1 / 17

~計算法の変遷~ 2006 年2月17日 明治大学理工学部数学科 鎌田 伊織     吉本 清夏

π. ~計算法の変遷~ 2006 年2月17日 明治大学理工学部数学科 鎌田 伊織     吉本 清夏. 円周率の計算法の歴史. 円に内接・外接する正多角形の周長の利用 ( アルキメデス ( BC3C ) ・関 孝和 (17 C ) ・建部 賢弘 (18 C) ) 逆正接関数 (Arctan) の Taylor 展開の利用 ( Leibniz (15 C) ・ Sharp ((17 C) ・ Machin (18 C) ) AGM ( 算術幾何平均 : Arithmetic Geometric Mean )

Download Presentation

~計算法の変遷~ 2006 年2月17日 明治大学理工学部数学科 鎌田 伊織     吉本 清夏

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. π ~計算法の変遷~ 2006年2月17日 明治大学理工学部数学科 鎌田 伊織     吉本 清夏

  2. 円周率の計算法の歴史 • 円に内接・外接する正多角形の周長の利用 (アルキメデス(BC3C)・関 孝和(17C)・建部 賢弘(18C)) • 逆正接関数(Arctan)のTaylor展開の利用 (Leibniz(15C)・Sharp((17C)・Machin(18C)) • AGM(算術幾何平均:Arithmetic Geometric Mean) (Salamin-BrentによるGauss-Legendre法(1976)・Borwein法)  • DRM(分割有理数化:Divide and Rationalize Method)                    (後 保範(1998) & 金田 康生(2002))

  3. Arctan級数とは? の両辺を微分すると, 項別積分することで, ArctanのTaylor展開が得られる. 実は, x=1でも成立し, Leibniz級数を得る. (1) x=  とすると, Sharpの公式が得られる. (2) ・ (1)は収束速度が非常に遅く, 効率が悪い ・ (2)は(1)よりはずいぶん速くなる ・ 長い年月をかけて多くの人々が競って計算するようになった

  4. Arctan級数の公式1/2 • Machin (1706)(当時の最高記録100桁を求め, その後             多くの人に利用された. ) • Euler (1737) (1755)

  5. Arctan級数の公式2/2 • Gauss (1863)(おそらく3項公式で最高効率)           (1985年にフェルトンによって1万21桁を得た) • 高野喜久雄  (1982) (2002年に世界一の1兆2400億桁を達成した公式!)

  6. 実験結果1/3 部分和の項数 j と 誤差log10(π-S( j ))との関係 *S( j )=各公式におけるTaylor      展開の第 j 部分和 *横軸 =項数 j *縦軸 =πとS( j )の誤差の log 10 をとったもの ・ ■ マチンの公式 ・ ■ オイラーの公式① ・ ■ オイラーの公式② ・ ■ ガウスの公式① ・ ■ ガウスの公式② ・ ■ 高野喜久雄の公式

  7. 実験結果2/3 • <グラフからわかったこと> • 傾きは, それぞれの公式において最も収束速度が遅い項による •            (収束速度はArctan(x)の|x|が大きいほど遅くなる) • Arctan(x)の|x|が大きい項をもつ公式ほど, |傾き|が小さい • 傾きと|x|のlog10値を比べてみる • *傾きは log10(x )の2倍 •                              になっている • * 次に, この関係を調べる

  8. 実験結果3/3      <Machinの公式( )を例にとって考える>             とおき, Taylor展開をすると, となる. また, j での部分和は, よって, πと j での部分和との誤差は, 対数をとると よって,log10xの2倍が傾きになると考えられる.

  9. 算術幾何平均とは・・・ ・     のことを昔は算術平均・幾何平均と呼んでいた. ・         とし、 ・数列{ }と{ }は共通の極限に収束する. ・この値を  と  の算術幾何平均(arithmetic-geometric mean)と呼び、     で表す.

  10. 背景1/3 <Legendreの関係式> (ⅰ)第一種完全楕円積分    第二種完全楕円積分    の間に成り立つLegendreの関係式

  11. 背景2/3 <Gauss,“the fundamental limit theorem”> 第一種完全楕円積分、第二種完全楕円積分の二変数版を で定めると、 が成り立つ.ただし、           

  12. 背景3/3 • Legendreの関係式で      の時、                            であるので、  ①に②を代入して、

  13. ガウス・ルジャンドルの公式 として、   以下の反復式を  と  の差が所要桁以上になるまで計算する.   所要桁になったら円周率は、             ≒    と求められる.

  14.   =     と   ≒     関係 ・ ・                           ガウス・ルジャンドルの公式より           また、

  15. 誤差の減少の速さ <縦軸:              横軸:回数n> f i g.πとの誤差

  16. まとめ • 今回は取り上げられなかったが、ボールウェインの4次式では計算精度が4倍である • 現在の世界記録は高野喜久雄の(Arctan)公式とDRM法を使って,2002年11月に後 保範氏&金田 康生氏によって計算された約1兆2400億桁! • 今後もコンピュータの発達によりπの計算記録の樹立は変わってくると考えられる

  17. 参考文献 • (1) E.ハイラー, G.ワナー 著, 蟹江幸博 訳, 解析教程 上, シュプリンガー・フェアラーク東京 (1997)  • (2) 桂田祐史, πノート, 明治大学数学科助教授 (2004) • (3) 清水康生, πの数値解析, 明治大学数学科 2003年度卒業研究レポート (2004) • (4) ペートル・ベックマン 著, 田尾陽一, 清水韶光 訳, πの歴史, 蒼樹書房 (1973) • (5) 数学文化,Vol.1, 日本数学協会 (2003) • (6)金田康正, πのはなし, 東京書籍 (1991) • (7) 梅村浩, 楕円関数論, 東京大学出版会 (1999) • (8)ドゥラエ・ジャン=ポール(Jean-Paul Delahaye)著, 畑政義 訳, π-魅惑の数, 朝倉書店 (2001) 御静聴ありがとうございました。

More Related