになるタイミング、若者の飲み方、宅飲みと居酒屋のイメージ、ビール嗜好性と意識 リサーチ・クエスチョン 現状分析まとめ、リサーチ・クエスチョン 先行研究 先行研究紹介、マッチョ・カルチャーとフェミニン・カルチャー、飲みのフェミニン化 仮説設定 RQ に対する考察、先行研究における因子分類、仮説1~3、仮説4、検証モデル1、検証モデル2 検証
E N D
はじめに 目次 はじめに 目次、研究目的 現状分析 ビール業界の不況、ビール消費量推移、アルコール嗜好性推移、ビールを嫌う理由 苦いビールを好きになるタイミング、若者の飲み方、宅飲みと居酒屋のイメージ、ビール嗜好性と意識 リサーチ・クエスチョン 現状分析まとめ、リサーチ・クエスチョン 先行研究 先行研究紹介、マッチョ・カルチャーとフェミニン・カルチャー、飲みのフェミニン化 仮説設定 RQに対する考察、先行研究における因子分類、仮説1~3、仮説4、検証モデル1、検証モデル2 検証 検証方法、集計結果、結果1、結果1(簡略図)、結果2、結果2(簡略図)、仮説に対する考察1,2 インプリケーション インプリケーション、フェミニン・イメージ付け まとめ 今後の研究課題、結論、参考文献
はじめに 研究目的 10ゼミテーマ 【不況に打ち勝つマーケティング】 今、ビール業界は不況に陥っている。 その最も大きな原因の一つに若者のビール離れが起因していると言われる。ビール各社は若者のビール離れに対処しようとしているが未だ有効な方策も打ち出せておらず、原因も明確ではない。 本研究では若者のビール離れの原因を究明し、それに対する有効なアプローチ方法を提案する。
現状分析 ビール業界の不況 ビール+発泡酒+新ジャンル 課税数量の推移(大手5社計) (キリン、アサヒ、サッポロ、 サントリー、オリオン) 2003年以前は 新ジャンル実績は 0.3万kℓのため、 グラフには表れていない 出所:キリン(株)『国内酒類事業データ集』
現状分析 ビール消費量推移 -99円/年 ビールへの平均支出金額の推移 出所:総務省「家計調査年報」 -153円/年 前年代推移は景気状況に影響されている面もあるが20代は大きく右肩下がり ≪自宅でビール類を飲まない20代≫ (2007年4月) 50.6% (2003年6月) 39.4% N=1207(20代) 出所:日経産業地域研究所 若年層の「飲まない」派が急増している
現状分析 アルコール嗜好性推移 最も好きなお酒は何ですか?(20代への調査) 1998年 2004年 N=8946 出所:キリン「20代のお酒の飲み方」に関する調査(2004年10月) 20代のアルコール嗜好性が苦いビールから 甘めのアルコール飲料へ推移している
現状分析 ビールを嫌う理由 ビールが嫌いな人の「ビールが嫌いな理由」 出所:Media Shakers(2009年) 対象(M1層・20~34歳男性) N=182 ビールを嫌いな理由で最も多いのはビールテイストが嫌いだということ!
