330 likes | 1.2k Views
Respiratory Distress Syndrome. 呼吸窮迫症候群. 早産児特有の呼吸障害. 肺がふくらまず呼吸ができない. RDS の頻度. <26wk 70-80% 26-28wk 50% 29-31wk 30% >37wk <5%. サーファクタントの量的 and/or 質的欠乏. Primary Surfactant deficiency = pure RDS ①未熟 ②合成酵素欠損、酵素誘導ホルモンレセプター異常 Secondary Surfactant deficiency ①放出障害、 apo タンパク異常
E N D
Respiratory Distress Syndrome 呼吸窮迫症候群 早産児特有の呼吸障害 肺がふくらまず呼吸ができない
RDSの頻度 <26wk 70-80% 26-28wk 50% 29-31wk 30% >37wk <5%
サーファクタントの量的 and/or 質的欠乏 Primary Surfactant deficiency = pure RDS ①未熟 ②合成酵素欠損、酵素誘導ホルモンレセプター異常 Secondary Surfactant deficiency ①放出障害、apoタンパク異常 ②消費の亢進 = 二次的な肺胞透過性亢進 (ARDS) 重症仮死、肺炎、PDA、PPHN、MAS ③specific inhibitorの存在---未熟肺のみ、肺胞上皮より漏出する。
肺 肺 正常胸部レントゲン写真 心臓
気管支透亮像 air-bronchogram 肺胞の虚脱および末梢細気管支の拡張 網状顆粒状陰影 RDSの胸部 レントゲンの 特徴 reticulo-granular (RG) pattern 拡張した肺胞管と無気肺の混在 スリガラス状陰影 含気がほとんどなくなった状態
肺は直径200ミクロンの球2~3億個の集まり肺は直径200ミクロンの球2~3億個の集まり 1ミリの間に5つの球
肺の構造 肺胞Ⅱ型細胞 肺胞Ⅰ型細胞 間質 毛細血管
表面張力 液体内部の分子は互いに分子間力で引き合い安定化 表面(気体との界面)では上向きの分子間力がなくなる 表面分子は分子間結合エネルギーが余る 表面分子同士は内部より強く引き合う =この力が表面張力 表面積は自然に最小になる方向に向かう
肺胞表面が水だけで覆われていれば自然にしぼんでしまう肺胞表面が水だけで覆われていれば自然にしぼんでしまう 肺胞は本来弾性が強く、そのままでは自然に収縮する 気管支透亮像 空気 肺胞が収縮するにつれて 水分子間の距離が狭まる ため反発力も増して表面 張力は弱まるが 強い力で膨らませても 水の表面張力は強い 72mN/m 水だけでは結局 しぼんでしまう
肺胞表面活性物質(サーファクタント)の主成分 リン脂質肺胞表面活性物質(サーファクタント)の主成分 リン脂質 di-palmitoyl-phosphatidylcholine [DPPC] (ジパルミトイルフォスファチジルコリン) 2つのパルミチン酸 フォスファチジルコリン(レシチン) 疎水部分(水に溶けない) 親水部分(水に溶ける)
サーファクタントの構成成分 タンパク 11% 他のリン脂質 飽和DPPC 36% Phosphatidyl-glycerol 不飽和DPPC 32%
肺胞腔内 SP-C SP-B SP-B SP-A 気管支肺胞洗浄液(水の部分) 肺胞Ⅱ型細胞 肺胞Ⅰ型細胞 間質 毛細血管
肺胞表面活性物質(サーファクタント)は肺胞の虚脱を防ぐ肺胞表面活性物質(サーファクタント)は肺胞の虚脱を防ぐ サーファクタントは 水分子の間に割って 入り表面張力を下げる サーファクタントの 表面張力が小さく なっても水分子同士は まだ強く引き合う サーファクタントは 二重になって さらに水の表面張力 に抵抗する 最終的に釣り合いが 取れても肺胞は 膨らんだまま それでもサーファクタント 分子間の表面張力で 肺胞は収縮する
2T P = r Laplaceの法則 T T 表面張力 = 縮もうとする力 P 内圧 = 膨らもうとする力 r r 半径 P T 表面張力(T)が一定ならば 半径(r)が小さいほど、内圧(P)は高い 半径(r)が一定ならば 表面張力(T)が大きいほど、内圧(P)は高い
表面張力(T)が一定ならば、半径(r)が小さいほど、内圧(P)は高い表面張力(T)が一定ならば、半径(r)が小さいほど、内圧(P)は高い 小さなシャボン玉の方が内圧が高いので大きな方に吸収される
2T P = r 大きな肺胞に小さな肺胞が吸収されないのは? = 結果的に内圧は 等しくなる 小さな肺胞ではサーファクタント が密に分布し表面張力を十分 低下させる 大きな肺胞ではサーファクタントの 密度が低下し表面張力は増加する 表面張力が一定ではないから
マイクロバブルテスト (Stable Microbubble Rates, SMR) サーファクタントは十分ある サーファクタント欠乏
マイクロバブルテスト (Stable Microbubble Test) 水の表面張力は強く(72mN/m) 小気泡は押しつぶされてしまう サーファクタントがあると表面張力は 20mN/mまで低下するがそれでも 小気泡は縮んでいく 縮んでいくとサーファクタント分子 同士の反発力によって表面張力 は消失し内圧もゼロになって安定化 この時の直径は15μm以下
RDSの症状 生後間もなく~6時間以内に発症 ← RDS病態の悪循環のため (呼吸筋疲弊・低酸素・アシドーシスによるサーファクタント産生低下) ①呻吟 ← 肺胞虚脱に対して、声門を閉じて、 3~5cmH2Oの 呼気陽圧をかける。 ②多呼吸 ← 換気面積の減少、一回換気量の低下 (呻吟強くなると呼気時間延長のためむしろ減少) または無呼吸 ③吸気時陥没 ← compliance低下による胸腔内陰圧増強で 大気圧に負ける ④チアノーゼ ← 主に換気、血流不均衡による 高CO2は主にcompliance低下による低換気
RDS病態の悪循環 サーファクタント産生低下 サーファクタント欠乏 低酸素 呼吸筋疲弊 呼吸性・代謝性アシドーシス 肺胞上皮透過性亢進 肺血管収縮 サーファクタント不活化
サーファクテン使用前後 前 後
RDS発症頻度に関与する因子 未熟性 子宮内感染 帝王切開(母体側要因) 妊娠高血圧 双胎第2子 前期破水 IUGR 仮死 早発陣痛(切迫) 男児 IDM 促進 抑制