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VSOP-2 による天の川銀河研究 (銀河系の地図作り VSOP-2 版) - VAMOS プロジェクト -. 蜂須賀一也 ( 上海天文台). はじめに. VSOP-2 による銀河系地図作りは 天の川銀河のどの領域が良いか? 遠方( >10 kpc) のメーザー源 VSOP-2 による銀河系内水メーザー源アストロメトリには、 準備観測 が必須。 地上局で年周視差が検出できないことを VSOP-2 本観測の前に確認しなければならない。 VERA との協力が大切. VLBI astrometry for Galactic maser sources.
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VSOP-2による天の川銀河研究(銀河系の地図作り VSOP-2版)- VAMOSプロジェクト - 蜂須賀一也(上海天文台)
はじめに • VSOP-2による銀河系地図作りは天の川銀河のどの領域が良いか? • 遠方(>10 kpc)のメーザー源 • VSOP-2による銀河系内水メーザー源アストロメトリには、準備観測が必須。 • 地上局で年周視差が検出できないことをVSOP-2本観測の前に確認しなければならない。 • VERAとの協力が大切
VLBI astrometry for Galactic maser sources • 今まで測定された年周視差の一部のリスト • W3(OH) (Hachisuka et al. 2006,Xu et al. 2006) • Cep A, NGC 7538, S252, ….(Reid et al. 2007) • NGC 1333 (Hirota et al. 2007) • S 269 (Honma et al. 2007) • Orion-KL (Hirota et al. 2007) • IRAS 19134+2131 (Imai et al. 2007) • WB89 437 (Hachisuka et al. 2008) • 第1、第2象限が中心 • VERAやVLBAで観測し易いから Reid et al. (2007) 濃い青:力学的距離 薄い青:年周視差距離
Artist Image of our Galaxy (Spitzer Space Telescope Press Release, 2008) 3年前は・・・ (Spitzer space telescope press release in 2005)
最新の銀河系像 • 2つのmain armといくつかのminor arm • Main arm • Perseus arm • Scutum-Crux (Centaurus) arm • Minor arm • Sagittarius arm • Outer-Norma arm • Near/Far 3 kpc arm • Orion Spur (local arm) • メーザー源分布と腕の規模に関連性あり。 • 例:メタノールメーザーはmain armのみで検出されているように見える。 • Outer armではメタノールメーザーが今まで検出されていない。 • 水メーザーもペルセウス腕で数多く検出 • Outer arm では少数 • VLBIによる銀河系地図作りは、2つのMain armにあるメーザー源を中心に行うと全体像が描き易い。 • もうひとつのmain armであるScutum-Crux armにも数多くの(水)メーザー源があるはず。 • W49, W3(OH), W51クラス Spitzer Space Telescope Press release (2008)
G.C 水メーザー源の銀河系内分布 • 北天: 例えばSunada et al. (2007) • IRAS源への水メーザー源サーベイ • Outer腕(もしくはPerseus腕)の水メーザー源が最遠 • ひょっとしたら、さらに遠い天体も? • 南天のサーベイ • OH メーザー源への水メーザーサーベイ • 340度 < 銀経 < 60度(Caswell et al. 1983 a,b) • 260度 < 銀経 < 326度 (Caswell et al. 1989) • HOPS (the H2O Plane Survey)(Walsh et al. 2008) • Mopra telescope を使用した無バイアスサーベイ。始まったばかり。 Sunada et al. 2007 青:水、 緑:メタノール
どの領域をターゲットにするか?(銀河中心領域 R< 3 kpcと太陽近傍を除く)(青文字はmain arm) • 第一象限(Sagittarius, Perseus, Outer (Norma), Scutum) • VERAやVLBAで観測可能 • 少なくともScutum腕のfarサイドはVERA,VLBAでは無理 (>15 kpc) • 第二象限(Perseus,Outer) • VERAやVLBAで観測可能。 • VSOP-2は必要なし • 第三象限(Perseus, Outer) • 銀経230度ぐらいまでVERAやVLBAで観測可能 • 銀経230度以降でもペルセウス腕は続く • 第四象限(Sagittarius, Crux, Norma, Perseus, Outer) • LBAで観測可能。 VERAやVLBAでの観測は不可能。
VSOP-2のターゲット領域外縁部(outer G.)か内部(inner G.)か • 第一象限 (地上局:VERA、VLBA) • Sagittarius arm (far side) • Rgc= 5 kpc, Rsun= 10 kpc • Perseus arm • Rgc= 8 kpc, Rsun= 14 kpc • Outer arm • Rgc= 10 kpc, Rsun= 16 kpc • Scutum arm (far side) • Rgc= 15 kpc, Rsun= 20 kpc • 第三象限 (LBA、VERA,VLBA) • Perseus arm • Rgc= 10- 15 kpc, Rsun= 5 - 13 kpc • Outer arm • Rgc= 18 kpc, Rsun= 10 - 18 kpc • 第四象限 (LBA) • Norma arm • Rgc= 7 kpc, Rsun= 6 - 15 kpc • Crux arm • Rgc= 6-13 kpc, Rsun= 3 - 20 kpc • Sagittarius arm • Rgc= 6 - 18 kpc, Rsun= 3 - 23 kpc
VSOP-2 Astrometry for Maser Objects at Scutum armVAMOS(バモス) project • 狙うなら、銀河系最縁部 • Scutum(盾座)腕のfarサイド • 予想される距離:~20 kpc • 年周視差: ~0.05 mas • 困難だけど、条件さえ整えば検出可能 • 条件:メーザーや参照電波源の強度、及び離角 • 最大の問題は、この腕にあると予想される水メーザー源は未発見。 • サーベイ等の準備観測が必須 • 天の川銀河の大雑把な直径(二つのmain arm 間の距離)が測れる。 • 銀河系の対象性についても議論可能 • VERAによるPerseus腕の観測も行う。 • VAMOSとはスペイン語。意味は英語でLet’s go!