現状分析 苦いビールを好きになるタイミング ビールを好きになったタイミング 対象(M1層・20~34歳男性) ビール好きの人 N=703 出所:Media Shakers(2009年) ビールを好きになった人の多くは 何らかの理由があってビールを飲み続けた結果好きになっている
現状分析 若者の飲み方 最近特徴的な若者のお酒の飲み方 • 一人宅飲み • ながら飲み 若者に「宅飲み」が浸透した理由 ①安上がり ②「マイルーム型」の生活志向 知らない人との付き合いが煩わしく、初めての場所は落ち着かない。自宅で親しい人と飲むのが心地いい 道都大:若者文化を研究する和泉昌俊准教授(社会心理学)
現状分析 宅飲みと居酒屋のイメージ 宅飲みと居酒屋での飲みのイメージの違いをKJ法でまとめてみた 居酒屋(外)での飲み会 • 会話が弾む • 本音が聞ける • 交流ができる • テンションが高くて楽しい • アルハラ、飲みがキツイ • 関係が面倒 • 汚い、酔っ払い • 金額が高い • ご飯がおいしくない • 最初はビール • 金曜土曜 • 会計係 • イベント的 • 屋台、バー 宅飲み • 仲の良い人だけ • 居心地がいい • 時間気にしない • 自由、礼儀がいらない • 愚痴をこぼせる • 安い • 家を気にする • 騒げない • 酒に限りあり • グダグダ • せまい • 少人数 • 飲む以外のことをする • 静か • 生活感 • 一人暮らし 従来の飲みにケーション的な居酒屋よりも宅飲みでは友達と自由に気ままにまったり飲める
現状分析 ビール嗜好性と意識 自分よりも上の世代と飲みに行く頻度 「会社の人と飲みに 行くのは苦じゃない人」の割合 出所:Media Shakers(2009年) 若者でビールが好きな人と嫌いな人では飲みニケーションに対する意識に大きな差がある
RQ 現状分析まとめ ビール業界はビールの不振で不況 若者のビールを飲まない派の急増 苦いビールから甘い低アルコール飲料へスイッチ ビールを嫌う最大の理由は「ビールテイスト」 ビールを好きになるには多少の無理をしても飲み続ける意識が必要 飲みの意識は「マイルーム志向」へ ビール嫌いの若者は飲みニケーションが苦手 若者の無理をしてでもビールテイストに慣れようとしない姿勢と、飲むことに対する意識や価値観の変化が「若者のビール離れ」を引き起こしている
RQ リサーチ・クエスチョン 飲むことを介したコミュニケーションへの見方や価値観の変化がアルコール飲料への嗜好性にも影響するのか?
先行研究 先行研究紹介 『力の誇示・英雄願望(マッチョ・カルチャー) の発露としてのカラオケ』 ーJGSS-2001年データによるカラオケ選択とプレイ頻度に関する仮説実証研究ー 谷岡一郎(2006) カラオケ:仮想空間(ヴァーチャル空間)において、主人公、英雄となる 実力によって拍手喝采を得ることが重要な要素 マッチョ・カルチャーの主成分:「力の誇示・英雄願望」 カラオケ頻度はいわゆるマッチョ・カルチャーと関係があるのではないか? プレイヤー (力の誇示・英雄願望が強い) カラオケ (力の誇示・英雄願望の発露の場) プレイ頻度に増加の影響
先行研究 マッチョ・カルチャーとフェミニン・カルチャー マッチョ・カルチャー (男性的文化) フェミニン・カルチャー (女性的文化) • 平等的役割分担傾向 • 暴力否定傾向 • VICE嫌悪傾向 • 性の開放否定傾向 • 保守的傾向 • 危険回避型行動傾向 • 内向性 飲みにおいてもマッチョ・カルチャー的意識や フェミニン・カルチャー的意識が影響しているのではないか? 男性的役割肯定派 有形力の行使肯定傾向 VICE嗜好性 性の開放肯定傾向 上昇指向/ギャンブル性向 危険追求型行動傾向 外向性
先行研究 飲みのフェミニン化 マッチョ・カルチャー (男性的文化) フェミニン・カルチャー (女性的文化) • 平等的役割分担傾向 • 暴力否定傾向 • VICE嫌悪傾向 • 性の開放否定傾向 • 保守的傾向 • 危険回避型行動傾向 • 内向性 従来の飲み会のイメージ 宅飲みのイメージ 自由な飲み方 乾杯はビールに決まってるだろう! 「ビールは苦いから嫌い」 「男は黙って苦いビール」 マッチョ・カルチャー的 フェミニン・カルチャー的 男性的役割肯定派 有形力の行使肯定傾向 VICE嗜好性 性の開放肯定傾向 上昇指向/ギャンブル性向 危険追求型行動傾向 外向性
仮説設定 RQに対する考察 飲みに対する意識変化 飲むことのコミュニケーション価値を見出していない 宅飲みで見られる内向性 マッチョ・カルチャーからフェミニン・カルチャーへの移行が発生している 最近の若者の フェミニン・カルチャー的な意識が 男・大人は苦いビールを飲むという 固定観念を弱らせ、苦いビールに慣れる機会が 減少しているのではないだろうか
