320 likes | 1.06k Views
資料組織概説 第 11 回 日本十進分類法. 2010 年 12 月 7 日(火) 第4時限 R101 教室. 日本十進分類法とは(1). 現在、日本で最もよく使われている分類表 デューイ十進分類法(DDC)を日本の実情に合うように再構成 NDC (エヌ・ディー・シー)と呼ばれることが多い Nippon Decimal Classification の略称 JAPAN/MARC (国立国会図書館が作成する目録データ)でも NDC 分類を付与. 日本十進分類法とは(2). 一般分類表である 列挙型分類法である 純粋記号法である
E N D
資料組織概説 第11回日本十進分類法 2010年12月7日(火) 第4時限 R101教室
日本十進分類法とは(1) • 現在、日本で最もよく使われている分類表 • デューイ十進分類法(DDC)を日本の実情に合うように再構成 • NDC(エヌ・ディー・シー)と呼ばれることが多い • Nippon Decimal Classification の略称 • JAPAN/MARC(国立国会図書館が作成する目録データ)でもNDC分類を付与
日本十進分類法とは(2) • 一般分類表である • 列挙型分類法である • 純粋記号法である • アラビア数字(とピリオド)のみを使用 • 十進記号法である • あらゆる知識を9区分して1~9の数字を記号として与え、どれにも含まれないものを総記として0(ゼロ)を与える • それぞれの区分の中を同様に10区分(9区分+ゼロ)、さらにその中を階層的に区分していく
歴史的経緯 • 1928年、もり・きよし(森清)が雑誌に「和洋図書共用十進分類法案」を発表 • 1929年、『日本十進分類法』と題して間宮書店から刊行、1945年までに5版 • 1948年、日本図書館協会が維持管理を引き継ぐ(個人著作から共有の財産に) • 1950年、新訂6版、1961年新訂7版、1978年新訂8版 • 1995年新訂9版(現在に至る)
新訂9版の構成 • 本表編と一般補助表・相関索引編の2冊セット • 本表編の構成 • 解説(必読) • 第1次区分表(類目表) • 第2次区分表(綱目表) • 第3次区分表(要目表) • 細目表 要約表
NDCの第1次区分(類) • 順序はカッターの展開分類法(EC)にならう • 類目表を構成 • 0 総記 1 哲学 2 歴史 3 社会科学 4 自然科学5 技術 6 産業 7 芸術 8 言語 9 文学 • cf. (ECの一次区分) A 総記 B-D 哲学・宗教 E-G 歴史諸科学 H-K 社会科学 L-Q 自然科学R-U 技術 V-W 芸術 X 言語 Y 文学 Z 図書学 • cf. (DDCの一次区分) 0 総記 1 哲学 2 宗教3 社会科学 4 言語 5 純粋科学 6 技術7 芸術 8 文学 9 地理・歴史
NDCの第2次区分(綱) • 各第1次区分に再び9個の区分肢を用意 • 綱目表を構成 • 00 総記01 図書館、図書館学 02 図書、書誌学03 百科事典 04 一般論文(講演)集05 逐次刊行物 06 団体 07 ジャーナリズム、新聞08 叢書、全集、選集 09 貴重書、郷土資料他 • 40 自然科学41 数学 42 物理学 43 化学 44 天文学45 地球科学 46 生物科学 47 植物学48 動物学 49 医学、薬学
NDCの第3次区分(目) • 各第2次区分にさらに9個の区分肢を用意 • 要目表を構成 • 010 図書館、図書館学 011 図書館政策、行財政012 図書館建築、設備 013 図書館管理014 資料の収集、整理 015 図書館奉仕、活動016 各種の図書館 017 学校図書館018 専門図書館 019 読書、読書法 • 400 自然科学 401 科学理論、科学哲学402 科学史、事情 403 参考図書 404 論文集405 逐次刊行物 406 団体 407 研究法、指導法408 叢書、全集、選集 409 科学技術政策、行政
NDCの細目表 • 第1次~第3次区分表(要約表)は大まかな分類を見るのに便利 • 細目表はすべての分類項目を網羅 • 細目表により分類記号が確定 • 注記 その分類項目が含む範囲の説明や各種補足 • 参照 → (「をみよ」参照。通常使う分類記号への指示) →: (「をもみよ」参照。関連する分類記号を示す)
階層構造の展開 • 例えば「源氏物語に関する書誌」であれば、 • 9 文学 第1次区分(類) • 91 日本 第2次区分(綱) • 913 小説、物語 第3次区分(目) • 913.3 平安時代 第4次区分(分目) • 913.36 源氏物語 第5次区分(厘目) • 913.361 書誌、索引 第6時区分(毛目) *どこまで展開するかは図書館の方針による
