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LMXB トランジェント 4U 1608 - 52 と Aql X-1 の 光度曲線と状態遷移の解釈. 三原建弘、浅井和美、松岡勝、杉崎睦、芹野素子 ( 理研 ) 、 上田佳宏(京大)、中平聡志、山岡和貴( JAXA )、根来均(日大)、 他 MAXI チーム. 光度曲線解析に用いたモニタリングデータ. AqlX-1 GSC and BAT. Log Lx. Soft. Hard-High. ← GSC 2-10keV 光度変化パターンの分類に使用. 37. Hard-Low. 36. 37. ← BAT 15-50keV. 36. 35.
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LMXBトランジェント4U 1608-52 と Aql X-1の光度曲線と状態遷移の解釈 三原建弘、浅井和美、松岡勝、杉崎睦、芹野素子(理研)、 上田佳宏(京大)、中平聡志、山岡和貴(JAXA)、根来均(日大)、 他 MAXIチーム
光度曲線解析に用いたモニタリングデータ AqlX-1 GSC and BAT Log Lx Soft Hard-High ← GSC 2-10keV 光度変化パターンの分類に使用 37 Hard-Low 36 37 ← BAT 15-50keV 36 35 50日 ←15-50keV/2-10keV ソフト/ハード状態の区別に使用 55250 55150 55300 55200
Soft Hard-high Hard-low 4U1608-52 Lx[erg/s] 1037 1 ASM 1036 2 ASM 3 ASM 4 ASM 5 ASM 6 ASM 7 ASM BAT開始 8 ASM 9 ASM 10 ASM 11 ASM 12 MAXI 13 MAXI 14 MAXI
AqlX-1 Soft Hard-high Hard-low Lx[erg/s] 1037 1036 1 ASM 2 ASM 3 ASM 4 ASM 5 ASM 6 ASM 7 ASM 8 ASM BAT開始 ASM 9 10 ASM 11 MAXI 12 MAXI 13 MAXI
. 矮新星と同じリミットサイクル Mは同程度 内側への降着率 矮新星SScygniの光度曲線(Wheatley et al. 2003) 電離 明 暗 中性 矮新星の場合: 降着円盤 外縁部の熱不安定性モデルで説明(水素が電離した状態と中性水素の状態の二つの安定した状態) • LMXBの場合:時間スケールが50倍長い。 • 連星間距離が2倍大きい。⇒2倍大きい円盤ができている。 • 円盤全体にガスがたまるのに時間がかかる。 • 電離状態になると降着率が大きくなりアウトバーストするが、X線による加熱で、中性水素の状態に戻るのが抑制され、アウトバースト継続時間が長くなる。 (King et al 1998)
Soft hard-High hard-Low 4U1608-52 Lx[erg/s] 1037 1 H→L ③ ASM 1036 ③ H→L 2 ASM L→H ③ 3 ASM L→H 4 ③ ASM L→H 5 ③ ASM ④ 6 L→H→L ASM H→L 7 ③ ASM BAT開始 8 H ② ASM ④ 9 L→H→L ASM H ② 10 ASM 11 H→L ③ ASM ③ 12 H→L MAXI H→L ③ 13 MAXI 14 MAXI
アウトバースト間の光度変化パターン ③直前直後以外は ハードロー(L) ①すべてハードロー(L) ②すべてハードハイ(H) ASM MAXI ASM High Low ④途中で L →H → Lがある • ※③には、 • 3つのパターンがある • H → L → H • H → L → L • L → L → H MAXI H→ L→ H→ L H→ L→ Hの例
X線光度曲線と低温円盤のリミットサイクルの対応①X線光度曲線と低温円盤のリミットサイクルの対応① ←Meyer & Meyer(1981) の縦軸:降着率を中性子星表面でのX線光度に変換した図 準周期的な光度変化は説明できる。 X線光度 溜めたガスを解放する明るい状態 内側では、Soft状態 アウトバースト開始 4U1608-52、AqlX-1の プロペラ効果光度 内側ではHard-low ①すべてハードロー(L) ガスを溜める暗い状態 MAXI プロペラ効果中 [g cm-2]@r=1010.5 cm 円盤のガス面密度 ①は説明できる。 他のパターンは一つのSカーブでは説明できない →X線照射による加熱効果を入れるとどうなるか?