仮説設定 先行研究における因子分類 先行研究ではマッチョ・カルチャーを構成する7要素は4つの因子でくくられることが分かっている。 伝統的観念 力の誇示・英雄願望 性リベラリズム 外向性 これらのうち特に「ビールを飲む動因」に関連していると考えられる価値観と因子を結びつけ3つの仮説を構築した。 男性的役割肯定派 有形力の行使肯定傾向 VICE嗜好性 上昇指向/ギャンブル性向 危険追求型行動傾向 性の開放肯定傾向 外向性
仮説設定 仮説1~3 【伝統的観念】は「男は黙って苦いビール」のような男性文化を支持すると考えられる。 (仮説1)「伝統的観念」が強い人はビールを飲む動因が強い 【力の誇示・英雄願望】は「苦いビールを飲めることはカッコイイ」というような男性文化を支持すると考えられる。 (仮説2)「力の誇示・英雄願望」が強い人はビールを飲む動因が強い 【外向性】は従来の男性文化の強い外向的な飲み会を支持すると考えられる。 (仮説3)「外向性」が強い人はビールを飲む動因が強い
仮説設定 仮説4 仮説1~3まで マッチョ・カルチャーとマッチョ・カルチャー的なビールを飲む動因に正の因果関係がある マッチョ・カルチャーの強い人がマッチョ・カルチャーの発露としてビールを飲むとした場合、フェミニン・カルチャーの強い人はフェミニン・カルチャーに適したビールなら飲みたくなると考えられる。 (仮説4)フェミニン・カルチャーが強い人はフェミニン的なビールを支持する
仮説設定 検証モデル1 マッチョ・カルチャーとビールを飲む動因
仮説設定 検証モデル2 マッチョ/フェミニンの主成分とビールの因果関係
検証 検証方法 マッチョ/フェミニンカルチャーを測定する質問項目とビールの飲酒状況について問うアンケートを実施。(当てはまるかを5段階で評価) 集計した後、共分散構造分析にかけ観測変数と潜在変数の因果関係を考察する。 ビールの飲酒状況については3つの質問項目を用意。 宅飲みでビールを買って飲む場合どのビールを飲みたいかを調査。 乾杯はビールで済ますべきだ 大勢で飲むときにはビールで合わせるべきだ ビールを飲めないのは格好悪い リフレッシュした気分になるビール リラックスした気分になるビール ストレス解消ができるビール 開放的な気分になるビール 陽気に盛り上がれる気分になるビール 癒された気分になるビール 爽快な気分になるビール
検証 集計結果 対象:都内大学生(男女)224人 男性139人 女性85人 調査期間:2009年11月2日~11月9日の一週間 平均年齢20.33歳
検証 結果1 マッチョ・カルチャーとビールを飲む動因モデル
検証 結果1(簡略図) 簡略化して図示する 「伝統的観念」、「力の誇示・英雄願望」「外向性」のいずれもが「ビールを飲む動因」と正の因果関係 GFI:0.910AGFI;0.871 ⇒モデルの適合性が示された
検証 結果2 マッチョ/フェミニンの主成分と各ビールの因果関係 モデル
検証 結果2(簡略図) マッチョ・カルチャー 力の誇示・英雄願望 フェミニン・カルチャー 安心・ゆとり志向 爽快ビール リラックスビール .774 .499 リフレッシュビール 癒しビール .761 .328 リラックスビール リフレッシュビール .747 .011 陽気・盛り上げビール 爽快ビール .743 -.177 開放的ビール ストレス解消ビール .738 -.222 ストレス解消ビール 開放的ビール .708 -.234 癒しビール 陽気・盛り上げビール .648 -.476 • マッチョ・カルチャーではどのビールとも同じくらいの正の因果関係 • フェミニン・カルチャーでは「リラックス」「癒し」のみが正の因果関係
検証 仮説に対する考察1 (仮説1)「伝統的観念」が強い人はビールを飲む動因が強い (仮説2)「力の誇示・英雄願望」が強い人はビールを飲む動因が強い (仮説3)「外向性」が強い人はビールを飲む動因が強い マッチョ・カルチャーを構成する3つの主成分はビールを飲む動因に正の関係があることが証明。 従来のビールの飲み方は マッチョ・カルチャーに起因している
検証 仮説に対する考察2 (仮説4)フェミニン・カルチャーが強い人はフェミニン的なビールを支持する フェミニン・カルチャーと「リラックス」「癒し」を感じられるビールに 正の因果関係があることが証明 フェミニン・カルチャーの人にもビールに フェミニン的要素があれば支持される!