NDCの助記性 • 助記性(じょきせい) • 記憶を助ける性質の意。一般の国語辞典には載っていない • たとえばNDCでは日本を表す記号として1を使う(210 日本史、910 日本文学など) • しかし、1が常に日本を意味するわけではない。理論を表したり(301,401,501など)、詩を表す(921,931,941など)場合もある • 便宜的なものと理解して利用すべき
補助表 • ある主題を細目表によって表現しつくせないときに付加する記号を定めた補助的分類表 • そこから下の展開は共通なので、細目表にいちいち記さず、補助表としてまとめることにより繁雑さを回避 • 分析合成型的手法 • 従来、助記表とも呼ばれたが、不適当なので9版から使用しなくなった • 一般補助表と固有補助表がある • 一般補助表は別冊で、固有補助表は細目表の該当箇所で表示
一般補助表 • 全分野あるいはいくつかの分野で共通に適用可能なもので以下の6種 • 形式区分 • 地理区分 • 海洋区分 • 言語区分 • 言語共通区分 • 文学共通区分
固有補助表 • 固有の分野でのみ適用可能な補助表で以下の6種 • 神道各教派(178) • 仏教各宗派(188) • キリスト教各教派(198) • 各国の地理、地誌、紀行(291/297) • 技術・工学(510/589) 経済的、経営的観点 • 写真を除く各美術の図集
補助表の使用例(1) • 形式区分 • 01 理論 012 学史、学説史 016 方法論 • 02 歴史的・地域的論述 *地理区分 • 03 参考図書 031 書誌 032 年表 033 辞典 • 04 論文集、評論集、講演集、会議録 • 05 逐次刊行物 など • たとえばタンカー(556.66)に関する • 書誌=556.66031 • 論文集=556.6604
補助表の使用例(2) • 地理区分-1 日本 -13 関東地方 -131 茨城県-2 アジア -3 ヨーロッパ -35 フランス-4 アフリカ -5 北アメリカ -6 南アメリカ -7 オセアニア、両極地方 • 686.2 鉄道史、事情 *地理区分 • 日本鉄道史=686.21 • 茨城の鉄道=686.2131 • フランス鉄道史=686.235
相関索引relative index • 主題を言葉からたどり、分類記号を探すための索引 • 同じ言葉でも取り扱いの観点により異なった分類になる→付加した限定語により相対的関係を明示(ゆえに相関索引と言う) • (例) あい(作物栽培) 617.8 (植物学) 479.64 (染料) 577.99
分類規程 • 誰が分類しても結果が常に統一されたものとなるよう、複雑な主題の取り扱いを定めたルール • 一般分類規程 • 全体的なルール • 日本十進分類法では本表冒頭の「解説」で説明 • 特殊分類規程 • 特定の主題のみに適用されるルール
日本十進分類法の一般分類規程(1) • 主題と形式 • まず主題で分類し、形式で細分 • 例) 教育名著叢書→教育叢書(370.8) 一般叢書(080)や社会科学叢書(308)としない • 複数主題 • 中心となる主題のもとに分類 • 二つか三つの主題を扱っていて中心主題がないものは最初の主題に分類 • 四つ以上の主題を扱うものは上位の分類へ
日本十進分類法の一般分類規程(2) • 主題と主題の関連 • 影響関係は影響を受けた側に分類 • 例) 浮世絵のフランス絵画への影響→フランス絵画 (723.35) • ただし個人が多数に影響を与えた場合は個人の側へ • 因果関係は原因ではなく結果に分類 • 例) 地震と鉄道→鉄道建設 (516) など
日本十進分類法の一般分類規程(3) • 理論と応用 • 理論と応用を扱ったものは応用に分類 • ただし適当な分類項目がない場合は理論に分類 • 例) 応用微生物学→微生物学(465) • 主題と材料 • 主題説明の材料が何であれ、すべて主題で分類 • 例) ショウジョウバエの遺伝と実験→実験遺伝学 (467.2)
日本十進分類法の一般分類規程(4) • 主題と読者対象 • 特定の読者層を対象に書かれたものは読者層を示す分類項目 • 例)警察官会話手帳→警察官 (317.7) • ただし一般読者にも活用できるものは主題で分類 • 例) ナースのためのイラスト生理学→生理学 (491.3)
日本十進分類法の一般分類規程(5) • 原著作とその関連著作 • 原則として原著の分類される項目に分類(例外あり) • 新主題 • 最も密接な関係があると思われる主題に分類 • または新しい分類項目を設けて分類
第11回のまとめ • 日本十進分類法(NDC)は日本を代表する一般分類表で、多くの図書館で採用 • もり・きよしが戦前に原案を発表、戦後、日本図書館協会に維持・管理が移り、現在は新訂9版 • 本表は3次区分までの要約表と全項目を載せた細目表から成る • 別冊として一般補助表と相関索引 • 分類結果を統一するための分類規程