X線光度曲線と低温円盤のリミットサイクルの対応②X線光度曲線と低温円盤のリミットサイクルの対応② X線照射の効果が大きいと②が説明可能 ②すべてハードハイ(H) ホット円盤の場合は、質量降着率が プロペラ効果のレベルまで落ちない。 ASM X線光度 X線照射の効果が大きいとき プロペラ効果 Tirr=7500 X線照射の効果が時間とともに変化することを考えると③の3つのパターンも説明できる(次のスライド)。 Tirr=6000 X線照射なし Tirr=0 Tuchman, Mineshige, and Wheeler (1990)の縦軸:有効温度を光度に変換した図 [g cm-2]@r=1010.5 cm 円盤のガス面密度
X線光度曲線と低温円盤のリミットサイクルの対応③X線光度曲線と低温円盤のリミットサイクルの対応③ H→ L → L H→ L →H L → L → H 照射が大 小 無 降着率 L H HH状態 H H H L L プロペラ効果 L L 状態 円盤のガス量 X線照射の効果が減少するにつれて、 Sカーブが、右側(低温側)へ移動していくことを考えると、 上記の3つのパターン(アウトバースト前後はHで中はL状態:③)が説明可。
LからHへ変化した後、再びLへ戻る場合(④)は?LからHへ変化した後、再びLへ戻る場合(④)は? ↓ Sカーブ状の下のブランチを右に移動することでは説明できない。 Lx[erg/s] AqlX-1: No9 H1 H2 1037 H3 1036 通常のアウトバースト • 特徴 • 可視光:アウトバースト • X線:ハード状態 • X線:小さいピーク光度 2-10keV 15-50keV 円盤外縁(可視光)は上のブランチに遷移したが、 円盤内側(X線)は、ソフト遷移しなかった? 15-50keV/2-10keV
外側の低温円盤と内側の高温円盤の比較 Log Lx [erg/s] 外側の低温円盤:Tuchman, Mineshige, and Wheeler (1990)の縦軸:有効温度を光度に変換した曲線 内側の高温円盤:Abramowicz (1995) の縦軸:降着率を中性子星表面でのX線光度に変換した曲線 38 光学的厚い 円盤のブランチ 内側の円盤では遷移を起こさずにハード状態にとどまっている 37 ソフト状態 ハード状態 Tirr=7500 36 1036で遷移 Meyer-Hofmeister et al.(2005) Tirr=6000 Tirr=0 35 光学的薄い 円盤のブランチ ピーク光度が(3~5) ×1036erg/sでは、外側の円盤が上のブランチに遷移しても、内側の円盤は、遷移しない場合ではないか?
まとめ 矮新星のリミットサイクルとBHの円盤状態の相図をLMXBトランジェントに応用することでLMXBの光度変化をほぼ説明できた。 1.回帰活動によるソフトからハード状態への光度変化パターンは、 円盤外縁のリミットサイクルに、 プロペラ効果とX線照射による効果を入れることで、 定性的な説明は可能である。 2.ソフト状態に遷移しないアウトバースト(ハードアウトバースト)は、 可視光でアウトバーストが観測されていることから、 円盤外縁では、電離のブランチに遷移を起こしたものの、 内側円盤では光学的に薄い円盤(ハード状態)にとどまっている と考えられる。 しかし、 アウトバーストよりもかなり低いピーク光度(5×1036erg/s以下)で、ソフト状態になる場合がある。可視光でアウトバーストしているかどうかは不明である。もし、可視光でアウトバーストしていないならば、内側の円盤のみが、光学的に厚い円盤(ソフト状態)に遷移した可能性がある。
嶺重:内側の方(abramowics)は、まだ定説ではない。加熱とか、。。とかある。嶺重:内側の方(abramowics)は、まだ定説ではない。加熱とか、。。とかある。