インプリ インプリケーション ビールにフェミニン的要素を持たせ、かつその要素とビールを関連づけるようなマーケティングが有効である。 マッチョ的な要素を連想させない フェミニン要素の強調 マッチョ・カルチャー的な ビール広告例 マッチョ・カルチャーではなく フェミニン・カルチャーを意識した「ビールの入り口」を設定
インプリ フェミニンイメージ付け 「癒し」から連想する漢字1文字 出所:株式会社マーシュ(2006年8月) 男性 ・・・癒されることで得られる「心情」 女性 ・・・「癒してくれるもの」 「心情」と「癒してくれるもの」 を組み合わせて訴求 青や紫・・・体内の活動が穏やかになり、神経の高ぶりを抑制 緑・・・疲れを癒したり、穏やかな気持ちにさせたりする効果
まとめ 今後の研究課題 今回は「リラックス・癒しビール」というものに絞って研究を進めたが他にどのような要素を持ったビールなら受け入れられるか探る 若者の興味・関心・嗜好が徐々に離れてきている他業界でも本研究で示された示唆が応用できるか検討
まとめ 結論 • 若者がビールを嫌う原因 • ・・・マッチョ・カルチャー的意識の衰退が苦いビールを飲む動因を • 弱らせていることが原因。 • 若者にビールテイストを受け入れてもらうには • ・・・ビールの持つフェミニン的な要素を強調するアプローチ方法が有効。 従来のようなマッチョ・カルチャー的なビールの入り方ではなく、 フェミニン・カルチャー的な若者が受け入れやすい入り口を設定することが今後ますます重要になってくる。
まとめ 参考文献 Bem. S. L. [1974], “The measurement of psychological androgyny,” Journal of Consulting and Clinical Psychology, vol. 42. Bem. S. L. [1981], “Gender schema theory: A cognitive account of sex typing” Psychological Review, vol. 88. 谷岡一郎[2006]『力の誇示・英雄願望(マッチョ・カルチャー)の発露としてのカラオケ』 谷岡一郎[2002]『マッチョ・カルチャーと犯罪被害経験―JGSSによるルーティーン・アクティビティ・セオリーの検証:暴行、空き巣、強盗の比較を兼ねて―』日本版General Social Surveys 研究論文集〔2〕 重松洋司・谷岡一郎[2000]『男性的文化(マッチョ・カルチャー)と麻雀――特に囲碁および宝くじとの比較研究を中心として――』 谷岡一郎[2002]『ゲーミング行動に関する理論的考察――『サッカーくじ』、『宝くじ』、『ナンバーズ・ミニロト』の比較実証分析を中心として――』 土肥伊都子[1999] 『ジェンダーに関する自己概念の研究――男性性・女性性の規定因とその機能―』多賀出版 キリン食生活文化研究所レポート アサヒビールニュースリリース Media Shakers[2009]『若者“ビール離れ”の検証』 矢野経済研究所レポート 総務省『家計調査年報』 法政大学日本統計研究所『食生活データ総合統計年報』 『消費経済レビュー』(vol.8 2008) 『Marketing Researcher No.105「若者のアルコール離れ」は本当か?』
まとめ ご清聴ありがとうございました