VAMOSプロジェクト国内望遠鏡による準備観測(案)VAMOSプロジェクト国内望遠鏡による準備観測(案) • 1年目:水メーザー源のアーカイブ整理・探査 • アーカイブデータを整理してScutum腕にありそうな天体の選択 • VERAや野辺山45m等を使ったサーベイ • 新メーザーが発見されたら、分子雲のデータから力学的距離、または他のデータ・文献から距離を推定。 • 明らかにnear sideにある天体以外は、1次選考通過 • 2年目、3年目以降:アストロメトリ観測 • VERAで年周視差測定 • 年周視差検出:near distance (< 7 kpc 程度)・・落選 • 年周視差非検出:far distance (> 7 kpc 程度)・・2次選考通過 • VERAで絶対固有運動測定 • 見かけ上の銀河回転成分の大小で、far distance にある天体をさらにnear (Perseus腕)or far (Scutum腕)に分離 • または分子ライン観測で、視線速度を測定。far-nearとfar-farでは違う値。 • Scutum腕にありそうな天体・・最終選考通過、本観測へ • 必要なら、VLBAまたは大陸間(VLBA+EVN, APT)で追試観測
水メーザー源サーベイ • IRASはやりつくされている(例:Sunada et al. 2007) • MSXなどの赤外線サーベイデータの見直し。 • 分子雲 • 力学的距離推定が可能なため、ピンポイントで観測可能。 • 論文・アーカイブデータの整理。 • 無バイアス • 領域を絞る • 例えば、20度<銀経<40度、|銀緯|<0.5度を1分角間隔でサーベイすると、約7万の観測点 • 1分積分で約100日 (VERA各局あたり約25日) • 2ビームシステムを使えば、さらに半分の観測時間。
遠方のCO雲? • IRAS 19000+0825 • 2成分のうち一つが、ペルセウス腕よりも遠方にあると思われる。 • おそらくScutum armにある • この天体に対して、メーザーや他のライン観測はされていない。 • 他のいくつかのデーターベースからはScutum腕にある分子雲は未発見。 • 分子雲ラインデータベースの収集・解析を行い探し直すことも必要。 CO line IRAS 19000+0825 (Yang et al. 2002)
もしVSOP-2で年周視差が検出されたら、 年周視差が検出されなくても・・・ • 同時期に打ち上がる予定のGAIAと良い勝負ができる。 • 角分解能は同程度。VLBIアストロメトリの健在を世界へアピール可能。 • パブリックへのプレスリリースも非常に分かり易い。 • 例:『特報!!VSOP-2とVERAが協力して銀河系の直径を測定!』 • 絶対固有運動は検出可能。 • 数mas/year程度は見込める。 • 距離の下限値は得られる。 • VERAのサイエンスデータベースが増える。 • 準備観測はVERAにとって無駄ではない。
まとめ VSOP-2による天の川銀河地図作りはVERAと上手に協力して進めましょう。 もし南天をターゲットとする場合は、オーストラリアと上手に協力しましょう。
お知らせ ショウロンポー 森ビル • EAVN mini-workshop • メタノールメーザーのサイエンス研究会 • EAVN, APT観測についても議論 • 参加者は、日本、中国、韓国、オーストラリアから。 • 11月25日(火)、26日(水) • 上海(会場は未定。天文台周辺を予定。) • 参加したい方は、蜂須賀まで。 四川料理